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【Live Report】#3 青春ロックって、生き様なんだよなって感じた夜-カネヨリマサル@BIGCAT

歳を重ねて「青春」が遠い彼方になってくると、ガールズバンドって「自分の青春時代を歩んだ思い出の持ち物」として在る気がする。時にはチャットモンチーだったり、時には赤い公園だったり、時にはねごとだったり。
今のティーンズの人たちにはカネヨリマサルのそのバンドの1つになってる人も多いんじゃないかと思う。
アラサーの自分にとってもそのバンドになっているのだが、正確に言えば「今も青春を共に歩んでいるバンド」となってる気がする。

じっくり、でも着実に成長してきたバンド

最初はどういうきっかけだったか忘れたが、YoutubeでPVが公開されているのを見て、きっと売れていくという直感が働いたのをなんとなく覚えてる。そういえば活動休止してた時期もあったなーとライブを聴きながら思い出していたが、それもこれも2〜3年前ではなく5年ではきかないくらい前だと気づいて年月の経過に驚く。

そう、このバンド、実は結構キャリアが長くてもう9年ほど活動している。メンバーと同年代(同い年)もあり、自分としても勝手に思い入れが深いバンドになってる。
気づけば見放題に出て、802のヘビロになり、対バン相手も大物になり、今回のツアーファイナルはBIGCATワンマンも当たり前のようにソールドアウト。着実に成長しているバンドだ。ずっと聴いてたわりには行く機会に恵まれず今回やっと参戦することができた。


ゴリゴリのギターロックでありながら綺麗に保たれている各パートの間のバランス

パリッとしながら歪んだギターサウンドがこのバンドのストレートさや感情をとても良く現していて個人的にドンピシャに好きなのだが、それが大音量でフロアに響きわたるのが気持ち良すぎる。
でも音量で圧倒するライブなのかと言うとそうではなくて、ドラムもベースも主張しすぎず、でも埋もれているわけではなくしっかりベースラインとドラムのリズムが耳に入ってくるし、ボーカルもコーラスをしっかり聴こえる。この各パートの音量のバランスが絶妙で盛り上がるのはもちろんのこと「ロックに浸っている」という感覚になった。今回はサポートギターも入りにギターロックがさらにパワーアップしてたのも良かった。

全力で自分たちの音楽を鳴らし続ける、それこそが「青春ロック」そのもの

そして何よりメンバーが皆このライブに全力で挑み、全力で楽しんでいる姿がライブ中随所に伝わってきた。自分はベース側にいたがもう全身でベース弾いてるって感じ。
自分は30も近くなって青春が遠い思い出になってきた今、自分は青春に戻りたいときに青春を思い出してくれる曲を聴けばいいのだが、同じ年のメンバーが「青春ロック」を掲げ続けてそれを求められて作り続けて鳴らし続ける。感情や価値観が大きく変化するこの年代でそれをし続けるのはそう簡単ではないはずだ。満員のBIGCATのお客さんを前にしてMCで何度も声を詰まらせていたのもこれまでぶつかってきた数々の苦しさを現していたのだろう。
だからこそ自分たちが好きな音楽を全力で鳴らし続ける、その姿・生き様こそが「青春ロック」そのもので、その姿と音楽に感化されて気づけば今までにないくらい拳を掲げて踊ってパワーをもらうライブになっていた。

秋からのツアーではいよいよ会場にZeppが加わった。ますます成長曲線を突き進む3人が、自分たちの信じる音楽を貫き鳴らし続けてくれる限り、僕も彼女たちと共に「青春の延長線」いや、「今も真っ只中の青春」を走り続けて行こうと心に誓った夜だった。



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