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HSC(HSP)だったかもしれない、あの子の話

副業で教育系のライティングも受けています。
今、「HSC(Highly Sensitive Child)」の記事のリサーチするなかで、意外な気持ちになったので、今日はそれを書いてみます。

HSCは、「人一倍繊細な子ども」。
最近よく聞く「HSP(Highly Sensitive Person)」の子ども版だそうです。

Twitterを始めて驚いたのが、「HSPです」「繊細さんです」と自己紹介している人が多いことでした。こんなにたくさんいるのか~~と初めて知りました。あれは、どうやって決まるんだろう?心療内科とかで言われるのかな。

そして、多くのライターさんたちがHSPをわざわざ掲げていることも、とても新鮮でした。もしわたしなら、自分で自分のことを「繊細なんです」と言うのはどうも気恥ずかしいし、「クライアントさんに知られたら敬遠されるかも?」と心配して黙っとくと思うけど、きっともう、そんなことで敬遠される時代じゃないんでしょうね。むしろ、その気質のプラス面を買われるのかもね。

さて、そんなことを考えながらリサーチを進めていくと、27項目のセルフチェックページを見つけました。14項目以上あてはまるとHSCの可能性が高いのか。ふんふん。わたしでも、ちょっとはあてはまるものがあるかしら?


……勘のいい方は先が読めると思いますが、そのとおり。
やってみたら、「あるかしら?」どころの騒ぎではない、27項目中20項目あてはまってしまいました。

空想しがち
騒音などで気持ちが落ち着かなくなる
時々気疲れしすぎてしまい、1人の時間が必要
ちょっとしたことで驚く
一度にたくさん頼まれるのを好まない
忘れものや間違いをしないように努力をする
暴力的な映画やテレビ番組はあえて避けるようにしている
たくさんのことが自分の周りで起こると不快になる
空腹になると集中できなくなったり、気分が悪くなったりする
一度にいろいろなことが起こると不快に感じる
競争させられるとパフォーマンスが落ちる  
以下省略

自分のことを、むしろ「鈍感力が高い」と思っていたので、ものすごーーーーく意外でした。でも、この項目たち、ものすごーーーーく思いあたることばかり。

そして、HSCの「特徴」のなかに、「先々のことまで考えを巡らせてしまうため、間違うことを恐れ慎重になりやすい傾向がある」とあるのを見つけて、ちょっとせつない昔のことを思い出しました。

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それは、子どものころ、祖父が亡くなったときのこと。
家でのお通夜のとき、わたしは「おじいちゃんが好きだったレコードをかけたらいいかも」と思いつきました。晩年、少し認知症が入っていた祖父は、毎晩結構な音量で軍歌のレコードをくり返し聴いていたからです。子ども心に、亡き人の魂を慰めたい、という気持ちがありました。

それを祖母や両親に提案しようと思いましたが、そこで考えたのでした。「でも、そんな思い出のレコードをかけたら、元気だったころのおじいちゃんを思い出しておばあちゃんがもっと悲しくなるかもしれない。泣き出すかもしれない。だいたい、お父さんもお母さんもレコードのことを言わないってことは、今はかけないほうがいいと思っているのかも」。だから、わたしは黙っていました。

そうしたら、2つ下の弟が無邪気に言ったのでした。「ねえ!あのレコードかけたら、おじいちゃん喜ぶんじゃない?!」

わたしはびっくり。そんな、子どもだからって、考えなしに言うなんて!

でも、祖母も両親も、みんな口々に弟をほめました。よく気がついたね!おじいちゃん好きだったもんね。〇〇は気が利くね。かけようかけよう。おじいちゃん喜ぶわ。

泣くんじゃないかと心配した祖母はうれしそうでした。なんだ、よかったのか。両親も、レコードのことは弟に言われて思い出したようでした。なんだ、気づいてなかったのか。

別にだれからもけなされたわけじゃないけれど、聞きなれた『同期の桜』が流れるのを聞きながら、わたしは勝手に傷ついていました。

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たまたまセルフチェックでこんな話になりましたが、「だからわたしは考えすぎて損をするかわいそうなHSCでした」と言いたいわけではないのですけどね。まったくね。

ただ、今まで誰にも話していなかった気持ちを思い出したので、あのとき黙って傷ついていたあの子を、ちょっとなぐさめたくなりました。よしよし、あなたも、言えなかっただけで、気づいてたよね、と。



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