イキモノの不思議
多産多死のイキモノたちに思い馳せ
ただそんな風に創られただけ
ベランダに小さなプランターをこさえて野菜を育てていたら、おびただしい数の小バエが発生した。小バエたちは網戸の網目もすり抜けて部屋の中へ侵入し、お部屋の観葉植物”ベンちゃん”ことベンジャミンバロックにも卵を産みつけ、部屋まで小バエだらけになった。土を替えてもどこからともなくやってくるハエたち。
「私vsハエ」の激しい攻防を続けること1か月。
ブンブン飛んでいる以外に害はないので、一瞬「小バエとシェアハウスするか…」と考えたりしたけど、やっぱり嫌だった。
泣く泣くプランターと1年弱連れ添った観葉植物とさよならする羽目になった。
それにしても小バエの生命力たるや。殺虫スプレー、土の入れ替え、小ハエホイホイ、だいたい試したけど小バエの生命力には勝てなかった。
ふと、どうやって増えるのか気になって調べてみた。
ハエは卵を産んで孵化するまでに、大体1日、長くて2〜3日らしい。そしてメスはオスの精子を体内に貯蔵することができるらしく、一度の後尾で長く卵を産み続けることができる。繁殖するためのシステムが頑強すぎる生物だ。
ハエの生態を調べながら、マンボウの繁殖を思い出していた。マンボウは3億個の卵を産んで、生き残るのは2匹らしいと誰かが言っていた。有名な話だけど、ハエに比べてなんと切ない生き物なのだろうかと思う。
ミツバチのことも思い出した。昔ラジオでミツバチの生態について聞いて以来、私はミツバチのことを本気で、心から尊敬している。
ミツバチは生まれた時から「チーム・ミツバチ」として組織の中での役割を理解して生まれてくる。
女王蜂は卵を産む。働きバチは全てメスで甲斐甲斐しく女王蜂の身の回りの世話、時には外敵に命がけで立ち向かう。そしてなんとも切ないオスバチは繁殖のために生まれ、役目を終えると命を落とす。なんだか「大奥」みたいだなと思う。
ミツバチの中にプログラミングされている「チームの平和と幸せ願うマインド」は一生を通してブレることはない。実際のところ裏切りバチがいるのかは知らないけど。
たくさんの生き物が多様な方法で繁殖を試みる中で、人間はやっぱり不思議だ。
自由意志によって恋愛し、子どもをもうける。時々子どもを持たない選択をする個体もいる。それについて何か言いたいわけじゃなくて、ただただ不思議だなあと思う。食物連鎖のピラミッドの頂点に近づくほど、多産多死の生き物から小産小死の生き物になる。当たり前のことで、そうならってきたんだけど、どうしてそんな風に創られたのかな。
ただそんな風に創られただけ、なんだよね。
そんなことを考えながらここ数日過ごしていました。生き物は面白い。
生き物も面白いし、植物も面白い。最近はコケがマイブームなので、いつか書きたいな。
それでは聴いてください
スピッツで「小さな生き物」
(これが言いたかっただけ…?!)
ー 負けないよ 僕は生き物で
守りたい生き物を
抱きしめてぬくもりを分けた
小さな星の隅っこ
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