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父が初めてくれた本

#中学生〜高校生

高校生の時の誕生日。
父がぼくに本をくれた。

記憶の中では、これが初めてもらった本だった。

この本だ。
「ザ・シークレット」

ご存知の方も多いのではないでしょうか。

なんてったってベストセラー。
所謂自己啓発系の金字塔。

「引き寄せの法則」をいい出した本。

もらってしまったので一応読んだ。

雑に要約すると
「悪いことも、いいことも思った通りになってしまう」
という内容だった。

当時のぼくは、

”そうだとするならば、この世界は余りにひどい世界だな”と思った。

それは自分のことだけを思っての事ではなく、
世界のいたるところで理不尽な思いをしている人達がこれを読んだらどう思うだろう
と、思ったのだ。

ただし
「とにかくポジティブシンキング」
というのは気に入った。
というか単純にその通りだ。

高杉晋作の
「おもしろきこともなき世をおもしろく」
という言葉と同じであり、

チャップリンの
「人生は近くで見ると悲劇だが、 遠くから見れば喜劇である。」
とも同じだなと思った。

ぼくはある物事に対して、
考え方を変えたり、主観から客観への切り替えることで、その物事の有様は当然変化するし、
その中で面白いと感じるものを自分の考えだとするのは、きわめて自然な行動だと思っていた。

つまり、この本は、
昔から当たり前に言われてきたことを、
雑に言い換えて、薄めて、キャッチーなフレーズを付加して書いた本だと思った。
そのため、それこそ仏教や儒教やら歴史上の人々の言葉の方が、
簡潔かつ、内容があるのではないか。

もちろん内容があるからと言ってすべて信じているわけではないです。

後日、そういった感想を述べた。

父は
「理屈っぽい君にはわからないかもね。」
と返してきた。

なんかよくわからないが、すごく損した気分になった。
一体どんな感想を期待していたのだろうか。

今でも父はなにかの答を探して自己啓発本を読み漁っているようだが、
ぼくは、そんなものを探す前に行動した方がいいのではないかと思っている。

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