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ICTを使ったピアノ学習から見えた公教育でのLX(Learning eXperience)の重要性

こんにちは。コードタクトという会社を経営している後藤です。

私は、EdTechの会社経営とプロ指揮者、教育学の博士課程の学生という活動をしています。今回はこの3つに関わる話です。

ピアノを再開

私は指揮をしているのに楽器演奏が上手くないことに長年コンプレックスをもっていて、最近再びピアノを習い始めました。

音楽家としては大変遅いのですが小3からピアノを始めて中2ぐらいまで習い体調を崩したので辞め、そこから物理学科に進んだ大学4年時にやっぱり音大を受験したいと思い、1年間受験のためにピアノを習うという履歴です。

ちなみに子供の時のピアノレッスンを振り返ると、「発表会のためにこの曲を弾けるようになる」ぐらいのざっくりとした目標設定だったので、ただ間違わないように弾くとか、よくわからないけど手を卵を持つようにして弾くという感じで、あまり効果を感じないものでした。その辺りも改善しようと、練習法を少し工夫した所、実際に上手くなったかはおいといて、効果を感じるようになりました。

Youtubeを活用した反転ピアノ練習の実践

先生とのレッスンは週1回30分程度ですし、1日30分程度しか練習時間が取れないのですが、Youtubeのレッスン動画を視聴しながら以下のような実践をしています。

1.テクニックの中で身につけたいものをピックアップする
  例えば、スタッカートの弾き方を身につける
2.自分で試してみて現状を把握する
  すぐ筋肉が疲れる、音色が汚いなどの現状把握
3.youtubeで検索して、しっくりくる説明が見つかるまで動画を色々見る
  スタッカートについてはこの動画がいいなと思った
4.実際に試し、練習する
  脱力を意識し、鍵盤を押すのではなく、跳ねる意識を持って弾く
5.リアルレッスンで先生に見てもらい、アドバイスを貰う
  手の上下運動が大きすぎることを指摘される
6.練習する
  手の上下を注意しつつ、4にある内容を実践する

良い点

Youtubeのレッスン動画は多様で、皆さん色々な方法論、色々な言葉で説明してくれます。その中で、ハッと霧が晴れるような説明がだいたい見つかります。

そうすると体や音に変化が現れるので、満足感が高まり、もう少しこの筋肉をこう使ってみようと考えの解像度が上がっていきます。

これは教育心理学では適性処遇交互作用と呼ばれるものです。

ICTによるピアノ練習を公教育に置き換えて考えてみる

私がYoutubeの動画で実践していることは、教育ではいわゆる反転学習に該当します。

反転学習とは、授業で知識をインプットし、演習を宿題にする学習方法ではなく、予習で授業動画でインプットして、授業では演習をする学習方法です。

ちょっと反転学習とは異なりますが、コロナ禍では先生がYoutubeに授業動画を撮りためるなんていうのが話題になりましたね。

でも、ここで大切なのは多様性です。
公教育では、先生や教科書、副教材も決められてしまっているので、教わり方が固定化されてしまっています。

しかし、認知1つとっても視覚優位、聴覚優位など認知特性は人それぞれ異なります。教科書を読むよりも話を聞いたほうがわかりやすい、その逆など様々です。また他にも、自分がすでに身についていること、自分のこれまでの思考の癖などによってもインプットする方法や内容が異なるはずです。私の反転ピアノ練習も、私の思考の癖などに適したインプットを通じて行われています。

つまり学習者の学びをより効果的なものとするには、インプットの仕方がもっと多様にする必要があるということです。1つの良い教え方を伝えるのではなく、学習者の特性に応じた教にする複数あることが理想です。

公教育とICT

日本の公教育の素晴らしさは、全国どこでも均一な教育が受けられることです。それには様々なことを固定化する必要があります。学年や時間割、そして教材などです。
そうすると必然的に教え方も固定化される傾向にあります。そして、教員が自分の理解しやすいと思う方法、いわゆる「1つの良い教え方」で児童生徒に教えるようになります。

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学習者の特性に応じて教え方を多様にすることは、非常に手間がかかることです。しかし、前述の通りYoutubeなどICTを使うことで教員が短時間に様々な形のインプットをさせることが出来ます。

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また、生徒同士のまなび合いも、多様なインプットを促進させる方法です。ある生徒が考えた感じたことを他の生徒に説明することで、生徒にあった様々な理解の仕方に対応できます。これが協同学習の利点の1つでもあります。生徒同士のまなび合いも、教員-生徒間と同様ICTを活用することにより、劇的に効率化することが出来ます。

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生徒同士の理解の共有を通して、学習者の主体的な気づきを促進する。私達が作っているスクールタクトの目的の1つでもあります。

まとめ 〜学習者主体とLXとICT〜

これまで述べてきた通り、「教員が何を教えるか」ではなく「学習者が何を学ぶか」の視点でみるのが学習者主体の考え方です。教えるというインプットが1つでも 、学習者の適性により理解は様々です。

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その様々な理解の部分を見過ごさないことは、「1つの良い教え方」に固定化された公教育では難しい側面がありましたが、ICTを活用することで固定化されたものを外すことが可能になります。

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また、学習者主体を意識するためには、教える側は、Learning eXperience Design(学習体験のデザイン)にフォーカスすることが必須です。そのためには学習者の観察が必要で、これは時間と経験がかかる労力がかかります。しかし、ICTを使えば観察以上に強力な行動の分析ができます。

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例えば、AIを使ったドリルなどはその最たる例です。ドリル学習の行動(正誤や回答時間などを分析)を分析して個別最適な学びを実現しています。そして私達は、協働学習について行動分析を通して、個別最適な学びを実現していこうと考えています。

実は、私はAIドリルについてもちろん長所は多いのですが、短所もありそこをきちんと理解することが大切と思っているのですが、それはまたどこかで書きます。

今、小中学生に1人1台端末を配るGIGAスクールという政策が進んでいます。ようやく古い日本の教育にICTが整備されています。このタイミングで学びの慣習や方法にパラダイムシフトを起こしたいというのが私達の願いです。

最後に、そんなコードタクトにご興味持たれた方は是非こちらよりご応募ください(宣伝)






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指揮者 / 未踏スーパークリエーター / 教育心理学者。コードタクト代表取締役。協働学習を支援する「スクールタクト」を開発しています。ITで教育とオーケストラを新しくします。寿司はツナサラダ派。