やりたいことがわからない学生よ!「やりたいこと」の解像度を上げよ!
わたしは普段、さとのば大学という学生向けプログラム、そのなかでも「さとまなプログラム」という、通常の4年制の大学のように通える新しいしくみの運営をしている。(サイトづくりも担当したよ!)
最近、同じように学生向けプログラムを運営している友人きょーちゃんと「やりたいことがわからない!」という大学生って多いよね!という話で盛り上がった。
その学生の言葉に対して、学生と普段関わっているわたしたちが考えていること、ふたりで話して生まれた話を、今日は書いてみようと思う!
アイスを食べたことがないのに、好きなアイスなんてわからない
今までも、就活への違和感をnoteに書いてきましたが(詳細はこちら)、就活とか、一般的な大人から大学生に向けられる視線って、わたしからするとアイスを食べたことがないのに、好きなアイスを聞かれている感覚なんですよね。
例え話をもとに戻すと、働いたことがないのに働きたい業界を聞かれる、という話。
チョコモナカジャンボを食べて、あいすまんじゅうを食べて、ハーゲンダッツを食べたから、自分はチョコ系が好きだなぁとか、森永のアイスがすきだなぁとかがわかる。
同じように、いくつかの仕事をしてみて、この作業向いてないな」とか、「会社のビジョンには共感しているけれど会社の文化や働き方が合わないな」とかがわかってくる。
だから、「やりたいこと」がわからないひとほどいろんなアイスを食べてみる、つまりいろんな仕事や仕事をしている大人に触れてみることが大事なはずなのに、なぜか自分のなかに答えを求めがちな気がする。
「やりたい」のレベルもそれぞれだよね
そして、「やりたい」のなかでもどれくらいのやりたさなのか、言い換えれば「興味度合い」も、物事によって絶対違う。
例えば、農業関係のことは興味度合い40%で、ものを売ることは50%で、教育は70%とかかもしれないし、
教育のなかでも、大人向けの教育(ワークショップ)は20%で、子ども向けの教材開発は70%で、そのなかでも性教育に関することは90%とかかもしれない。
Googleマップの興味関心事版があったとして、Googleマップの「+」「-」をコントロールするように、いろんな解像度で「やりたい」物事マップを見てみると、マップ上で急に濃くなる場所があるかもしれないし、まんべんなく興味度40%のものがいろんな場所にちらばっているかもしれない。(考えるときに、一旦仕事になるかは置いておこう)
↓こういうイメージ(あくまで図としてのイメージ)
(グラフの内容全然関係ないけど、一応ここから引っ張りました)
「やりたいこと」は絶対ひとつじゃない
そして、「やりたいことがわからない」って、なにかひとつの答えを見つけようとしているから生まれる言葉な気がします。でも、人生をかけてやりたいことがいきなり見つかるなんてことはないし、ひとつに絞れるものでもないと思います。
話していた友人きょーちゃんも、今でこそ学生向けプログラムの開発をしていて、それはかなり興味度100に近いらしいけれど(それはそれで結構すごい!)、以前は野菜を売っていたし、今も移住促進イベントの仕事や、地域おこし協力隊向けの研修、ツアー開発の仕事などいろいろやっていて、
その仕事ごとに興味度が違うはずだし、興味度合いが低いものが悪いわけじゃないし、お金になるものならないものがあると思う。
いきなりひとつに絞れるなら「転職」するひとなんていないし、複業(パラレルワーク)や副業をするひとだっていないはず。
ひとつの仕事や事業では自己実現はしきれないから、みんないろんなことをして「自分」というものをかたどっていくんだと思う。
もし本当にひとつの興味がひとつの仕事にだけ直結していて転職もせずに定年を迎えるひとがいるなら、むしろ他の「やりたい」を無視して、見ないようにしているんじゃないかと思う。(だから定年後に、「人生の楽園」みたいにみんななにかを始めるのか、なるほど…)
でも、身近なところだと「大学生としての所属」で考えるとわかりやすくて、学問としては経済学を学んでいて、バイトではスターバックスで働いていて、サークルではテニスをしている。そのすべてが重なって「自分」になっている。いくつかの要素が組み合わさって、自分というものが立ち現れてくる感覚。
そもそもわたしたちの「やりたい」は言語化されないかもしれない
ましてや、いま社会にない職業をつくっていくひとたちは余計に、「やりたいこと」が言語化されていないんだと思う。
起業をしたりフリーランスになったりするひとって、自分のやりたいことや、やりたいことに近しいことをやっている会社がないから自分で仕事をするわけで、そこに肩書きや名前は(自分でつくらなければ)ない。
たぶん30年前に、「自分のやりたいことはYouTuberになることだ!!」って思ってたひとはいないと思う。
でもなんとなく、「人とは違う突飛なことがしたいな~」とか、「動画とか写真とるのすきだな~」とは思っていたと思う。
わたしも中学生か高校生くらいのとき、教師にどんな仕事に就きたいか聞かれて、なんとなくだけど「あなたの想像のなかにはない仕事をする人になると思います」って心の中で思ってた。実際、肩書きがよくわからないことを仕事にするようになった。
そもそも「やりたいこと」の解像度をあげよう
「やりたいこと」と表現していることのなかにも、好きなこと・得意なこと・自分の使命と感じるもの(will, can, must)など、そもそもいろんなジャンルの「やりたい」が含まれていると思う。
わたしはさとのば大学のなかでイベントの企画やデザインの仕事をしているけれど、イベントの企画はワクワクする(will)ことでもあるし、結構と得意(can)でもある。しかも、チームのなかでも求められている(must)。
でも、デザインのことはそれなりに好きではあるけれど、できるからやっている(can)のと、社内で他にできる人が少なくて求められていたから(must)するようになったというのが大きいと思う。
そして、できる(can)のなかでも、ちょっとかじってて友人から頼まれるレベルと、仕事がもらえるレベルと、プロフェッショナルになれるレベルといろいろあると思う。
ちなみにこれに関して、さとのば大学では「自分の「好き」や「得意」の傾向がわかるだけでも、自分の進むべき道や学びたいことが見えてくるはず、ということで、最近「好きと得意を科学するWS」というものを開発した。
自分の「好き」や「得意」を知りたい高校生や大学生はもちろん、こういうワークショップを高校の探究の授業でやってみたい高校の先生も大歓迎!
ここまでnoteに書いたようなことも、言語化・可視化したらいいのはわかっているんだけどなかなひとりでは時間を取るのが難しいもの。
イベントなら、その時間も確保しつつ、参加者同士で対話をすることもできるので、他の参加者のひと比べることで、より自分のことが見えてくるはず!
最後に宣伝ですが、さとのば大学の大学生向け「春季特別講習」や、「さとまなプログラム」では、もっともっと時間をかけて、自分のやりたいことの解像度を上げていくことができるし、(わたしときょーちゃんもファシリテーターをしているよ!一緒に学ぼう!)
今回お話したきょーちゃんが宮崎でやっている、大学生向けプログラム「ヤッチャの学校」でも、宮崎に地域留学をしながら自分の「やりたい!」をつくっていけるような内容を構想中らしいので、大学生のみなさんはぜひチェックしてみてね!
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