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白ワインの浅漬け?

文・撮影/長尾謙一

・煮切りタイプワイン(赤) 
・煮切りタイプワイン(白)
・超濃縮ワインタイプ(赤) 
・超濃縮ワインタイプ(白)
 (素材のちから第41号より)

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構えずに気楽に、さまざまなシチュエーションで 〝ワイン風味〟 を使う時代。

ビネガーの酸の代わりにワインの穏やかな酸味を使う発想

野菜がおいしい季節がきたが、「さて、この野菜をどう食べようか。」と思った時に、以前、ホテルのシェフにつくっていただいた〝野菜の白ワイン漬け〟を思い出した。そのつくり方はピクルスの要領なのだが、マリネ液に白ワインビネガーを使う代わりに、「煮切りタイプワイン(白)」を使っていた。

「煮切りタイプワイン(白)」は、減圧濃縮という特殊な製法を使い低温で煮切られるために、熱のダメージを受けずぶどう本来の酸味やコク、香りが失われない。ピクルスは古くから保存食としてつくられてきたため酸味が強く、「ピクルスの強い酸味が苦手。」という方もいるだろう。

シェフはビネガーの酸味を「煮切りタイプワイン(白)」の持つ穏やかなぶどう由来の酸味に置き換えていた。穏やかな酸味でマリネした野菜からは、みずみずしい生命力を感じる。

「これはまるで、白ワインで漬けた浅漬けだ!」と驚いた。

ピクルスに似たメニューだが、ビネガーを使わないという発想に興味を持ちながらも、それ以降深掘りすることはなかった。しかし、今回改めてシェフにご連絡して〝野菜の白ワイン漬け〟をおつくりいただいた。

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白ワインで漬けた旬野菜の浅漬け
使用商品▶「煮切りタイプワイン(白)」
野菜がいきいきとしているのは、酸味が穏やかだから。

〝ワイン風味〟が新しいメニューのヒントに

色鮮やかにたっぷりと盛られた野菜をいただいてみると、酸味に支配されずに野菜そのものの風味がそれぞれ楽しめる。力のある風味を持つ野菜は、こうした形を望んでいるのではないだろうか。

皿のピクルス液をスプーンですくって口に入れると、コリアンダー、セロリ、パセリ、ローリエなどフレッシュハーブの香りがして、さらに何やら旨みも感じる。

伺ってみると、この旨みは玉ねぎを薄くスライスして煮出し、それを煮詰めたものだという。漬け込んだ野菜の風味も合わさって、野菜と一緒に食べると、まるで冷たい野菜のスープ料理だ。

もとより〝白ワインの浅漬け〟が強引なコンセプトだとは分かっていたが、それにしても、酸味を置き換えるだけで新しいメニューが見えてくるのはおもしろい。

「濃縮ワイン」は調理の概念を超えていく。構えずに気軽に、さまざまなシチュエーションで〝ワイン風味〟をメニューに取り込んではいかがだろうか。

「濃縮ワイン」の野菜やハーブとの相性のよさは、大きな発見でした。

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赤坂 エクセルホテル東急
料理長 小川  勝哉 さん

シェフには「濃縮ワイン」シリーズを使って、野菜の浅漬けの他に3つのメニューをお願いした。煮切る作業がいらない「濃縮ワイン」は、普段のメニューにも手軽に使えるのではないだろうか。〝ワイン風味〟が生み出す新たな組み合わせを少しずつ見つけたい。

ワインの酸味の特徴をいかす

普段のメニューにということなので、「煮切りタイプワイン(赤)」で〝赤ワイン肉じゃが〟をつくってみました。通常は豚肉を使いますが、〝赤ワイン風味〟ということで牛バラ肉を使いました。

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赤ワイン肉じゃが
使用商品▶「煮切りタイプワイン(赤)」

じゃがいもとニンジンをソテーし、そこに塩、胡椒で下味をつけ、ソテーしておいた牛バラ肉のスライスを加え、「煮切りタイプワイン(赤)」と先ほど野菜の浅漬けで使った煮詰めた玉ねぎを入れて蓋をし、弱火で40分ほど煮ます。

味のイメージを分かりやすく言えば、ワイン風味の甘くないすき焼き、というところでしょうか。赤ワインの酸味で牛バラ肉の脂がすっきりとキレていてさっぱりとしています。ネーミングにも味にも意外性があって、初めてつくってみましたが完成度を上げればおもしろいと思います。

次は〝サーモンのサラダ 白ワインドレッシング〟です。

このドレッシングにもビネガーは使わずに、「超濃縮ワインタイプ(白)」を使い酸味がやわらかく穏やかなものをつくりました。

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サーモンのサラダ白ワインドレッシング
使用商品▶「超濃縮ワインタイプ(白)」
白ワインのさわやかな酸味とコクのある旨みが、サーモンの脂のおいしさをすっきりと楽しませてくれる。

「超濃縮ワインタイプ(白)」、野菜の浅漬けで使った煮詰めた玉ねぎ、オリーブオイル、レモンの皮をすりおろしたものを合わせてドレッシングをつくり、ミニトマトをマリネします。

これをスライスしたサーモンにかけて、ディル、イタリアンパセリ、ルッコラを飾りました。「超濃縮ワインタイプ(白)」はワインの旨みが濃く、ハーブの風味が凄く立ち上がり、主役のサーモンをまろやかに包み込みます。

最後に〝豚肩肉のソテー 赤ワインソース〟をつくってみました。

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豚肩肉のソテー 赤ワインソース
使用商品▶「超濃縮ワインタイプ(赤)」
酸味のある赤ワインソースとニンニクのコンフィを合わせると、豚肩肉の脂の旨みをたっぷりと楽しめる。

すりおろしたニンニクとオリーブオイルで1日マリネしておいた豚肩肉を弱火でアロゼしながら両面を焼いて休ませます。フライパンに残った油を紙でぬぐい、そこに「超濃縮ワインタイプ(赤)」とウスターソースを少しだけ入れて軽く詰めて赤ワインソースをつくります。豚肩肉に赤ワインソースをかけ、ニンニクのコンフィと玉ねぎのジャム、白ワインのドレッシングで和えたニンジンを添えて仕上げました。

この赤ワインソースは強い酸味を持っていますから、一緒に添えたニンニクのコンフィと玉ねぎのジャムが持っている凝縮した旨みが心地よく衝突して、豚肩肉の香ばしさと脂のおいしさにキレを持たせてくれます。マデラ酒やバルサミコを加えて甘みを持たせるのもいいのですが、あくまでも赤ワインの酸味を楽しむソースにしました。

こうして、思いつくままに「濃縮ワイン」をメニューに組み込んでみると、少しずつ小さな発見があります。今回の「濃縮ワイン」の白と野菜やハーブとの相性のよさは大きな発見でした。

協力/お問い合わせ:キッコーマン食品株式会社

(2021年6月30日発行「素材のちから」第41号掲載記事)

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