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目からビーム!155 「性」の決定は流行であってはならない~祝!『トランスジェンダーになりたい少女たち』出版

 まるで現代の焚書ではないか。英米でベストセラーになったーアビゲイル・シュライアー著『あの子もトランスジェンダーになった~SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』の日本語翻訳版が、一部の勢力の抗議によって発売中止に追い込まれた件だ。
 僕自身、未読であり内容に関しては断片的な情報しか得ていないことをお断りした上で論を進めていくが、さまざまなデーターや聞き取り調査をもとにして、10代の安易なトランスジェンダー認定に対する警鐘を促す同書の一体どこが「性的マイノリティへの差別を助長」するというのだろうか。問題があるというなら、本書が出版されたのち、LGBT当事者を含めたさまざまな立場から議論すればいいではないか。日頃、「言論の自由」「意見の多様性」を声高に主張する左派が、この発禁を歓迎しているというのだから声を失う。

原題はIRREVERSIBLE DAMAGE(取返しのつかないダメージ)。まさに。


 心身ともに不安定で性的にも未分化な少年期から思春期にかけては、同性を疑似恋愛の対象にすることや、肉体的な性に違和感を覚えることは多々あるものだ。たいがいは、成長にともなって自然と異性愛に移行するわけで、自分の「性」を決定するのは、少なくとも選挙権をもつ年齢になってからでいいというのが僕の意見だ。
 したり顔で進歩派を気取る教師や偏ったイデオロギーをもつ“専門家”が、君はゲイだ、レズビアンだ、トランスジェンダーだ、などと決めつけるのは無責任かつ危険きわまる。性自認というけれど、LGBTケースの中には、こういった“性他認”も少なくないのではないか。まして、安易に性ホルモン投与や乳房切除、性転換手術を勧めることは、取り返しのつかない結果を招くことになりうる。子供たちは実験動物ではない。イデオロギーの犠牲にしてはならないのだ。
 同書によれば、近年では、SNSなどを通して少女たちの間に「私はトランスかもしれない」と思い込む傾向が広がっているという(その土壌を作ったのは大人だ)。また、LGBTの中では、Tすなわちトランスはヒエラルキーが高く、LやGはダサいものとして一段低く見られる傾向にあるという。こうなると、単なる流行か、ともいいたくなるし、LGBT内に差別が生まれつつあることにいやなものを感じる。最近の10代はわりと気軽にタトゥーやボディピアスを入れる。僕の中高生時代では考えられないことだが、これも流行の名のもとに片づけられてしまうようだ。タトゥーやピアスがそうであったように、これからはお気軽な性転換手術の時代がくるのだろうか。
 
(初出)八重山日報

(追記)既にご承知のとおり、『あの子もトランスジェンダーになった』(原題IRREVERSIBLE DAMAGE)は版元をKADOKAWAから産経出版社に替え、『トランスジェンダーになりたい少女たち』のタイトルで発売(4月3日)が決まった。予約状況も順調であり(3月20日現在amazonカテゴリー1位)、早くもスマッシュヒットの兆しである。まさかの発売中止が、逆宣伝となったと考えるなら、LGBTサヨクの大失態。大いに笑ってやろう。
2530円と、ちょっとお高い値段設定だが、懐に余裕のない方はぜひ、お近くの図書館にリクエストしてほしい。

ヘイトではありません。

著者アビゲイル・シュライアー氏インタビュー。英語の得意な方、どうぞ。

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