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引っ越しと交際の共通点

 このところ、僕の身の回りで引越しが相次いだ。まず僕自身が引越し、次に僕の弟が引越し、それから友人が引っ越した。
 引越しが好き、という人に僕はまだ出会ったことがないけれど、もちろん人は好き嫌いに関わらず色んな事情で引越しをするものだし、かく言う僕もこれまでに5〜6回は住まいを移している。
 で、今の部屋に引っ越してきてからはちょうど1ヶ月ほどなんだけど、この1ヶ月というのが、引っ越した部屋の素性というか、その部屋と自分のウマが合うかどうかが見えてくる頃だと僕は思っている。あくまで個人の感想だけど、引越ししたての時期というのは、女性と交際を始めたばかりの時期と同じように、お互いにちょっと遠慮がちで、相手がどこまでを許容できるのかを測っているような感覚がある。僕の方も部屋の方も、「それで、あなたはどこまでいけるクチなんですかね?」という感じで、若干居住まいを正しているような所がある。それがある程度済んで1ヶ月ほどたつと、「ま、大体こんなもんか」という距離感がつかめてくる。その距離感がピタッとはまって、何も考えずにお互いを委ねられる場合もあるし、「いや、これは思ったよりも大変かもしれんね」ということもあるし……と書いているうちに、部屋の話をしているのか、女性の話をしているのか分からなくなってきたな。
 今回の引越しに関して言えば、最初に気に入っていた点は相変わらず素晴らしいし、気になっていたことは実際に暮らす中でほとんど気にならなくなっている(部屋の話ですよ)。逆に初めの頃には気づかなかったことも「まあこういうのも面白いんじゃないの」という感じで(重ねて言うけど部屋の話です)、おおむね好意的に受け止めている。というわけで、なかなかウマが合いそうだなという予感でいるところです。
 では1ヶ月過ごしてみてウマが合わなかった場合はどうするか? そんなのこちらが向こうに合わせてやっていくしかないじゃないですか、というのも女性との交際に似ている——というと怒られるかもしれないけど、パートナーと付き合うのも、住まいと付き合うのも、どちらも妥協と寛容が大事ということなんじゃないですかね。

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