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次期宇宙探査計画を先取り?宇宙理学委員会をチェック!!

みなさん、宇宙理学委員会ってご存知ですか?
これからの日本の宇宙探査に興味がある方や将来宇宙探査に関わりたいけどどのような方向性で勉強していけばいいか迷っている大学生の方など、このサイトをみておくとためになると思いますよ。

宇宙理学委員会とは

さて、宇宙理学委員会ってなんですかという話ですが、ホームページの「ご挨拶」の欄に以下のように書かれています。

宇宙航空研究開発機構 (JAXA)・宇宙科学研究所(ISAS)は、日本における宇宙科学研究の中核研究所であり、大学共同利用機関として国内外の関連研究者と協力し、特徴ある優れた宇宙科学ミッション(科学衛星・観測ロケット・大気球)の開発・飛翔実験・運用を行っています。これにより、宇宙について、また太陽や地球を含む我々の惑星系について、国際的に評価の高い知見が得られてきました。
これらのミッションは、国内の大学や研究機関に所属する研究者の皆さんによって提案されます。宇宙理学委員会は、それらのうち理学研究に関する新規ミッションの募集・審査を行い、実施すべき理学ミッションを宇宙科学研究所長に推薦し、また開発中・運用中の理学ミッションの状況をモニターする役割をもちます。また、宇宙理学委員会の委員は、全国の宇宙科学研究者(宇宙理学メンバ)による投票を尊重して選出されます。それゆえ、宇宙理学委員会は全国の関連研究者の意向を代表する機能をもち、自発的な宇宙科学ミッションを実現する上で、重要な役割を果たしています。
(中略)
将来20年程度を視野に入れた宇宙科学戦略の検討、科学衛星の審査および中間評価方法の改善、国際協力を含む多様な打ち上げ機会の確保、JAXA内外を通した技術レベルの確保と伝承、大学等とのより実効ある協力体制の構築、国際協力をより円滑に進めるための体制作りなどに継続して取り組む必要があります。
宇宙理学員会は、JAXAの広汎なミッションに対し、理学研究の立場から支援や推薦、また課題の指摘を行うことができる唯一の組織であり、宇宙工学委員会とともに、全国の研究者コミュニティと宇宙科学研究所との連携を進める重責を負っています。そのリーダーシップに対する期待と信頼は、依然として高いものがあり、それに背かぬよう努力する所存です。

つまり、今後JAXAが行うミッション提案や審査、検討、進捗確認を行う委員会らしいです。この委員会はJAXA職員だけでなく、全国の宇宙科学研究者(宇宙理学メンバ)から構成されます。

さて、なぜこのサイトをみといたほうがいいかと言いますと、現在JAXAの公式ホームページに記載されているミッションというのは、もうプロジェクト化が終わっている、言い換えればミッション検討が終わっており、関係者もほぼ決まっておりもう新たに入り込める部分がないのです。だから、例えば、あなたが学生でJAXAに就職したいと思って、面接でJAXAのHPに書かれているプロジェクトをやりたいと言ってもおそらく落ちます。
私はこれを肌で感じました。私も学部生のとき、JAXAの面接で「DPR」という全球における降水をモニタする衛星に興味がありますと言ったんです。でも、この衛星が目的とする「全球降水マップ」はその時点でほとんど完成しており、私のような人材はいらないと言われました笑
まあ、今思えば私の完全なるリサーチ不足が原因でしたね。

というわけで、今回私が紹介するサイトで将来行われる可能性のある探査計画を先取りしておきましょう。

WG/RG一覧

このサイトの「WG/RG一覧」の部分をクリックしてみてください。
ここにはプロジェクト化までは行っていないけど、一流の研究者たちがプロジェクト化させたがっているトピックが並んでいます。もちろんこのトピックが全てプロジェクト化されるわけではありませんが、少なくともいろいろ検討する段階にあるものばかりなので、これから宇宙探査に関わりたい人はこのトピックの専門知識をつけてアピールすれば即戦力として取ってくれるかもしれませんね。(まあ、そんなに簡単じゃないですけどね...特にサイエンス関係は...)

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このページを見ると、WG/RGグループに分かれています。
WGはワーキンググループのことで、プロジェクト化に向けて本格検討する段階にあるものが記載されています。もちろんここに書いてあるから必ずプロジェクトになるわけではありません。検討結果、予算、海外のミッション状況などを総合してプロジェクトが決定します。

RGとはリサーチグループのことで、まずは少人数グループで検討を行う段階です。この検討結果が妥当で、目的が明確になっているとWGに昇格する流れのようです。
ちなみに、WGの一番上に書かれている「月の縦孔・地下空洞直接探査(UZUME)」は今年の10月にWGになったばかりのプロジェクトですね。

個人的にはWGに記載されている「UZUME」「MACO」あたりに興味あります。
日本の将来の月や火星探査のメインストリームになりうるプロジェクトだと睨んでいます。

資料

「資料」にある、「宇宙探査・探査ロードマップ」「次期中長期計画」「位置づけ」はみておくといいです。分量は多いですが、ざっと目を通しておくとJAXAが考えている将来計画が見えてきます。
また、次のサイトの資料も重要です。今後の月探査・火星探査についての詳細が記載されいます。
http://www.isas.jaxa.jp/home/rikou/kokusaitansa/

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