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目からビーム!147 変異する共産主義ウィルス

 今年は極東軍事裁判の判決から75周年にあたる。戦勝国が一方的に敗戦国を裁くという、裁判とは名ばかりのこの茶番劇によって、東条英機ら7人が所謂A級戦争犯罪人として絞首刑に処されたことは周知のとおりだ。僕は常々、世の死刑廃止論者に、この正義も人道もない裁判についてどう思うか問いたいと思っている。
 冷戦は終わった。ソ連邦の崩壊、それはまさに共産主義の敗戦といってよかった。しかし、世界中の共産党政権の親分で有罪判決を受け処刑されたのはルーマニアのチャウシェスク大統領ぐらいのもので、多くの赤い独裁者たちは、家族に看取られながら(日本流にいうところの)畳の上で死んでいる。それを思うと、ますます、7人が不憫でならない。
 とはいえ、社会主義国の指導者を片っ端から断頭台に送れ、などと前時代的なことを言うつもりはない。20世紀最大のカルト思想共産主義に対する象徴的な死刑判決は必要だったと言いたいのだ。欧州では公共の場でナチス擁護の発言をするだけで刑事罰に処される国もある。ナチスが殺した数百倍の人間を殺しているのが共産主義ではないか。せめてナチスと同格に、人類史に残る過ちとして、共産主義の否定を人権宣言に書き加え、世界の教育機関でも徹底的にそれを教え込むべきだったと強く思う。
 ひとつは油断があったのだろう。ソ連邦解体で、共産主義は死滅したと誰もが思ったのだ。実際は、共産党は死んでおらず、ウィルスのように環境に合わせて変異し潜伏していたのである。そして21世紀現れたその変異体は、曰くグローバリズム、曰くジェンダー・フリー、曰くLGBTQ、曰くSDGs、曰く先住民族宣言…。
これらは、平等、平和、反差別の美辞でもって世界を騙し続けている。移民問題は先進国を悩ませる重大問題と化しているし、ジェンダー・フリーやLGBTQは新たな性差の対立を生んでいるのだ。おっと忘れてはいけない、BLM。彼らは黒人と白人の和解など求めてはいない。彼らの推し進めるのは階級闘争である。BLMの創始者であるパトリス・カラーズは、マルクス主義者であることを堂々と公言していた。その暴力主義的な考え方はマオイズムにも近い。環境問題のアイコンとして一時もてはやされたグレタ・トゥンベリは「脱資本主義」を呼び掛けている。もはや隠しもしないのだ。
 共産主義は平等や平和や反差別を愛さない。対立と分断こそが彼らが求めるものだ。誰もが平等で不満のない社会からは革命ののろしを上げようのないからだ。


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