60代で意識すべき体温!健康のバロメーターで知っておくべき3つの視点!
1998年刊行の『日本生理学雑誌』によると、日本人の体温は平均して約36.8℃とされています。
意外と高いですよね!
しかし、2017年の『日本感染症学会雑誌』では、36.5℃となっています。わずが0.1度ではありますが、長い目で見ると、平均体温の低下は健康面で様々なリスクを育む要因となりかねません。
この研究では、生活習慣の変化やストレス、睡眠不足などが体温の低下に影響していると指摘されています。更に、65歳以上の人の体温は、50歳以下の人よりも0.2℃低いというデータもあるので、より深刻でしょう。
この記事では、健康と体温の関係から、60歳を超えた人が、体温を意識し、健康な毎日を送るためのヒントを提供します。
体温が年齢とともに変化する3つの理由
年齢とともに体温が低下すると言われていますが、その要因は次の3つが主な理由と考えられるでしょう。
①60代基礎代謝の低下がやばい
老化とともに筋肉が減少し、これによって体がエネルギーを消費する基礎代謝が下がります。 筋肉量が多い人ほど体温が高くなりますが、その反対に筋肉量が少ない人は体温が低くなるのです。
②60代体温調整機能の低下の恐れ
私たちの体は外部の温度に合わせて体温を調整します。 しかし、年齢とともに、この体温調整機能が低下するのです。
特に、寒さに対して体温を上げる寒冷反応が鈍くなるというのも要因の一つでしょう。
③60代自律神経の働きも低下する
自律神経機能の低下により、交感神経の機能がうまく働かないといった現象を引き起こします。交感神経は、行動を起こすための、緊張感や戦闘体制を司りますが、この時体温を上げる作用があるのです。
体温が低いことで懸念される5つの健康リスク
加齢とともに、平熱が低くなると厄介なことがいくつかあります。その代表的なものを5つ紹介しておきましょう。
①体温が低いと免疫機能の低下が起こる
人間の免疫機能は体温と密接に関連しています。特に、37℃近くの体温は免疫細胞が最も活動的になる温度とさている。
免疫細胞の活性が低下すると、風邪やインフルエンザなどの、感染症に対する抵抗力が弱まる可能性が高くなる。また、がん細胞の活動の抑制力も弱くなるのです。
②体温が低いと基礎代謝の低下が起こる
体温は、私たちの体が、エネルギーを消費する速度に影響を与える。 体温が低いと、基礎代謝が低下し、エネルギー効率の悪化により、脂肪の増加など肥満への道を開く可能性が高まるのです。
基礎代謝の低下は肥満や、脂質異常につながる要因となる。生活習慣病にならないためには基礎代謝の低下は避けたいものです。
③体温が低いと循環器系に影響を与える
体温が低いと、末梢血管が狭くなり、血流が低下する可能性がある。これは心臓に過剰なストレスをかけ、高血圧や心臓病のリスクを増加させる可能性が高まるのです。
④体温が低いと睡眠の質の低下が起こる
私たちの体温は、日中と夜間で自然に変化します。しかし、体温が低いと、このリズムが乱れ、睡眠の質が低下する可能性がある。
特に、深い睡眠に入るためには体温を下げる必要があるが、もともとの体温が低いと、このプロセスがうまく機能しなくなり、良い睡眠を得にくくなってしまうのです。
⑤体温が低いと精神的な影響がある
体温が低いと、気分が落ち込んだり、疲労感を感じたりする可能性がある。これは、体温とブレインケミカル(特にセロトニン)のバランスが乱れるため。これにより、不安障害のリスクも高まる可能性があります。
60代で、体温を上げるために日頃から意識すべき5つのポイント
①適度な運動
運動による筋肉の活動は体温を上昇させる。適度な運動には、一定のリズムで行う有酸素運動(例えば、ウォーキング、ジョギング、サイクリング)が適しています。
一定の心拍数を維持することで体温を一定に保ち、全身の血行を良くする効果がある。無理なく続けられる運動を選び、毎日のルーティンに取り入れることが重要です。
②栄養バランスのとれた食事:
体を温めるためには、タンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が必要です。特にタンパク質は筋肉の構築に必要で、筋肉が増えると基礎代謝が上がり、体温を上昇させることが可能になるのです。
体温に影響のある食べもの
1)辛い食べ物
辛い食べ物は、一時的に体温を上げる作用がある。しかし、これは一時的なものであり、体温の根本的な改善にはなりません。
2)カフェイン
コーヒーや紅茶などのカフェインは、体温を一時的に上げることがある。
3)生姜やニンニク
生姜やニンニクには、体を温める効果があるとされている。
4)良質な脂肪:
魚やナッツなどに含まれる良質な脂肪は、体温を保つためのエネルギー源となる。
③体を冷やさない
体温を保つためには、自分の体を冷やさないようにすることが大切です。
これは衣服の選び方に直結します。冷たい季節や環境では、保温性のある衣類を選び、特に頭部と手足の保温に注意を払うと良いでしょう。
また、湿度が高い場合や暑い時期には、汗を効果的に発散させ、体温調節を助ける衣類を選びましょう。
④十分な睡眠
睡眠は、体温調節において重要な役割を果たす。人は、睡眠中に体は体温を下げ、深部体温のリズムをリセットします。睡眠が不足すると、このリズムが乱れ、体温調節に影響を及ぼす可能性があります。
質の良い睡眠を得るために、一定の就寝時間と起床時間を維持し、リラクゼーションを促す環境を整えることが重要です。
⑤白湯による水分補給
水分は、体の細胞間で栄養物や廃棄物の輸送を助け、体温を調節します。特に、汗をかくときや運動後、体が脱水状態になりやすいので、こまめに水分を摂取することが大切でしょう。
その際、冷たい水ではなく、常温の水や温かい飲み物を摂ることで、体の内部から温まることができるので推奨します。
まとめ
日本人の体温は平均して約36.8℃ですが、生活習慣の変化などで体温が低下しているとの報告もあります。
体温が低いと免疫機能の低下、エネルギーの利用効率の低下、冷え性、酵素の働きの低下、肥満のリスクなどのデメリットが生じる。
これらを防ぐためには、筋肉をつける、運動をする、食事を見直す、毎朝お湯を飲む、毎日湯船に浸かるなどの工夫が有効である。
健康的な生活を維持するためには、日々の生活で体温を適切に保つことが大切になります。
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