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手軽に始める坐禅体験

  58歳で日常的に坐禅を取り入れる生活を始めました。始めて間もないですが僕は50歳をすぎた人は一度は坐禅は行ったほうが良いと思います。

  なぜなら半世紀以上を生きた人として心をリセットし、自分を見つめ直す時間を持つことがこれからの人生を生きるために必要だと思うからです。

  人生100年時代とは言いますが、すでに50年以上生きてきたわけです。今までの50年とは違い、いつ終わるかわかリません。

  気力や体力も今までとは違ってきます。子育てが終わり、親の介護、働き方の変化、周りの環境もかわります。

  人それぞれですが、これからの50年は時の流れ方が今までとは全く変わってくる事実は同じだと考えられます。

  坐禅を組むことで、ふっと立ち止まり自分の心と冷静に向き合う時間をもつ…

  連続する時の流れの中を惰性で流れるのではなく、インターバルを設けて自分を静かに見つめ、在り方を意識することがとても意味のあることとなるでしょう。

  では、坐禅とは何か。宗教や宗派が違っても体験して良いのか、そもそもどこで体験できるのか、そんな疑問にお答えしようと思います。


坐禅とはなにかを簡単に解説

調身・調息・調心
座った状態で無念夢想の境地で精神統一を行う禅宗の修行法のことです。

調身(ちょうしん)姿勢を整え
調息(ちょうそく)呼吸を整え
 調心(ちょうしん)心を整える
の3つを意識して、半眼の状態で胡座(あぐら)で座り心を無にしてゆきます。

  修行ですので作法はありますが、心を無にし落ち着かせるのが目的ですから、リラックスをして行うことが最も重要視されます。

曹洞宗と臨済宗


  禅宗の坐禅は宗派によって作法が異なります。いくつかの宗派があリますが、曹洞宗と臨済宗が日本の禅宗における2大宗派です。

曹洞宗の坐禅
 坐禅は座ること自体が目的とする坐禅です。

  悟り得るとか、無になるとかの目的をもたない、ただ座る、一切の考えを巡れさず、ただそこに在る。坐禅をする姿そのものが悟りであるという教えです。壁面に向かって座ります。

臨済宗の坐禅
  ただ座るのではなく、師匠が「公案」と呼ばれる課題を出し、その課題を考え抜き真理を究明することで、悟りを得るという目的を持って座ります。

 禅問答という言葉がありますが、それはここから来た言葉となります。壁面を背にして座ります。

 坐禅のやり方を簡単に解説します。坐禅の基本は先に述べたとおり調身・調息・調心が基本となるので解説をしておきます。

調身(ちょうしん)姿勢を整える

胡座(あぐら)で座る
  座布団の上に、もうひとつ座布団を二つ折りにして重ねその上にお尻をのせます。もう一枚の座布団の代わりに「ざぶ」と呼ばれる球体の座布団を使う場合もあります。

 これらはお尻を持ち上げ、両膝とお尻の三点で身体を支える高さをつけるために使います。

 次に、足の組み方ですが初心者用と上級者では使い分けをします

半跏趺坐《はんかふざ》
 入門編では、片方の足をもう片方の膝の上に足裏が上を向く形におき、踵をお腹に引き寄せます。もう片方の足もなるべくお尻の方に引き寄せて反対の膝の下に組みます。

結跏趺坐《けっかふざ》
 上級者は、両足のそれぞれの足を交差させて、それぞれ反対の膝の上に上向きでおき、お腹に引き寄せて座ります。

 心を集中させるための行いなので、決して無理をしなくても良いのです。膝の上に足を置くのが辛ければ、双方の足を膝に置かない普通の胡座でも大丈夫です。

 半跏趺坐《はんかふざ》の場合、膝の位置が左右で変わりますので、片方の膝も下に添えるようにもう一枚座布団を充てても良いと教わりました。

腰を立てる
 先に、座り方を解説しましたが、これは調身(ちょうしん)を行うための土台です。

 関心なのは胡座座の上に乗る身体をまっすぐにすることで、無理に背筋を伸ばすのではなく、肩を後方に置き、胸を開け、首・肩・腕の力抜き、ゆったりとした形を取ります。

 腰を立てて、上半身の力を抜くことがポイントです。

坐禅の手の組み
法界定印《ほっかいじょういん》
 右手の掌の上に左手の掌を乗せ、互いの親指を合わせて円を作ります。集中が途切れると親指が離れたり、円が崩れたりします、精神統一のバロメーターとなります。

調息(ちょうそく)呼吸を整える

  呼吸法は、自然に息を吸い込み、吐く息は細く長くゆっくりと吐き出す、おへその少し下を丹田(たんでん)といいますが、ここの筋肉を意識すると自然と正しい腹式呼吸となります。

調心(ちょうしん)心を整える

 目は半眼
 調身、調息によって自分自身と向き合います。目は瞑らず半眼で1メートルほど先に視線を落とす、見えるものを意識しない、聴こえる音も意識せずに座りこころを落ち着けます。

坐禅を体験しよう

 坐禅は自宅でも簡単にできますが、まずは近くの禅寺で開催される体験会や坐禅会に参加してみましょう。

 お恥ずかしい話ですが、私は信心が浅くお寺の宗派についての知識も乏しいのです。

 自宅近くのお寺が禅寺であることを知り、たまたま毎週日曜の朝に坐禅会を開催しているのを知り、好奇心から恐る恐る参加したのが始まりです。

 和尚が丁寧に上記のような指導をしてくださり、お堂に集まった人達に混じって体験させていただきました。

 坐禅会の開催日時や頻度はお寺によって違います。日曜の朝に行われていることが多いので自宅近くのお寺のホームページを検索して確認をしてみてください。

 慣れれば、いろんなお寺の坐禅会に参加するのも楽しくなると思います。


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