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遺言書を書いてみよう!60代からの人生を有意義に暮らす道標!

60歳になる前に遺言書を書いておこう!と思い立ち、司法書士さんにお願いをして、遺言書を下書きしてもらい、公証人に公正証書として作成してもらった。

自営業の私も、公務員である妻も大した財産がある訳でもなく、子供もいない。  

だから、遺産相続で揉めるような事態も考えにくいのだが、仕事で事業継承に悩む経営者様と接する機会が重なり、その中で遺言書の重要性に関心を持ったというのがその理由である。


60歳を前に遺言書を書く3つのメリット

人生100年時代と言いうが、100歳まで生きる人が増えたというだけで、多くの人は平均寿命さえ全うできないのが現実であろう。

いつ、健康診断でステージが進行した癌が見つかるか、わらないし、10年後は自分のことが誰だか理解できない状態になっているかもしれない。

今までは、遠い将来だと思っていたことが、より身近な人や自分自身の問題になってくる。
こう言うと、さっさと身支度を催促するようで気持ちが塞ぎそうな話に聞こえるかもしれないが、申し上げたい事は全く逆なのだ。

今からの人生を仔細なことに捉われず、恐れることなく面白く生きるため、決意表明としてお薦めしたいのである。

1、人生の棚卸を行う

いつまでも元気でいるということは、いつ死んでも悔いのないように、毎日を生きるということだ。60歳を超えてからの人生を実りあるものにするために相反するこの二つの考え方は車の両輪のようなものだと思う。

遺言書を書くことは、一旦人生を棚卸して、自分がどうありたいのかを見つめなおす機会になる。

もちろん、年齢としてはまだ、これから新たな挑戦や冒険をするのに遅くはない。余生でも、消化試合でもなく。紛れもない現役としての時間を十分に満喫したい。

しかし、30年前と比べれば自分自身も、周りの環境も違ってきている。残された時間は有限だからこそ、これからをどう生きるかを決め、今の環境や資産をどう使うかを考えることは、とでも重要なこととなってくる。

今までのように、なんとなく夢を語っている余裕はない、現在の資産を客観的に把握し、ありたい自分にどう活かすかを具体化させる。そういった態度で、人生の質は大きく変わるであろう。

さらに重要なことは、その思いを大切な人と共有する(理解を得る)ことでしょう。限りある人生が、豊かなものとなるのには、これは大事なことだ。

遺言の内容を開示する、しないは別としても、遺言を書くという儀式を通じて、自分がどう在りたいか、大事な人とコンセンサスをとるきっかけとする事は大きな意味がある。

2、残された人にどうあってほしいかの意思表示となる

遺言書の中で最も労力を注ぐのは、財産をどのように配分するかということになる。60歳という年齢は、自分の財産が死ぬまでにどのように変化するのかは、まだわからないでしょう。

しかし、現在の財産を誰にどのように残すのか、あるいは今後の人生で築くであろう財産をどのように配分するのかを、漠然とではなく具体的にしてみることにも大きな意味がある。

そうすることで、今からの生き方や、家族や社会との関わり方に覚悟のようなものを持つことができるからである。

もちろん、遺言状の内容はいつでも変更はできる。

知り合いの経営者に毎年遺書を書き直すことを習慣化されている方がいる。この経営者にとっては、遺言書は一種の決意表明のようなもの、なのだそうだ。

覚悟を決めて行動する。それは結果的に大切な人を守ることに繋がるのだと思える。

3、親御さんに遺言書を書いてもらう動機づけにもなる

60代だと、まだ親御さんがご健在であるケースも多いとおもう。

自分以前に、親御さんの遺産がどのくらいあって、どのように配分されるのかをきちんと話し合えていない家庭は多いだろう。

親御さんが健在なうちは保たれている秩序も、相続問題でギクシャクすると言った話は古今東西よくある話で、こればかりはその場にならなければわからない。
かといって、元気な親に遺言書の執筆を迫るのも気が引ける。

司法書士さんによると、親御さんの遺書でなく、ご自身の遺書を作成する段階で、親御さんにアドバイスを貰うという方法で、角を立てずに親御さんへの動機付けとなるとのことだった。

ご家族の関係性によって、必ずうまくいくとは限らないが、多くの場合、親御さんの方が遺産相続については悩んだり、考えたりされてるはずなので、背中を押すきっかけにはなりどうだ。テクニックとかでなく、一人の人間として真剣であれば、相談を通じて胸襟を開いてもらえる可能性もあるということなので、なるほど、きっかけづくりとしては悪くない方法なのかもしれない。

遺言書とは何かを簡単に説明する

遺言書とは財産を所有する人が自分の死後に財産をどう分けるのかの意思を示した法的な根拠のあるものおよび書面のことで、以下のような効力がある

・誰に何をどのくらい渡すのかを指定できる

・相続する権利を剥奪することができる

・遺言執行者を指定できる

遺言書が無い場合、故人の遺産の分け方については、法定相続人全員で話し合い決定をする。法定相続人とは相続が及ぶ範囲(順位)の人を指す。

配偶者は必ず法定相続人となり、それ以外は下記の順位で決定し、上位順位者がいる場合は下位順位者は法定相続人になれない。

(第一順位)被相続人の子供   
対象者が亡くなっている場合はその子供(孫)

(第二順位)被相続人の父母   
第一順位の対象者が亡くなっている場合はその父母(祖父母)

(第三順位)被相続人の兄弟姉妹 
だいに対象者が亡くなっている場合は、第二順位者の子供(甥・

遺留分
遺書によって、誰にどのくらい渡すのか、誰に渡さないのかを決めることはできるが、遺留分と言って、法廷相続人は一定の決められた遺留分については相続する権利があるので、遺言書の限りではない。

遺言書の種類


遺言書には次の3つの種類のものがあります。

1、自筆遺言書
自筆遺言書は、全文を手書きで自ら書く遺言書のこと。財産目録についてはパソコンでの作成や、通帳のコピーは許されるが、それ以外は法律上の要件を満たした内容を自分の手書きで書き、日付、署名、押印が必要となる。

保管方法は自宅金庫や、専門家に預ける。また法務局の保管制度を利用することもできる。自宅保管の場合は紛失しないように最善の注意が必要だ。

さらに、文面は法律の要件を満たしたものであるかどうかが重要になるので、記述には十分配慮する必要がある。

法務局の保管以外で、保管をされた自筆遺言書は、遺言者の逝去後、家庭裁判所での検認手続きを行うことでで、法的に有効なモノであることを認めてもら話なければならない。

2、公正証書遺言
公証人に作成してもらあう公正証書(公文書)のことを指し、もっとも信頼できる方法である。

改ざんされる心配がなく、原本は公証役場に保管される。同時に正本と謄本が本人に手渡される。正本は原本同等の効力があるので大事に保管しておく。

最寄り、あるいは都合の良い公証役場に予約を入れ、公証人と共に原案作成の打ち合わせを重ね、原案を作成する。その後、公証役場で事前の打ち合わせをした内容を指定した2名の立会人を交え、公証人により読み上げ確認される。

3、秘密遺言書

内容に間違いがなければ公証人が作成した書類に本人及び2名の証人の署名押印をして作成は終了となる。

自筆遺言書を作成し、公証役場で公証人、証人、立ち合いのもとその遺言書が間違いなく本人が提出したものであることを記し、署名、捺印をして遺言書と一緒に封印する遺言書である。

遺言書の内容は、公証人、立会人も確認はせず、その存在を明らかにしておくものである。遺言書自体は自身で保管をする。

遺言書は専門家にお願いするのが安心で確実

遺言書の作成は、弁護士・司法書士・行政書士など法律の専門家に依頼するのが間違いもなく、手間もかからないのでおすすめである。

但し法律の専門家であっても遺産相続などに詳しいとは限らないので、その見極めは必要でしょう。

ホームページなどを見れば大体の見当が持てると思うので、チャレンジしてみてほしい。

私の場合、司法書士さんにお願いして、妻とそれぞれの遺言書を作成した。

それぞれヒアリングを通じて希望を聞いてもらい、司法書士さんに原案を作成してもらい、それをたたき台に事前に公証人が作成した遺言書を、立会人を交えて確認修正をするという流れであった。

必要書類を揃えることから、交渉役場の予約、公証人との事前打ち合わせ、立会人の選出などは全て司法事務所が手配をしれくれたので、数回の打ち合わせと、自分にしかできない必要書類を用意するだけでスムースな流れであった。

依頼手数料

専門家に依頼する場合、当然経費はかかってくる。

自筆遺言書の場合であっても、作成の段階で法的に間違いがないか、内容に不備がないかを相談し、添削してもらう場合は手数料がかかるでしょう。また、自筆遺言書を法務局に保管する場合は保管料がかか流。

弁護士や、司法書士さんにお願いして、原案を作成してもらい、公証役場で公正証書を作成
してらう場合の価格は内容によって変わる。公証人への手数料は一定の決まりが設けられている。

相場としては、基本料金が5万〜(仕事量によって変化)プラス諸々の諸経費といったところでしょう。

60歳で遺言書を書いた私の結論

子供もおらず、夫婦別々の財布で生きてきた。自由と言えば自由だが、不経済でもあったように思う。遺言書の作成という儀式を通じて、今後の振る舞いや、一緒にやりたいことの確認などができたことは大きな収穫であった。

お互い、大した財産があるわけではないが、60代でここまでは冒険できる、それ以上はそれなりの方法を考えるといった目算のような目処がついた気はするかな!

親戚付き合いはほとんどないので、それだけにいざという時思いかけないことが起こらないとも限らない。お互いの思いをどう残して行くかといったことを決めることで生きる覚悟のようなものがもてました。

専門家にお願いしたので、多少の出費はあったが、人生の節目でまずまずの買い物であったと思っています。

まとめ

60歳で遺言書を書く意味

・人生の棚卸を行うことで、今後の方向性が明確になる

・人間関係について合理的な判断をするきっかけとなる

・遺言書の法的役割は、財産相続者とその割合の決定及び、遺言執行者のしていである。

・遺言書には自筆遺言、公正証書遺言、秘密遺言の3種類が

あり、それぞれメリット、デメリットがある。

・専門家に頼むと間違いがなく、合理的である

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