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タッチフット戦術クルーズ

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タッチフットボール(アメフト)の戦術・技術・トレーニングについて解説します
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#フラッグフット

タッチフットボールで使う カットバックトレーニングの分解

リクエストがありましたので、今日はわれわれの『カットレ』(カットバックトレーニング)を少し分解して紹介します。 このトレーニングは最終段階のものですので、基礎的な動きが知りたい人は、これ以前のカットレを参考にして下さい。 足運びとボディバランスが必要試合で効果的なカットバックの、①間合いに入るときの足運びと、②その後の縦上がりの感覚を習得します。 まず正確に跳び、ボディバランスを身につけます。慣れてきたらスピードを上げていくといいです。飛ぶスピードは、女子で以下のビデオ

「守備戦術の駆け引き」オフェンスを揺さぶる6つの視点|タッチフットボール

以前、攻撃からみた「揺さぶり」についてのバリエーションを紹介しました。 では、守備が仕掛ける「揺さぶり」としてどんな駆け引きが考えられるのか、K-SPEX&郡山女子が試合に向けて準備しておく視点を書きます。 以下、守備全体としての駆け引きを、 ①時間を奪う ②時間を与える ③ミスマッチを作る ④認知を並びで阻害する ⑤認知を動きで阻害する ⑥スペースを限定する という6つの視点から見てみます。 時間を奪う典型的には、ブリッツです。パスラッシュの枚数を増やすことは、QB

エンドのコール、動き、読みについて|タッチフットボール

タッチフット界の上級者に話を聞く企画、今回は、RISE2003の快足エンド上神さん(#1)にプレーで心がけていることを聞くことができましたので、ご紹介します。 プレーコールについて●RISEでは普段コールをノーズバッカーが出していて、 主に試合の状況判断もノーズバッカーがメインになっています。 私は、コールの中で自由にさせてもらうことも多く、 自由に入っていいよ、引いていいよ、と言われますが、 私が自由に動けるのも、福田選手(#20)の視野の広さのおかげです。 エンドが

Ráfagaにみる「時間の支配」を意識した準備|タッチフットボール

前回に引き続き、QBからみたプレーコール(プレー選択)を大きなテーマにしていきます。 今回は、ゲーム中の「ダウン・時間・点差」について、RáfagaのQB矢谷さん(#37)に普段意識していること、準備について聞くことができました。 また、チーム作りに関連して「目指すオフェンス像」についても聞いています。 ラファーガのオフェンスプレー ダウンについて●1stダウンで2~3yds以上を必ず稼ぐこと これで3rd、4thダウンの状況が大きく変わってくるからです

最速の選手はどこに用いるべきなのか?アスリート・エンドが動かすゲームプラン|タッチフットボール

最速の選手は、どこに用いるべきなのか? これまでの記事で、違いを作り出す「QBの機能性」の話をしてきましたが、一方、2019年ファイナルタッチを見て、エンドの機能性がゲームを動かすフェイズに入っているのではないか、と感じました。 たとえば、RISE対BOOZERSなどを見ていると、お互いに強い武器がある中で、一瞬の不意をついてビッグプレーを出すエンドの活躍は、ゲームプランに盛り込むことが難しいゆえに、瞬時のゲームメイカーになり得ます。 アスリート・エンドとゲームプラン中で

ライジングサンズに聞くQBの「ゲーム勘」「プレー選択」を支える情報共有|タッチフットボール

今回は、QBの「ゲーム勘」とプレーコールの関係を情報を切り口に確認してみようという話です。内容的には「キャプテンシー」「プレー選択」とかかわりがあります。 オフェンスのハドルプロセスさて、オフェンスのもつ能力を効果的に得点に結びつけていくためには、適切なプレーコールが必要であることは明らかです。 たとえば、これまでに紹介してきたQBのように、高い機能性を有する選手がいるならば、どのタイミングでその能力を使い切るかが重要になります。 一般に、オフェンスハドルの流れは、

ディフェンスを揺さぶるための4つの視点|タッチフットボール

昨日はスローバックを例に、縦と横の揺さぶりを組み合わせることについて述べましたが、オフェンスのプランとして「ディフェンスを揺さぶる」ことについて、ふだん私たち(郡山界隈)が考えているポイントを書きます。 相手ディフェンスを揺さぶる方法として、オフェンスが考えるおもな要素は、 ●空間 ●時間 ●ミスマッチ ●認知 です。 空間フィールド上の攻める地点を積極的に変えていきます。また(スローバックのように)、空間的に縦横の幅を大きく使って相手を物理的に動かします。パスの高さ