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モルディブ旅行2023年3月、その2、食事編

 第一回(下にリンクあります)に続いて第二回です。今回は旅の楽しみを大きく左右する食事編です。

 離島滞在、一島一リゾート制のモルディブにおいては飲食の全てをホテルでまかなうことになるので、それぞれのホテルの食事事情は極めて重要になります。
 また、ホテルのランクによって自然条件に差があるわけではないモルディブにおいては部屋の広さ/設備/隣との距離と並んでホテルのグレード差が出やすいのが食事、ことに魚以外の相当の部分を輸入に頼らざるを得ない食材部分ですね。もちろんシェフのセンスや適切なタイミングのサーブなど、グレード以外にも食事を左右するものはありますが、毎度の食事を楽しみとする滞在となるとある程度以上のグレードのホテルへの滞在が必要になるように思います。

 そうしたモルディブの島々にあってココア・アイランドは長らく食事には高評価を得ている島で、2015年の前回滞在時では豊富な魚介を生かした地中海風と東南アジア料理をセンスよくフュージョンさせて、東京に持ってきてもかなりいい線いきそうなセンス良い料理を供してくれたのですが、その頃にいらしたタイ出身の女性メイン・シェフは退任されていたようで、今回はインドネシア出身の方がメイン・シェフとなっていました。そうした交代劇が関係したのか、やはり地中海風と東南アジア風を基調としつつ、今回はもう少しインターナショナルなホテル料理という感じになっていましたが、それでもやはり新鮮な海産物はそうしたメニュー構成との相性がよく、やはり食事そのものが楽しみに出来るレベルを実現してくれて、その辺りは期待通りだったと思います。

 全33室と小規模リゾートということもあり、レストラン、バーはそれぞれ一つのみ。島西側のプールの近くで夕陽を望めるビーチ/プールの近くにUfaa(レストラン)とFaru(バー)が隣接して建っています。

Ufaa。レストラン全景写真を撮っていなかったのでこれだけ公式から借りました。白と木材のナチュラルさを基調に天井高く解放感ある作り。
アウトサイドにも席があり、毎度そこでいただいていました。滞在時は全部晴れでしたが、屋根ありなので普通の雨であれば問題ないと思われます。プールとは別方向を眺めると木々の間からビーチと海が。

 レストランは一つのみということで滞在中は全食事がここで作られたものを食べるしかないのですが、メニューの種類豊富なのと、ディナーは日毎に食材や調理法にバリエーションつけた入れ替わりがあるので、よほど好き嫌いが多いとかでなければ10日から二週間くらいの滞在はメニュー被りを気にしなくて行けそうな気がします。今回の滞在の食事条件は朝/夜付きのハーフボードだったので、ランチと夜のドリンクは追加料金でした。

朝食

 朝食は席につくとまずコーヒーか紅茶かを聞かれ、パン、ペストリー類、フルーツ/ヨーグルト、シリアルなどはビュッフェで好きなだけ、それと別に温かいメニューなどをオーダーで頂けるシステムになっています。オーダーメニューはオムレツやスクランブルエッグなどの卵料理、エッグ・ベネディクトあたりの定番から、朝粥(中国風)、南インド風のあっさり目のカレーやマサラドーサ、フルーツと生クリームをたっぷり使ったパンケーキやワッフルなど多彩かつ華やか。味も南国離島というハンデを考慮にいれずともかなり美味かったですね。自家製ペストリー類なども本格的でした。

用意してもらった紅茶とビュッフェからの盛り合わせ。大体毎日こんな感じで、これらを頂いている間にオーダーしておいた温菜がやってきます。朝から盛りだくさん。
朝ビュッフェのフルーツ類
生フルーツジュース類。小規模リゾートということもあってか種類は少なめ
ペストリー類。モルディブ、元々ヨーロッパ系が強いリゾート地だけに一定以上のランクになるとパンやペストリー類は美味いリゾートが多い気がします
パンは炭火で焼きます。ちょっと目を離すとすぐ焦げる
マサラドーサ。南インド近くだけに美味い
スクランブルドエッグ。定番の卵料理は大概できる筈。付け合わせも選択可能でこの日はベーコン、マッシュルーム、焼きトマト
バナナのせフレンチトースト。女子度高いwなお席は自由なのですが、なんとなく毎日同じようなところに座っていました
かりサクのワッフル。フルーツとクリームがてんこ盛り。他にもエッグベネディクトやカレーなどもいただきましたが写真なかった

昼食


 昼食はオールデイメニューからアラカルト選択でしたが、上に見られるように朝がボリューム感高いのと、基本的にポーションが外国人仕様で日本人の1.5食分くらいはありがちなこともあり、一品とサラダを頼んでシェアと軽めにしていました。また毎日午後も泳ぐのでリゾートといえど昼からのアルコールもなし、もっぱら炭酸水を飲んでいました。ちなみにモルディブのリゾート、まず確実に海水蒸留プラントを持ち、自家製ミネラルウォーターと炭酸水を提供しており、部屋には無料で補充されるのですが、レストランだと有料です(1リットル瓶$5くらい)。

ランチとディナーの際は座るとパンとオリーブオイルのセットが出てきます。
ナシゴレン。インディカ米がパラパラしてかなり美味い
モルディブのスナック類盛り合わせ。インド料理のサモサとかに近かったり魚ペーストのコロッケ風であったりココナッツのチャツネ的とやはり全体にインド料理っぽい。ビールに最適感ありつつも午後も泳ぐので自重して飲みませんでした
ミーゴレン。現在のメインシェフがインドネシア出身とのこともあってナシゴレンと並び本格的。見た目そんなに多く見えませんが、これ皿がでかいので実はかなり多いです。
タンドリーチキンのラップサンド。味はいいのですが、野菜類の水分がチャパティ?部分な滲みてややべちゃっとなっていたのはイマイチ。今回の食事で唯一やや外したメニューかも
最終日はパッキングをしていたのでルームサービスにてバターチキンド南インド風魚カレーを。モルディブのリゾート、食事がイマイチなところでもカレーだけは美味しいという経験則がありますが、食事が充実したリゾートなら当然美味い。
ちなみにルームサービスは手数料$10-かかります。

ディナー

 夜は一部プラス料金がかかるメニューもありますが、アラカルト・メニューから前菜、メイン、デザートをチョイス、もしくは週の内3回あるテーマ別エスニック系コース(インド、タイ、インドネシア)もプラス料金なしで選択可能です。

夜のアラカルトメニュー。5泊の滞在で見る限り固定メニューが多いけれど、前菜、メイン共に材料や調理法変えて毎日数品ずつの入れ替えてくるので、二週間くらいの滞在であれば飽きずに行けると思います。インド、東南アジア系のメニューが1/3くらいは入るのでそっちが苦手だと制約出そう。材料と調理法でどういう料理かの見当がつく程度の英語力は必要ですが、今だとアプリ翻訳でその辺はこなせそう。
夜メニュー続き。上にも書いたようにモルディブは従来ヨーロッパ系が多く訪れるリゾート地だけにデザート類は彼らの嗜好を反映して日本人的感覚だと重く、激甘にすぎるケースが多いのですが、ココア・アイランドのは量は多いけれど味はバランス取れて概して美味かったと思います
夜のレストラン。照明控えめな上に外の席で頂いていたのでディナーの写真は映りが悪いです。
パンのセットは夜も自動的に出てきます。洋風のパンとインドのナン?焼きたて美味い。
ケールとナッツとココナッツのサラダ。ウェルビーイングを重視して、コモシャンバラ・メニューというヘルシー系(ヴィーガンというわけでもない)が夜のアラカルトメニューから独立して存在して、そこからも選択可能
海老と野菜のスパイスタンドール焼き。前菜ながらボリュームあり
蛸と野菜を使った前菜。こうした地中海と東南アジアフュージョン的な料理にセンスあり。蛸のような鮮度がものいう素材だと海の真ん中にあるリゾートの強みが出ます。
マグロの刺身、という名でありつつ叩きに東南アジア系の味付けをしたような前菜。マグロが獲れるエリア(ごくまれにリゾート内泳いでいても見かける)のでこれまた鮮度はめちゃ良さそう
メインのブイヤベース。肉料理も多くリストアップされていますが、やはり海の国なので魚介メインの選択に
この日は珍しく肉料理。ラムチョップのインドスパイス焼き。火加減もばっちり。量が多い。
マグロのステーキ。これ皿が直径30センチくらいあるので実物はかなりでかい。シンプルかつストレートな料理ですが、マグロそのものが非常に美味しく、今回のメインの中でも一番がこれでした

 上の方でも書きましたが、通常メニューとは別に週の内3回はテーマ別エスニック系コース(インド、タイ、インドネシア)の設定があり、インドネシアの日は滞在とタイミングが合わずに頂けなかった(メイン・シェフはインドネシア出身と聞いたのでこれは残念)のですが、インドとタイのコースは頂けました。モルディブ、南インドから近いだけに食事が今一なリゾートでもカレーだけは美味しいのですが、食事に定評があるココアアイランドのコースはさすがの出来でしたね。また、タイ料理のコースも東京でもそうはないレベルで大変に美味しく、後でGMの方との雑談で賛辞を述べたところ、「コロナ休業期間に系列のタイのリゾートから数か月シェフを招いてスタッフを教育してもらったんだよ」という話が出てなるほどなと納得したり。

南インドコースのスタートのスープ。スパイスと出汁が調和していい出だし
途中からいろいろ一気に来ました。カレー複数、キャベツのスパイスでどうにかしたやつ(雑)、海老のタンドール焼き、マリネサラダ、カレー3種、ライス、パロタかな。二人分ですが、やはり日本人的にはかなり多め。
デザート。インドアイスのクルフィとシロップ漬けフルーツ。インド料理もガチなお店だとデザートが日本人的には甘さがきつすぎることが多いのですが、こちらはほどほどの甘さに抑えていい意味でインターナショナル志向の洗練を感じました
こちらはタイコースのアミューズ。インドコースはオーソドックスに伝統的なインド料理の範疇でしたが、タイコースは基本を押さえつつ、一部モダンな創作系が結構入って、日本だとそういうタイプのタイ料理店がほぼほぼないこともあって新鮮で面白かったです。
タイ料理コースも途中からはまとめて着ました。空心菜の炒め、マッサマンカレーなどはオーソドックスですが、距離/時間的な入手容易度ゆえのアドバンテージか、スパイス類の切れが日本でいただくそれとは一味も二味も違って旨かったです。
デザートはライスプディング。この冷たいお米に甘みを載せたタイプのデザート、ヨーロッパ、トルコ、アジアにかけて広く分布しますが、どうにも苦手なのは米を主食としてしか捉えられない日本人ならではの偏見に負けている気もしますが、これもやはり苦手なやつで完食はしたものの、やはり積極的にはいただきたくないなと。
 スパイシーなメニューを頼みがちということでお酒はビールで。口当たりが軽くて蒸し暑い中すっきり飲めるシンガポールのタイガービールを主に飲んでいました。一本$12ドルだから1800円くらい+サービス料+税で2300円くらいになりますが、本来禁酒のイスラム圏の離島リゾートなのでまあしゃあないですね。

お酒

 食事とくればお酒ですが、昼はとにかく泳いでいるのでお酒は夜のみ。またディナーではスパイス効かせた東南/南アジア系のメニューを多く選んでいたのと、平たい島で風が抜けるので夜はエアコンなしでも暑さは感じなく心地いいくらいなのですが、とはいえ絶対値としての気温は高いので大体ビールと後は炭酸水を飲んでいました。
 まあリゾート以外は禁酒であるイスラム国家の離島リゾートということでお酒は高いです。公式にバーメニューが載っているので下にリンク張りますが、ビールが$12からは日本のシティホテルのメインバー並と思えばまあいいとして、グラスワインは$15から、ウイスキーが$14(スコッチのシングルモルトは$16)から、カクテル(ただし日本基準より量はかなり多い)が$18、ワインボトルはニューワールドのそれで$75から、シャンパンはテタンジェが最安で$170、モエシャン$240、ヴーヴのイエローが$285となると結構な思い切りが必要となる値段設定ですし、更にこれらすべてにサービス料10%と消費税16%が乗るのとスタッフへのチップも必要となるので、トータルするとグレンフィディック一杯(日本だと2杯分近い分量はありますが)で日本円で3500円くらいになると考えると、まあびびりますね。
 なにと合わせる設定なのかは不明でありつつ、日本酒では獺祭の純米大吟醸45と39がオンリストされて、それぞれ$290と$460という値段設定がなされており、これはもう笑うしかなかったですし、また日本ウィスキーの山崎12年がグラスで$88-の値段設定(マッカラン18年と同じ)がなされているのはもう逆に感動すら覚えるほどでしたが、当然この辺りを頼もうなどとの思いはまじで一瞬たりともよぎりもせず、そもそも日中泳ぎまくっているおかげで体力的にもそうは飲めないのが幸いでしたw

https://de87ve0y4m3tc.cloudfront.net/comohotels.dev.cendynecommerce.com-2459770069/cms/pressroom/como_cocoa_island_dining_faru_barmenu.pdf

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リピーターということでコンプリでシャンパンのテタンジェが一本つきました。これをスパークリングワインではなくてきちんとシャンパンにする辺りは偉いと思います。
ベランダで夕方の海を見ながらシャンパーニュ。時々足元に熱帯魚が来たりもしてまあ優雅。

 ということでココア・アイランドの食事事情でした。モルディブ内でも食事のよさには定評があるリゾート島だけに、味、メニューの幅共に文句なく、東京でいえば星は狙えないまでも、汎地中海的なインターナショナル創作料理多めなあたりでわりと傾向が被りそうなCicada並みの満足度は優に得られると思いますし、そこにインド/東南アジア料理も基本レベル高く押さえて幅はさらに広いので、東南アジア/インド料理が苦手でなければ多分10日から2週間くらいの滞在までは問題なく飽きずに行けると思います。モルディブ、高級化/高価格化が進むなか食事もレベル向上著しいと聞きますが、超高級系はともかく、通常の五つ星クラスの島でこれくらい高レベルの食事を提供するケースはそんなには無さそうですし、地中海寄り洋食とインド/東南アジア系のエスニック辺りが苦手とかでなければ、食事面での満足度高い滞在になる可能性は十分高いように思います。

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