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ヤク〇トの飛び込み営業が家に来た話

ヤ〇ルトの飛び込み営業のお兄さんが家にやって来た。

買う気もないのにサンプルを受け取るのも悪いと思い、一度は断ったのだが、
玄関先に立っていたそのお兄さんは、さわやかなんだけど、なんだかおびえている感じがした。
そんな彼に興味が湧いてしまい、少し話を聞くことに。

聞くと、新卒研修の一環でこのあたりを営業して回っているとのこと。
目標は10日間で12件の注文獲得。
しかし、残り4日の時点で獲得できたのはわずか4件。
絶体絶命。

「話しを聞いてくれる人がほとんどいなくて、結構つらいです。。。」
彼は自身を失っていた。
少し不憫に思い、何か彼の力になれないかと、どんな人が注文してくれたのか尋ねてみた。
買ってくれたのは小さいお子様をもつ、若いお母さんだったと言う。

それを聞いた私は、ターゲットを「子持ちのお母さん」に絞り、次の2つの提案をした。

1つ目は、ヤクル〇のサンプルを持って不動産屋に挨拶に行き、若いファミリーが多く住むエリアを教えてもらうこと。

2つ目は、訪問する家を子乗せ自転車や子供用自転車が置いてある家に絞ること。

むやみに1時間歩き回るよりも、同じ時間で不動産屋を数件訪問する方が、彼の負担が減って効率が良いだろうと、親切心のつもりだったのだが、今思えば本当にお節介だ。お節介以外の何物でもない。

そして、彼を応援する気持ちを込めて、私自身もヤク〇トを注文した(いいカモだ)。

2日後、そのお兄さんが〇クルトを届けに来てくれたので、調子を聞いてみた。
彼は「あの後、不動産屋に行ったんですけど、冷たくあしらわれてしまって、怖くなって、それ以上回れませんでした。」と。
ちゃんと私の提案を受け入れて、実行してくれたことはうれしい。
が、私以降の購入者はおらず、残り2日で7件の成約が必要な状況だ。

最終日の夕方。
あのお兄さんどうなったかなー。
と思っていた矢先、お兄さんから電話が来た。
「目標達成しました!」
喜びの声が弾んでいる。
私も自分のことのように嬉しくなり一緒に喜んでしまった。

どんな人が買ってくれたのか尋ねてみると、
どうやら、私のような世話焼きの暇人たち(←失礼)が購入してくれたらしい。

律儀に報告してくれるお兄さんの人柄。
その人柄が営業力を補う力を発揮したのは間違いない。

本当のターゲットは、私のような世話焼きの暇人だったようだ。

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