食う人

食関連のスタートアップで働いています。 食べることについてもっと考えなあかんやろ、と思…

食う人

食関連のスタートアップで働いています。 食べることについてもっと考えなあかんやろ、と思って書いています。

最近の記事

苦中の楽は芸術にあり① 永武さん

家に絵を飾ろうと決意した。お金はまだない。 福岡にある「みぞえ画廊」さんにもう4年近くひやかしに伺っているのだが、かなり久しぶりに足を運ぶことができた。 今日は永武(Wei Takeshi)さんの「胸さわぎ」という個展の最終日であった。戦後を思わせる荒地の中にシャボン玉を飛ばす少女がこちらを見つめる「風の〜」(さっき見たばかりなのにもう思い出せない)がいきなり彼の世界観に引き摺り込んできて、虚心坦懐に絵と向き合う覚悟をした。 描かれている人物は皆可愛らしいが、どことなく陰鬱と

    • 2024/8/17 青の洞窟ボロネーゼ

      今日の昼はボロネーゼの気分だった。散髪帰りで気力もなかったし、サイゼリヤで食べようかと思ったけど、土井善晴先生の本で「料理から逃げない方がいい」と言っていたのを思い出して、自分で作ることにした。ところが買い物から帰るなり寝てしまって、起きて何も考えず作った食事はひどいものだった。刻んだだけのモッツァレラチーズ、ひらすの刺身、そしてボロネーゼ、あとブルーベリーヨーグルト。なんの脈絡も落ち着きも、創意工夫もない食事にしてしまった。これならばサイゼリヤで食べていた方が良かっただろう

      • 焦って食べるとダメになる

        良い食事とは何だろう。ホットドッグとコーヒーを平らげてから考えた。 それは「焦り」がないことではないだろうか? 仕事に人間関係と、現代人は焦らずにはいられない。その中で、力の源であるはずの食事はどんどん蔑ろにされていく。いま人々が食事に求めるのは、快楽、即席性、大衆性だ。落ち着かない心を食事で慰めようとしても、心は次の仕事へと逸り、何でもいいから早く、といつも同じようなものを口に放り込む。このような食事を日々繰り返すうちに人は自分が本当に食べたいものが何なのかわからなくなり、

      苦中の楽は芸術にあり① 永武さん