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MBA受験の役に立たない対策方法~後半

前回のnoteでは国立MBAの受験対策で、自分なりのポリシーを持っていたにもかかわらず不合格だったことについて書いた。しかし、懲りずに同じポリシーで「勉強する」ことで、二次募集では合格に至ったので、今回の合格に作用したと思う対策方法について記録を残しておく。

前回の内容含め、ひょっとすると、何か大きな目標を達成する際に読者の方の役に立つと思っているが、タイトルは前半に習い「役に立たない」というタイトルとする。

今回の合格には、社会人になってからの約10年の習慣と、中長期的な試験「対策」が作用していると考えているため、短期で一気に試験対策をしたい方には向かないと思う。しかし、私のように浪人して私立文系大学に入学していて受験勉強では苦労したような者でも、今回のような目標を達成できたことに焦点を当てることに何らかの意味があると信じる。(もちろん、学部の試験と大学院の試験とでは大きく中身が異なるものではあるが)

合格した大学院について

MBAの中でも難関と言われる国立の大学院に合格した。(今回の試験の倍率は、1次募集、2次募集で5倍程度と、平均的な倍率が2倍程度が多いMBAでは難関に部類されると思う)

 ✅試験内容

一次試験:事前提出書類(職務経歴書、将来計画書等)+小論文テスト
二次試験:面接

 ✅合格に必要とされる力

前回のnoteでの分析内容より、試験では下記のような能力を求められていると言う答えに至った。
・ビジネスに関する研究論文を読み解く力
・読んだ内容を応用する力
・相手に行動してもらうために論理的に言葉を使う力
・クラスで他の受講生に貢献する力
・数ある課題の中で特に重要なものを選ぶ力

対策①社会人になり10年間続けていたこと

 ✅本の感想をSNSでアウトプット

「齋藤孝の速読塾 これで頭がグングンよくなる! (ちくま文庫)」という本の中に、「本の内容を定着させるためにはSNSでのアウトプットが有効」という旨のことが書いてあり、新卒時代に実行を開始。頻度は高くないものの約10年間続けてきた。ここ数年は、私の書評を見た方から本を買う方も毎回何名かいらっしゃるようで、そうした反応が伝わる文章が書けているかどうか基準にもなる。

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大学院に行ってからは、多くの本を読み、読んだことをもとに具体的に自分のアイディアを書かなければならないので、SNS上で読み手に対してのこうしたコミュニケーションは、小論文でも活きたと考えている。また、読んだことをもとに自分の研究に活かすことも求められるため、本を読みそれらをアウトプットする習慣は今回の合格に役立ったと思う。

 ✅発表の機会を断らない

これも10年来の習慣だが、何らかの発表の機会をいただいたら断らずに登壇することにしてきた。もともと、自分の表現力には弱点があると感じており、人前で発表することで磨く必要があると感じていた。私はデジタルマーケティングの仕事をほそぼそと10年間しており、ときどき講演の依頼をいただくことがあるが、どんな小さなテーマでも依頼されればお断りしたことはほぼ無い。正直最初のうちは、私の話す意図が全く伝わらず、アンケート結果がが散々な状態が何年も続いたが、言葉でのコミュニケーショが自分の弱点だと認識していたのでとにかく懲りずに続けた。

正直、アンケートを見て落ち込むことも多かったが、自分への評価を他人(特にはじめてお会いする方たち)から、たくさんもらえることは自分の言葉がどのように相手に伝わるのかを知るのにもってこいで、小論文や面接に活きたのだと考えている。

イベントをスポンサーして無理やり、登壇の機会を作ったこともあり、今年の3月にまたアナリティクスアソシエーションさんにて登壇する予定だ。(突然の宣伝ですがご興味ございましたらぜひご参加お願いいたしますm(_ _)m)


 ✅常に自分よりすごい人の話を聞く

また自分よりも優れた人の話を毎週のように聞くことも行ってきた。最近はTwitter SpaceやClubhouseで常に自分の関心のある分野で、著名な方々のお話を聞ける機会が増えおり、常に新しい情報に触れることができる。刺激を受け、自分の至らなさに毎回気づくことができるのも見過ごせない点だと今では考えている。

継続的に何かを意識することは難しいが、それを続ける一つのヒントが劣等感であり、それをどこかに持ち続けられる機会は実は貴重だと今では思っている。それが、自分よりも優れた人の話を聞くことの目的と言っても良いくらいだ。刺激が行動に移らなかったとしても、勉強の際の注意につながるのではないか。

 ✅自分で作った資料を相手の立場になって読む

仕事での資料や、ブログなど何でも良いのだが、読み手の立場になって読む機会を持ってきたことも、今回の合格では重要だったと思う。MBAでは事前に提出する職務経歴書や将来計画書も審査対象となるが、自分のことを知らないはじめての相手に対して、いかに自分の過去と将来を伝えるかが重要だ。(試験監督者の大学の先生は、論文を常日頃書いているため論理的であり、当然、論理的な落ち度は許されないと考えていた。)

普段の資料作成やブログを見返すことは、大変地味な作業ではあるが、自らの言葉の伝わり方を客観視し、間違いにも気づくことができる。この習慣を続けてきたことが、合格にも役立っと思う。(これについては実例を交えて書いたことがあるのでこちらも参照いただきたい。)


対策②中長期的な視野に立った試験対策

 ✅過去問を解くだけでなく文献を全て読む

過去問は大学院のウェブサイトから入手できることが多いのだが、試験問題で引用されていた書籍をすべて購入して読んだ。遠回りに思われるが、これをすることで大学院が受験生に何を求めて試験問題を出しているのかがわかるはずだし、試験問題に慣れるためのトレーニングにもなるので実施をした。(そうすることで、すべての書籍では、「世界的な重要課題を見つけるための研究者たちの努力」というテーマが共通していることに気づいた。)

最初のうちは、時間を測り、何分で何文字読めるかを計測したが、これが役立ったのかはわからないが、速読と精読の両面が必要だと思う。小論文試験では、少ない時間である程度の量の文章を読み、それに応じた文章を書くことが求められる。こうしたトレーニングによりざっと文章を読んで論文の全体の論旨を掴むことができるようになったと思う。

 ✅20XX年までに何をするかを考える

受験で最も面白かったのが将来計画書の準備だ。この作業を通して、自分が将来どういった方向で行きたいのかを改めて考えることができた。「日本人のためのMBA エッセイ インタビュー キャリア対策 第2版」は本来、海外MBAを目指す人のための本であるが、こちらに書いてある将来計画書の内容が大変参考になった。

同書では、将来計画書の魅力がMBA受験の中でとてもエキサイティングだということが書かれている。私はこの内容に半信半疑だったが、書いてあるように、年号の横に自分の計画を数十年のスパンで書くことで、将来を考えることが意外に楽しいことがわかり、将来計画書を作成する作業がとても楽しく終えることができた。

今まで「5年後に何したい?」「10年後に何したい?」というふうに聞かれて答えられないことが多かったが、この本のように「20XX年:今の会社で◯◯をする」と年号を最初の横に目的を書くだけでこの作業がすんなりいくことが驚きだった。

大学院への入学自体で人生が変わることは無いと思っている。それよりも、在学中に多くを学び、卒業後にどういった勉強を続けるかのほうが大切だ。数十年の視野で、MBAとその後を考えるこのプロセスは私の受験の中でたしかに「エキサイティング」な出来事となった。

 ✅小論文の前に論文とは何かを知る

小論文の試験は「社会人入試の小論文」を参考にした。大学院に受かりたいのであれば、受験する大学院の過去問を研究して傾向を掴み対策を立てればよいが、その前に、小論文がどのようなもので、どういった書き方を求められるのかを知っておくこともまた重要と考えた。

「社会人入試の小論文」では、小論文の前に論文がどういった類のもので、どういった書き方が求められるかがわかりやすく解説されていた。小論文とは、論文を小さくしたもので、基本的には論文の書き方が求められるという基本的な説明から、具体的な書き方にまで言及されている本書に大変助けられたと思う。また、論文を読む際の読み方も書き方を学ぶことで知ることができたのも収穫だった。

まとめ

大学院受験では、合格のための準備で成長できただけでなく、自らの日頃のアウトプットの方向性を見つめ直すのに良い機会となったと考えている。受験対策ももちろん行ったが、今回に関しては日頃行っていたアウトプットの活動がプラスに働いたのではないだろうか。10年間続けてきた習慣を、無理のないように磨きながら更に大きなことを成し遂げたいと考えている。

読者の皆様も、長い間実施しているおすすめのアウトプット方法があったらぜひお聞かせ願いたい。

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