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リアルな夢の話

どの時代でも一番怖いのは人間である。


大正時代だろうか、私たち夫婦は伝統の日本家屋を借りて住んでいた。
広い畳の居間があり、ふたりには十分過ぎるぐらい立派な家だ。

その借家の大家は60代の女性と息子であろう30代くらいの男だった。

ちょうど真向かいに住んでいた為、居間から大家の家の居間が見える。
時々、大家のふたりがこちらを見ているので、目が合うと会釈をする。
なんだか気味が悪かったのを肌で感じた。

ある日の昼下がり、同じ大家から家を借りている隣人の若い女性が私たちの家に訪れた。
居間に招き入れお茶を差し出す。
彼女は体を震わせながら怯えていた。

「どうしたのですか?」
夫が聞いた。
彼女は私たちがいることに安心したのか、落ち着きを取り戻しつつ話だす。
「あの大家がおかしくて…、いつも監視されている気がして、いつか殺される…」
私と夫は目を合わせた。
私たちもあの大家には少し気味の悪さを感じていたからだ。
彼女は続ける。
「明日には引っ越すのです…、なので今日だけ我慢すれば……」
怯えている彼女をこのまま家に帰したくなかった私は口を開いた。
「今日は泊まっていってください」
彼女は少し嬉しそうに感謝の言葉を述べた。
その時だった。
障子の隙間から居間をのぞく影が見える。
私たち3人が影がする方を見ると、外には大家の息子が立っていた。
私は慌てて彼女を隠そうとする。
「あの押入れに!」
しかし、外から押入れに入るところが見えてしまう為断念した。
出来るだけ彼女を隠しつつ、夫は大家の息子と話す。
「どうしましたか?」
夫は何事も無かったかのように聞いた。
「いや、なにも。ただ隣人の方が貴方たちの居間にはいっていったのが見えまして。何もなければ良いのです」
そう答えると、狐のように微笑みながらその場を去っていった。

その日の夕方、近隣に住む夫の友人が訪ねてきて玄関から声を上げた。
「おーい、飲み行くぞ!」
夫が支度をしている間、私はその友人と話す。
「あの、そこの玄関に鍵はついていますか?」
友人は怪訝な顔をしながら言う。
「?ついてるよ?」
「ですよね…良かった」
私はこれで誰も家に入って来れないと思い、安心し夫を見送った。

日が落ちあたりが暗くなる。
私は温かい蕎麦2人前の出前をとり、居間のテーブルに並べる。
居間が暗かったので電球を付けた瞬間私と彼女は息をのんだ。
テーブルには大家とその息子が笑顔で座っていた。

その後どうなったかは誰も知らない。


ここまでが私の見た夢です😵
ほぼこの物語のままです😵
変えたところは、温かい蕎麦ではなく夢ではラーメンでした
雰囲気壊れるの嫌だったので蕎麦にしました
あしからず🙇🏻‍♂️

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