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英語で「あなたの言葉」をオーディエンスに広く、効果的に届ける方法

コミュニケーションにおいて適切な言葉を用いて聞き手にメッセージを伝えることは最も重要なポイントです。影響力と説得力のある言語を使用し、話が終わった後もそれらのインパクトを長く継続させたいですよね。しかし、問題は聞き手はあなたのどのような言葉を受け入れ、あなたはそれをどのように把握するのでしょうか?

結局のところ、人の心は読めません。意見に同調してもらうために何を言えばいいのかは、正確に知ることは不可能でしょう。しかし、あなたが誰と話しているのか理解することと、あなたの言葉を共感しやすいものにするためのテクニックはいくつかあります。

以下紹介するテクニックを使用する事によって、聞き手の一人ひとりと繋がるように話すことができるようになるはずです。大勢へのメッセージでさえ、聞き手一人ひとりにとって意味のあるものにすることは可能です。では、聞き手をしっかり理解する際に、何を考慮する必要があるのでしょうか?

一目で判断、または綿密な調査?

聞き手にとって適切で強力なメッセージを作成するのには、聞き手の情報を把握するための素早い観察も詳細な調査も役に立ちます。

ただし、考慮すべき主な要因の1つは準備時間です。あなたはその場で状況を判断しなければならない状況に置かれているのか、それとも聞き手・オーディエンスの情報や人員構成を調査する十分な時間があるのか?

メッセージに大きな影響力を持たせたい場合は、いくつかの視点から考えることができます。

一目で判断する項目

人数規模(size) -まずはあなたの聞き手の人数規模を把握しましょう。あなたが話している相手は5人の同僚ですか?または100人の大きなチームですか?プレゼンのオーディエンスは1人ですか、または満員の講堂に向けてですか?これらの質問は、どのような方法で聞き手に情報を届けるのかを、アイコンタクトから、間のとり方まで決めるのに役立ちます。Martin Luther King Jr. が象徴的な“I have a Dream”のスピーチを仮に小さな部屋で仲間内に対してだけ行ったと想像してみてください。おそらく彼はもっと柔らかいトーンを使い、声のボリュームもより静かだったことでしょう。彼は聞き手の群集をざっと見渡すのではなく、聞き手一人ひとりにアイコンタクトを取る事が出来たかもしれません。当たり前のことのように思えるかもしれませんが、このように話をしている人の数に合わせて、聞き手とつながるためにどのようなコミュニケーションの手法を活用できるのかを考える事はとても大切です。

雰囲気 (mood) -これは実際の現場で判断するしかないですが、聞き手の雰囲気を察知することで、あなたの話が最大の効果を発揮するための適切なトーン、速度、音量、伝え方を決める大きな手助けとなります。スピーチをする時は、周囲の環境も考慮してください。場所は狭い会議室、それとも風通しの良い講堂ですか?時間帯は?明るい朝の時間帯ですか?夕方の静かな時間帯ですか?それとも聞き手はちょうど昼食から戻って、食後の眠気と戦っていますか?これらは全て、あなたがどのように聞き手にアプローチすべきかを決める際の考慮すべき点です。また、可能であれば聞き手の顔の表情とボディーランゲージも素早くチェックしてください。彼らは緊張していますか?それともリラックスしていますか?ワクワクしていますか?それとも退屈そうですか?考えてみて下さい、お葬式での人々の雰囲気と年度のキックオフの雰囲気は全くの別物ですよね。オーディエンスから察知した雰囲気に合わせた方法でプレゼンやスピーチを行ってみてください。こういった場や環境の違いを敏感に把握し、状況に合わせて丁寧に情報を伝えれば、内容に大きな調整をしなくとも、聞き手から良い反応を得られる確率が上がります。

綿密な調査が必要な項目

背景 (background) - まず、聞き手の普段の仕事での業務内容を考えてみてください。仕事は起きている時間のほとんどを占めるため、彼らの業務内容を考慮する事は聞き手がいかに情報を受け取るかに大きな影響を与えます。また、仕事以外の趣味や関心ごとについても考えてみてください。彼らは運動好きかそれとも創造的か、または学問に強い関心がありますか?もし彼らの着こなしがとてもオシャレだとすると、おそらくファッションに夢中ということが推測できますよね。彼らを興奮、または夢中にさせるものについて考えてみてください!

しかし、何よりも大切なのは、彼らがあなたの話を聞いている理由や目的を考える事です。彼らは彼ら自身の意志であなたの話を聞きに来ましたか?それとも彼らは誰かに頼まれてあなたの話を聞きに来ましたか?それは参加必須の会議ですか?これらはすべて、聞き手に話しかける際に使用する口調や単語の選択に影響します。

経験 (experience) -人の経験を外見や最初の会議から判断することは困難ですが、事前にオーディエンスを調べる時間があれば、彼らが人生でどのような経験をしてきたかを考慮する必要があります。大学を卒業したばかりの新卒のグループと、退職者のグループではあなたの言葉に対する反応が異なります。そして、彼らの人生を形作った重要な経験についても考慮すべきです。 PTAミーティングで保護者のグループにスピーチを行う場合の話し方とは対照的に、小さい頃から苦楽を共にしお互い気心の知れた高校時代の同窓会の場での話し方はよりフランクで親しみがあるかもしれません。オーディエンスがあなたの話を聞きになぜ集まったのかを考え、あなたがその場で使用すべき言語のガイドにしてください。

文化 (culture) - 実際はとても複雑ですが、分かりやすく説明すると、文化とは人々の間で共有された共通の信仰と価値観です。誰かの文化を判断する最も簡単な方法の1つは、その人がどこから来たかを把握することです。これは、単純に出身地について知ることでも分かりますが、それより更に深くを知る必要があります。現在住んでいる都市や町、勤務している会社、所属している機関/組織を知っていれば、誰かの文化に訴えかけることができます。文化は、情報の受け取り方に影響します。オーストラリアのオーディエンスに冗談を言わなければならない落語家を想像してみてください。一部の日本特有の言葉遊びは通じるかもしれませんが、オーストラリアの笑いのセンスに刺さるジョークもレパートリーに入れなければならないでしょう。人々はいくつかの異なる文化に属することができるため、視聴者がどの文化を共有しているかを把握し、幅広い訴求力を持つ言葉でメッセージを調整する事が大切です。

知識 (knowledge) - これは常に明らかではありませんが、特に文化と経験を特定した後、視聴者の知識を測定する方法があります。あなたのオーディエンスが知っているかもしれないことについて考えてみてください。分子生物学会議でスピーチをする場合、おそらく細胞の部分を一から説明するのに時間をかける必要はないでしょう。これは本当に簡単に思えるかもしれませんが、スピーチを作成するときは、次のことを自問してみてください。聞き手は何を知っていますか?聞き手に何を知って欲しいですか?ギャップをどのように埋めますか?これらの質問を使用する事によって、言葉をふるい分けて、聞き手が以前に何千回も聞いたことのあるものではなく、知れてよかったと思える情報を伝えることができます。

聞き手と話をする準備を整えるには、いくつかの素早く泥臭い探偵のような前調査が大いに役立ちます。聞き手の情報を少しでもリサーチしておく事は、あなたがメッセージの作成を始める前の段階から役に立つことでしょう。結局のところ、聞き手も話し手であるあなたについて調査している可能性が高いです。聞き手について把握しておくことは、ここぞという場面で、あなたの思うがままに場をコントロール出来るようにする為に大切なのです。


Written by Zia Holder
SparkDojoにてトレーナー、そしてマーケティング戦略担当を務める。トレーナーとして外資系やスタートアップ等、様々な業界のプロフェッショナルそして経営層を担当し、日々プレゼンテーション、リーダーシップ、ソーシャルメディアライティング、セルフブランディング等、英語でのコミュニケーションスキルを幅広く教える。


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