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被疑者死亡不起訴

(とても強いタイトルですが、犯罪的な内容は含まれていません。)

「事実は小説より奇なり」とはよく言ったもので、全部事細かに綴れると一番面白いのは間違いないのですが、内輪ネタすぎるのとプライバシー云々を考慮して全然面白くない長文駄文が出来ました。あくまで個人的記録として残します。

人に対して嫌な思いを抱くと、その感情がずっと自分の中に残ります。
他人のせいで自分の平穏を乱されるなんてたまったもんじゃないし、可能であればその人とは関わらないのが最善策でしょう。
ただ、同僚や業務上接する必要がある場合だと自分の意思だけで距離を取るのが難しいこともあります。
そんな私の経験談です。

私はいわゆる中小企業の会社員、OLとして働いていました。
入社後しばらくして、1人の女性が採用され、後輩として配属されました。
さらに少しして私はちょっとだけ昇進して小さなチームを任されるようになり、彼女が部下になりました。

入社当初から彼女は非常に業務に熱心でした。
自発性と勉強熱心さは社内の誰よりも高く、またとても明るく感情をよく表す方でした。
正義感も強く、ミスを許さない強い心を持っていたので、人に注意することが苦手だった私は助けられることも多くありました。

社内の事情が大きく変化しチームが大変な困難に巻き込まれた時には毎日協力して業務をこなしていました。
上長の「勤務時間外に業務をするべからず」という正当な方針とは裏腹に、わたしたちは休日も食事を疎かに作業を続けるような日々が続き、体調と精神状態ともに限界寸前の多忙さでした。
結果的に会社の上層部に訴えたことで色々と改善の協力を得られ、何とか持ち堪えることができました。

やがて忙しさも峠を越え、いざ環境を再構築しようというフェーズに移ったころから、私は彼女に対して徐々に違和感を抱くようになりました。
ポイントは様々ですが、一つは勤怠管理についてです。
チーム編成の見直し後は良い人員に恵まれ、課題は残るものの休日出勤や残業を行う必要は無くなりました。
なのに、彼女は残業と休日稼働を止めませんでした。
私のマネジメント能力が至らなかったことも大きいと反省しています。
しかし、急ぎでない作業でも「人に頼まれたから」「大切なことだから」と勝手に勤怠記録をつけ「休憩が取れなかったため」と毎日残業処理を請求してきました。
シフト制なのでチーム内で代われることは分担する旨を説明しても反省より感情的な反論を受けるなど、あまり響いていなかったように思います。
また、体調を崩すことも増え、さまざまな病状で通院しているのを知っていたので同情の気持ちもありました。
しかし、体調を理由にしたミスが続き、加えて他人のミスは許さない彼女自身の姿勢はさらに強まり、チーム内外の調和を取るのが難しいこともありました。
注意をしても体調が悪い限り改善はしないのでまずは回復に専念するよう促しても、聞き入れてもらえませんでした。
むしろ通院が逆にストレスとなってしまったこともあり、個人的な事情もあるため相談ごとは私1人で対応することが常でした。
(人事・上長を信頼していないため話したくなかったんだと思います。なかなか理解を得づらい立ち位置のチームなため、気持ちは理解しています。上司として私からもっと強く伝えるべきだったのかもですが、どうしても最善とは思えずできませんでした。)

そんな中でも彼女は上司である私に対しては一切否定せず、むしろ誰よりも好意的に接してくれるのでありがたいような、逆にやりづらいような気持ちでした。
今となっては、私の「なるべく相手を尊重したい」もとい「注意の下手さ」が「自分のことを否定しない」という解釈で彼女の気持ちにポジティブに刺さっていたのかも、とも思います。
良くも悪くも感情のコントロールが出来なくなっていたんだと思います。

そんな状態が暫く続き、彼女が訴えていた環境改善も会社として進展がなく、遂に彼女は退職することとなりました。
直前まで「あなたが会社にいる間は一緒に働きたい」と言われていたため、距離をおくには先に私が退職しないといけないのでは、そうしなければ彼女の体調も回復しないのではと思っていたため、正直安堵の気持ちが強かったことを覚えています。
さらに言うと、私自身が彼女の感情に当てられることに限界だったため、終わりの見えなかった環境の変化にわずかな期待もありました。

退職が決まってからの毎日はそれまで以上に地獄でした。
私は終わりが見えたことでずっと張り詰めていた彼女に対する緊張感が緩み、受け止めきれない会話も増えました。
また、社内環境がさらなる変化を迎える時期となり、しかし新しい業務には携われない彼女は空いた時間で社内の粗探しに精を出し、それを「報告」というスタンスで感情強めに私に伝えてきました。
会社にあらゆる問題があることは理解していますが、それも順番に対応・検討している途中でした。
私のキャパや立場では解決できないことも多く、話を聞くだけでもつらかったです。
しかし何より苦しかったのは退職日の調整について「会社のせいでこんなに辛くて退職するのに有休消化の要望を飲んでもらえないのは嫌」というワガママで日付を決めず(あくまで転職先の入社日の都合なのでこちらが有休消化を断ったわけではなく、使いきれない日程を自分で選んだだけ)しかしこちらの提案には全て難色を示され、何がしたいのかわからない時間に付き合わされたことです。また「誰も退職を引き止めてくれなかった」「退職後も契約を変更して業務を手伝えるのに、会社は依頼をしてくれなかった」と不満をこぼし続け、これは最終日まで続きました。

昔はいろんなことを協力して行えていたはずなのに、最終的に「ただただワガママで主観しか持ち合わせない自己中心的な人」という印象でお別れすることになってしまいました。
私は上司として彼女の話を聞き、対応する義務がありました。
しかし、彼女のワガママを更生する保護者ではないですし、人間性は本人の努力や希望がない限り変わることはないと思っています。
私以外のチームメンバーに大きな影響がなかったことが唯一の救いです。

短い時間ではありましたが彼女から学べたことはたくさんあります。
しかし、彼女のスタンスは協調性を大きく欠き、私の心的負担を増加させるのに十分すぎました。
退職調整中はストレスで私も悪夢を見たり、体調に影響が出たりしました。
退職後もしばらくは嫌な気持ちを引きずったまま嫌な記憶を反芻し、忘れたくても忘れられない日々を過ごしていました。
正直、受けた負債を相手に返せないことが悔しくもありました。
しかし、本人の良くないところを注意しようにも、もう上下関係もありませんし、今更あれこれ言うのは復讐としてもダサすぎます。
何より、冷静に考えて、これ以上に相手に関わりたくないという気持ちが勝っていました。
今後は後悔しないためにも、日々の思いは我慢しすぎず、感情ではなく事実・情報に基づいてコミュニケーションを取れる人間を目指します。

彼女に対する感謝を忘れないため、それと同時に自身が思っていた以上に苦しかったということを自分自身で認めるための投稿です。
「人に合わせよう、優しくあろう」と己を制限しすぎるあまりネガティブがポジティブを凌駕してしまいましたが、こうして言葉にしないと相手を一生恨み、常に思い出しては苛立ち不快な気持ちを抱き続けてしまいそうだったので、この気持ちは一旦ここに置いて、人間として成長する機会になればと思います。

最後に、この内容は完全に私の主観で書いておりますが、彼女が全て悪いわけではなく、あくまで「需要と共有が一致しなかった」という部分もあると感じています。
私や会社は叶えてあげることができませんでしたが、彼女にとってより良い環境と巡り会うことができるよう、お祈りしております。

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