クリスマスイブに神社参拝をして、世界中のサンタクロースにエールを贈る🎅
新卒から11年間、僕は宝石を売る仕事をしていた。
クリスマスイブの早朝、近くの神社に参拝し、今日一日の繁盛祈願をしてから店へと出勤する。宝飾販売の仕事でクリスマス商戦は1年間で最も忙しい期間であり、クリスマスイブはそのクライマックスの日なのだ。
キリストのお祝いに、神社祈願とはなんだかおかしな話ではある。しかし、日本人が商売繁盛を祈るために教会に十字を切りに行くことはない。神社に向かい、賽銭箱に賽銭を投げ込み、二礼二拍手一礼である。
「売上」という欲望を叶えるための行為ではあるが、今日一日は世の中のサンタクロースをバックアップするという崇高な目的を果たすという自負はあった。
僕らは、彼らがもたらすであろう笑顔を伴う多くのドラマの演出には欠かせない存在だったのだ。
人々が信仰を持つのは、幸福と平和を願っているから。だから宗教間の対立は悲しいし、ましてや同じ信仰を持つ二つの国が争うのも辛い。一体なんのための信仰なのだろう。
クリスマスを祝った一週間後に里帰りをして、仏壇に線香をあげ、初詣に神社に出かける。こと、信仰に関してはでたらめな我が国だが、平和であればそれはそれで良い。
今日はクリスマスイブ、宝石の販売をしていたのは遥か昔の話であるが、それでも世界中のサンタクロースにエールを贈る。
誰かにとって大切なひとの笑顔のために、誰もが誰かにとって大切な人だから。世界中が幸福でありますように!
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