おじさんのようなおばさん・おばさんのようなおじさん「番台から I LOVE ゆ」

 銭湯のフロントに立っていて、困ることの一つが男性なのか？女性なのか？見分けがつかないお客様の存在です。

下駄箱の鍵を預かり、脱衣所の鍵と交換する仕組みの施設の場合、目の前のお客様が男性なのか、女性なのか判断しますが、どちらか迷ってしまう人が希におられます。

 多様性の時代に、敢えて性別のことを題材にするのは憚られるのですが、お風呂屋の場合、そこは線引きをしなければならない職業なのでご容赦いただきたいのです。

 女性的な男性や、男性的な女性というのは、案外判断がつくものですが、僕の失敗談です

おばさんのようばおじさん

 ごく平凡な中性的でなその人は、小柄で色白で、人の良さそうな顔をした、ちょっと小太りな、天然パーマの、かなりおばさん寄りのおじさんでした。

　判断に困ったので、わざと話しかけます

「こんにちは、今日も暑かったですね！」

 声を聞くと、大抵は判断がつきます。

 しかし、意表をつく高めの声で返されて、余計に迷うことになりました。

「この人は、人の良い、愛嬌のあるおばさんに違いない」

 ここは、一か八かの賭けで、思い切って女性ロッカーの赤い鍵を出してみると

「お兄ちゃん、間違ってるで」という返しに、

「あれ、慌ててしまい間違いました、暑すぎてボケてますは・・・」

 すっとぼけて、男湯の鍵を渡して、ことなきを得ました（汗）

おじさんのようなおばさん

 さて、これより強敵だったのが、おじさんおようなおばさんです。

 身長は170センチくらい、坊主頭で、白い上下のジャージ、どう見てもイカつめのおっさんです！

 ただ、気になるのが、やや大きめの紫色のサングラスをかけていることです。

 このタイプのサングラスは、少し派手目のおばさまが好んでかける、女性用だったのです。

 いや、このいでたちは絶対男だと思いつつも、やはり声を聞こうと話しかけてみました

僕「今日は、忙しかったですか？」

お客さん「・・・・・・・」

まさかの、無視。

男だわ、絶対男だわ！

 確信を持って、青い鍵を差し出すと、そのおっさんはぎろりと僕を見て、その鍵をフロントにパンパンと打ちつけて

「お・ん・な」

ぎょへー！！

平謝りをしながら、赤い鍵を差し出しました。

なんで坊主頭なんだよ、愛想よく話しかけてるのに無視するなよ・・・（涙）

番台あるある、多様性の時代、色々ありますよね！