但馬オサム

文筆人・作家。とりあえず、過去発表した記事を中心にアップしていくつもりです。 著作『ゴ…

但馬オサム

文筆人・作家。とりあえず、過去発表した記事を中心にアップしていくつもりです。 著作『ゴジラと御真影』『韓国呪術と反日』『世界の子供たちに夢を~タツノコプロ創始者・天才吉田竜夫の軌跡』など多数。

最近の記事

僕が語っておきたい下北沢②~蜂屋の思い出

 昭和の下北沢といえば、やはり蜂屋を語らないわけにはいかない。 蜂屋は、一番街商店街の入り口、踏切を渡ってすぐにあったラーメン屋だ。当時、どこにでもあったような、薄汚れて小じんまりとした(近年の言葉でいうところの)町中華であったが、ここは昼どきになるといつも客で満杯なのである。  人気の秘密は、値段の安さにある。ラーメン150円、餃子100円、チャーハン、カレーライス、玉丼、野菜いためが200円、カツ丼が300円で、学食よりも安かった。一番高いのはチャーシューワンタンメンの3

    • イチニチイチゼーン!銅像めぐり

      「銅像めぐり」という1ページものの連載も『GOKUH』でやった。  ゴジラ、鉄腕アトム、エルヴィス・プレスリー、水戸黄門、と東京とその近郊だけでも、探してみると、一風変わった銅像というものが結構あるものである。それらをシリーズで紹介してみようという趣旨だった。エロとはまったく関係ない雑学ページである。  おなじみ日本のドン・笹川良一氏が母親を背負って石段を上る若き日の銅像が銀座のど真ん中に建っているというので、それを第1回で紹介するとにした。場所は日本船舶振興会ビル。住所は

      • 鬼六先生に題字を戴く

         昔、『GOKHU』(英知出版)という雑誌で「社会の窓  ZIPPER]」というコラムページを担当していた。連載開始にあたって、どうせならタイトル題字をSM文学の大家・団鬼六にお願いしたいと言ったら、編集長からも当の鬼六先生からも快諾をいただいた。  杉並のお宅に伺うと、先生は居間で、ペットボトルの「午後の紅茶」を飲んでおられた。「ママ、この紅茶、ちょっと甘いね」。ママというのは夫人。傍らに「午後の紅茶」セットの箱が置いてある。お中元でもらったものらしい。筆ならしか、テーブル

        • 目からビーム!43 トウモロコシのブルース

           米国からのデンタコーンの前倒し輸入について、例によって反安倍界隈が騒がしい。そのひとつひとつに応えるほど紙面に余裕がないので、ひとつだけ言っておくと、このコーンは飼料(牛豚の餌)用であって人間の食用ではないということである。乾燥もしているし保存も効く。  そもそもアメリカが余剰穀物を日本に輸出するのは今日に始まったことではない。GHQの指導で始まった学校給食も、結局は余剰小麦を日本に押し付け、行く行くは米食からパン食へ日本人の食生活を改造する目算があったという。それはさてお

        僕が語っておきたい下北沢②~蜂屋の思い出

          目からビーム!24 英霊の神降ろしとしての空手チョップ~討入りから真珠湾、12月はやはり忙しい

          力道山時代の名レフェリーに沖識名がいる。何が「名」なのか。公明正大なジャッジを身上にしているという意味ではない。観客のヒート(興奮)を煽る名人なのである。 特に彼の采配の活きるのはタッグマッチだ。ガイジン組の捕まり二人がかりの攻撃で息も絶え絶えの吉村道明、何度か力道山にタッチを試みるが、なぜか沖レフェリーにはその瞬間が見えていない(※、見えていない に傍点)。「レフェリー、どこに目をつけてんだ!」。客の罵声を浴びるのも彼の大切な仕事である。そして観客の怒号がピークに達したとこ

          目からビーム!24 英霊の神降ろしとしての空手チョップ~討入りから真珠湾、12月はやはり忙しい

          世田谷招魂社を初めて知りました。経堂の世田谷八幡宮の中にあります。乃木大将揮毫の慰霊碑が建っています。

          世田谷招魂社を初めて知りました。経堂の世田谷八幡宮の中にあります。乃木大将揮毫の慰霊碑が建っています。

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          北沢八幡宮

          北沢八幡宮

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          追悼・九里一平先生 『世界の子供たちに夢を』外伝 ナンバー2の苦悩

          吉田竜夫と九里一平  九里一平先生にはじめてお会いしたのは、お兄さんであるタツノコプロ創始者・吉田竜夫先生の評伝『世界の子供たちに夢を』のためのインタビュー取材だった。奥付を見ると2013年1月初版とあるから、もう10年以上経つことになる。  僕が、当初この評伝の依頼を断ったというのは、あとがきに触れたとおりだ。理由はいろいろあるが、実はあとがきにも書かなかった理由がひとつある。当時、僕は長い鬱からようやく抜けたたばかりで、まだ人と会ってお話を聞く作業に自信がもてなかったの

          追悼・九里一平先生 『世界の子供たちに夢を』外伝 ナンバー2の苦悩

          僕が語っておきたい下北沢①~かたばみと銀砂

          僕は22歳から40歳までの20年近くを東京の下北沢で過ごした。時期的にいうと、80年代の初頭から90年代後半か。この街でいろんなやつと知り合い、夢を語り合い、酒を飲みかわし、惰眠を貪った。何人かの女との出会いもあった。平成という新元号もこの街で迎えた。 今も昔も下北沢は「若者の街」である。ただ、昔の「若者」は年寄りになり、その年寄りが「若者」だったころには生まれてもいなかった子たちが新しい「若者」としてこの街の主役になっていく。やがてその「若者」も……。それでいいのだ。願わく

          僕が語っておきたい下北沢①~かたばみと銀砂

          やすきよもドラえもんもムックもレポーターだった! 『テレビ三面記事ウィークエンダー』の時代

          泉ピン子の原点がここに ♪チャッチャラチャチャッチャ~。新聞によりますと……。  クインシー・ジョーンズの『鬼警部アイアンサイド』のテーマをキャッチに、お決まりのナレーション。なつかしの『テレビ三面記事ウィークエンダー』(日テレ系)である。  タランティーノの『キル・ビル』でも同曲は効果的に使われていたが、このメロディーを聴いてレイモンド・バー演ずるアイアンサイドのしかめっ面よりも、まず『ウィークエンダー』を思い出したという人も多いのではないか。  番組のコンセプトはいたっ

          やすきよもドラえもんもムックもレポーターだった! 『テレビ三面記事ウィークエンダー』の時代

          昭和7年 裡里公立学校 とある。前列の背広の男性が金丸茂一校長。チマチョゴリは制服のようだ。どこが文化を奪ったのか? みんな利発そうでお行儀がいい。裡里は現地読みでイリ。全羅北道。

          昭和7年 裡里公立学校 とある。前列の背広の男性が金丸茂一校長。チマチョゴリは制服のようだ。どこが文化を奪ったのか? みんな利発そうでお行儀がいい。裡里は現地読みでイリ。全羅北道。

          目からビーム!19 馬糞を見て兵力を知るスパイ~機密ダダ洩れ日本

           小学校5年の担任だったS先生は戦時中、中国大陸で諜報活動をしていたという。授業中、よく当時の話をしてくれるのだが、それがすこぶる面白かった。こういうのを「生きた授業」というのだろう。  たとえば、一般人に紛れるために拳銃はフォルスターで吊らず、いつもズボンのポケットに小型のやつを忍ばせ、いざというときはポケット越しに撃つのだそうだ。これなども子供心に、へえ~カッコいいと思って聞いていたのだが、撃ったあとの姿を想像すると……穴の開いたズボンを履くスパイというのもちょっといただ

          目からビーム!19 馬糞を見て兵力を知るスパイ~機密ダダ洩れ日本

          昭和天皇と握手したチンパンジー

           メスのチンパンジーのスージーは、昭和20~30年代の上野動物園の人気者。彼女の人気の秘密は、その芸の多様さと賢さにあった。自転車乗り、一輪車乗り、竹馬乗り、ローラースケート、綱渡り、樽乗り、縄跳び、ピアノ弾き…。スージーはそれらを、人間に強制されたと思わず自ら楽しんでやっていたという。だからこそ上達も早かった。また、芸ではないが、大好きな飼育係の山崎太三さんがキャラメルを買うのを見て、10円を与えると自分から売店に行ってキャラメルを買うことを憶えたという。山崎氏によれば、ス

          昭和天皇と握手したチンパンジー

          呪いと恨のワンダーランド~韓国のスピリチャル (後編)

          韓国キリスト教の正体  韓国は人口の4分の1がキリスト教信者だといわれています。白人支配の長かったフィリピンを別とすれば、アジア有数のキリスト教国ということになります。ちなみに、人口の4分の1というのは李朝時代の奴婢階級と同じ割合です。韓国の全クリスチャンのうち、カトリック1に対してプロテスタント2で、後者の方が圧倒的といえます。  日本人は、カトリックの総本山としてバチカンがあるように、世界のどこかにプロテスタントの本部があるような誤解をしがちですが、プロテスタントでは、

          呪いと恨のワンダーランド~韓国のスピリチャル (後編)

          呪いと恨のワンダーランド~韓国のスピリチャル (前編)

          現代社会に生きるシャーマン文化  朝鮮半島はシャーマニズムと呪術の宝庫です。これを認識しておかないと韓国の人たちの精神文化を理解することはできません。  そもそも儒教の「儒」とはシャーマンを意味するのだといわれています。孔子の母がこの「儒」の家系の出身で、その仕事は現世と死者を繋ぐ本来の巫女のほかに、葬祭の一切を取り仕切る一種の葬儀屋さんのような役割もあったようです。墓を掘り起こして死者の身に着けている物を着服するのが彼女らの役得とされ、要するにあまり身分のよろしくない人た

          呪いと恨のワンダーランド~韓国のスピリチャル (前編)

          万博、ハレンチ、性教育の時代 君はアポロの塔を憶えているか?

          性教育の政治利用(?)にNO  2000年代初頭、教育現場での過激な性教育が社会問題になり、国会で取り上げられたこともあった。どんな教育かといえば、黒板に貼りだされた男女の性器の図解を教師が指差し部位の名称を生徒に呼ばせたり、やはり性器の呼称を入れ込んだ奇怪な歌や体操をやらせたり、性器を象った立体物を使ったり、と長年アダルト雑誌で飯を食ってきた筆者もドン引きするほどの内容なのである。こういった「性器」教育が多くの公立小中学校で行われており、東京ではなぜか下町の学校が熱心だと

          万博、ハレンチ、性教育の時代 君はアポロの塔を憶えているか?