♧K 包容力のある父親
水族館に行くとガラス越しに揺蕩う魚達の関係性を想像する。魚ってどこまで自我があるんだろう。あるだろうけど、家族単位なのか仲間なのか海中生物の頭の中覗いてみたい。
水族館の象徴といえばどの生物が浮かびますか?私はペンギンです。特にコウテイペンギンが好き。ウェルカムようこそなパークでもユニット組んで人気者でしたね。
ちょっと前にふらりと寄った本屋さんで見つけたペンギン図鑑の内容が面白かったのでその事について書きます。
コウテイペンギンの項を開いた途端「連続的な一夫多妻制である」って衝撃的な一文が目に入った。
ええ、ペンギンって一夫多妻?まああのグルーヴ見たらそうかもしれないけど「連続的な」の意味深さが気になる。
よくよく考えたらペンギンってコロンとしたビジュアルで可愛らしいけど、過酷な土地に生息しているんですよね。南極ですよ。寒いし敵も凶暴そう。
彼らは寒さから身を守るためにラガーマンのごとく集団形成してい大移動しています(ハドルと言います)。あれって実際はくっついてなくて、程よい距離感を保ち、かつ形態を崩さず移動をしてるらしい。スクランブル交差点イメージしたらわかりやすいかも。
で、本論なんですが(まえがき長くてすみませぬ)そんなコウテイペンギンの飼育環境です。厳密に言えば産卵〜雛がちょっと成長するまでの期間。
卵を生むのは雌で、育てるのは雄と役割が決まってる。
卵を産んだ雌は体力と栄養カラッカラの我が身に鞭打って己と我が子のために餌を取りに大海原へ向かうのです。
で、残された雄たちは卵を足に乗せその上に皮膚をべいんって乗せて温めます。産まれるまでの約2ヶ月ずっとその状態です。そしてもちろん外敵(シャチ、アザラシ等)から卵を守ります。
なんやかんやで栄養と体力を取り戻し、我が子への食料を携えた雌達が帰ってきます。このくらいには雛もこの世にログイン完了してます。そして生まれた子に餌をやってまた大海原に行き、雄は雛を守り…を繰り返し繰り返し。
雌の食料調達は65-78日で子供が大体150日で生まれた集団から巣立つわけですが、この期間のパパ達合計120日も絶食してますからね。雌が雛に餌与えてる時は流石に自分らも食料調達しますけどでもすごい。イクメンなんてレベルじゃない。
哺乳類より勇ましいなペンギン。だって極寒の地ですよ。そこで互いに支え合って云々…って思ってたけど更に調べたら産卵とある程度養育終わったら「達者でな!」と三々五々に散らばるんですって。うーんドライ。野性的な包容力も私達には持ち得ない不思議な力ですね。
どの種族になっても母の包容力は精神的なもので、父は肉体的なものになるのですね。
全国のお父さんありがとうございます。
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