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♤K 野心

どうもこんにちは。久々の前振りをします。舞台でお馴染みの脚本家や監督が出てきてちょこっと挨拶するアレです。
普段の記事でなくエッセイでこれする必要ある?と首を傾げる方。ごもっともです。
理由はきちんとあります。

まず、今回の記事はトランプエッセイ史上1番長文である事。
次に内容が連想ゲームではなく思いっきり私自身ー俳里という仮面の奥に存在する人間の為に書いた手紙と言う事。
この2点をご了承して頂くべく、挨拶に変えさせていただきます。

さて、今週のテーマは「野心」です。野心というと意識高い系だったり世界を変えてみせる!と豪語する人が浮かびますが、英語にするとambitious。あら不思議クラーク博士が出てきました。
野心はなくても大志だったら抱けそうなのでこちら寄りで書きます。
そしてこれが投稿される本日4/27は、私、俳里の根っこの部分がこの世に登場した日です。この手紙は10年前の私と10年後の私、2人に宛てて書きました。
14の自分に「人生なんとかなっぞ」と報告し、34の自分へ「今楽しいけどそっちはどうだい?」と尋ねる為に。
そうなるとあと10年note続けなきゃですね。やれやれ。
それでは、かなーり長いですが良ければどうぞ。

拝啓10年前の私。好きな物と嫌いな物は変わってないから安心して

拝啓 春の日差しが心地よい毎日でございますが、如何お過ごしでしょうか。
と書いてみても十年前の私は今置かれている学校生活という名の箱庭から抜け出したいのと今後の人生に全力で絶望している時期だったので季節の変化を感じるどころではないでしょうね。
だけど安心してください。
10年後の私は同じ建物で勉学を共にした人達と縁を切り地元を離れ孤独を謳歌しています。

さて、私は今24の誕生日10日前にあたる4月17日この手紙を書き始めました。言い換えれば10日かけて手紙を書こうと試みているのです。10年前の私と10年後の私への誕生日の便りにするために。

何故こんなことをしているのかというと、私にとって14歳は絶望で最悪で最低で忌々しい、嫌でも忘れられない時期だったからです。

しかし、振り返るとその時期があったからこそ今の私が導かれたわけで、10年という年数を通して俯瞰すると14歳は素晴らしい転機だった事を実感しています。
なのでこれから貴女が14歳になった瞬間から24歳になる直前までの出来事をここに認めたいと思います。できるだけ簡潔にかつ貴女が興味をそそられるような言葉を使って書ければと思います。

好きな物と嫌いなものは殆ど変わりません。割合がひっくり返っただけで。

この10年を振り返るにあたり、今の私が好きなものと嫌いなものをリストアップしました。次にそこへ昔の私が好きだったものと嫌いだったものを書き足しました。
書き足すものは思ったより少なかったです。

出来上がったリストを眺めると、驚くことに嫌いなものは案外少なかったのです。
そう、あの頃の私はこの数少ない嫌いなものに自分の気持ちを9割も意識を注いでいたのです。
当時はこれらへの免疫や経験が少ないがためにそうなってしまうのは仕方がなかった事だと思います。

この時期でなくても、きっとどこかで嫌いなものに集中しすぎて眼の前が真っ暗になっていたのだとしたら中学時代で良かったと思います。
この過程を通っても通らなくても我が一族の(特に父)岩塩級のドライさを鑑みると、対人関係が優先順位低いのは当然の事なので気にしないでいいです。

さて、10年後ですが嫌いなものは1ミリも変わらず憎み続けています。
しかしそれを表に出さず社交的なフリを出来るようになります。深い交流関係もそんなに作ってません。
「そんなに」というのは学生生活や地元内でという意味で、Twitterで出会った人とはめちゃくちゃ仲がいいです。
お察しの通り、執着しない関係が性格上合うもので、大人になっても興味のない予定が立ちそうになると架空の予定を生成してどうにか回避できないか頭をフル活用しています。

週に1回、朝の5時に起きてこっそり家族共同のパソコンで見ていた曲の中の人はとんでもない形で外に出てきます。そして会いに行きます。


この頃は部活の先輩の影響でボカロにハマりDECO*27、トーマ、ヤマ△、じん、ハチ、wowaka…など色んな人の楽曲を聴き漁っていましたね。
確か当時の私の語彙は本と映画とボカロから吸収して、自分も使えるようになりたいと願いながらpixivで何処かで見たことあるような設定と粗筋を盛り込んだ小説を書きました。書くのはいいけどアカウントはきちんと消しましょう。
pixivのサーバに永久保存されています。

ま、そんなことは置いておき、当時の私は最高10歳くらいしか年齢の違わない人が持っていた創造力に憧憬を抱き、どんな物を見たらこんな作品を生み出せるのだろうかと想像を巡らせ、自分なりの足掻きとして読書の幅を文豪作品や海外作家まで広げました。あの頃読んだ芥川龍之介と江戸川乱歩、宮沢賢治は今でも好きですし、創作の世界観の基にもなりました。

また話が逸れたので戻して(文面でも調べ物でも寄り道が多いのは変わってません)聴いてたボカロ曲の中で1番夢中になっていたハチという人がいましたね。あの人は10年…いや、5年後かな。思わぬ形でその姿を世に出し、日本音楽界の霹靂となり新たな風を吹かせます。
そしてハチさんの名が音楽ファンの耳に馴染み始めた頃、私はそのハチさんの武道館ライブに行く権利を与えられます。
誰にも言わず深夜2時、家を抜け出したった独りで東京行きのバスに乗りました。

思えばあのライブが漠然とした恐怖に呑まれていた私の心を解放してくれました。
それはダム放流のように一瞬で、落ち着いて辺を見渡してみたら、滞っていて見えなかった道がはっきりと見えたのです。
今まで一本しかないと思っていた物は、実は無数の枝を抱えていてその枝が一斉に目を覚まし伸び始めたのです。

だから何があっても、その人のライブは絶対に行ってください。2018年1月9日です。

ついでに188cmの成人男性にキュートアグレッシブな感情を抱くことになります。お楽しみに。

自分の好きなもの変わってるな〜と思ってましたよね。その変わってるもの極めすぎて癖に昇格しました。


この頃の私は趣味だけでなく、本質的な何かが同級生と違うかもしれないと思ってました。

そりゃあ中2で不倫小説だったり江戸川乱歩の人間椅子を読んで「愉しそう」と静かに興奮してる人はいません。
その好きも手放さなかったおかげで私は今アブノーマルな道へ足を踏み込もうとしています。いや、足首まで浸かっています。もう後戻りはできない状態ですが結構満足してます。

終わりに

私事ですが、24歳になれたのがめちゃくちゃ不思議なもので、十年前は20になったらこの世から消えてるんだろうなーって想像…いや、期待をしてました。
でもなんだかんだ10年生きてました。今では30で消えるんだろうなーって思いながら過ごしてます。
とりあえず社会人1年目を乗り越えまして、今の会社まるまる2年勤めたら都会暮らししてみようかなーと考えております。

10年後の4月27日は、どんな日になってるんでしょう。
4月は春のままですか。
本屋はまだ残ってますか。
変わらず孤独を愛していますか。
私が楽しめていればどんな状況でも構いません。法に触れてなければ。

それじゃあまた10年後。日本か世界か地球かわからんけどお愛しましょう。
敬具

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