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アドバイアス。

会社組織では「バイアス」というワードが溢れかえっている。
個人的に「バイアス=意思決定における外圧」と認識しています。
最近、チームマネジメントにおいて、このバイアスが見え隠れしている。

まず、自分自身のチームマネジメントについての考え方を整理したい。

■最上位の目的
メンバーが人として成長し続ける。
そのために必要な環境を作り出すこと。

企業の利益に寄与することやチームとして結果を出すことなどは
目的達成のための手段であって目的ではない。
個人的には、ヒト・モノ・カネ・情報・情報・時間・技術知財など
経営資源について突き詰めていくと、『つまりは"ヒト"』に行き着く。
合わせて、「成長」の定義についても整理すると、

■成長とは
ひとりの人間として現実社会で生きていく力を付ける。

である。
我が社で有益なビジネパーソンとなること=成長ではない。
チームのメンバーに習得してもらいたいスキルや考え方は、別チームに異動したとしても、別の会社に転職したとしても、応用できるモノが最適だと考えています。
限られたコミュニティでしか通用しない、そこでの常識しか持ち合わせていない状況では「現実社会で生きていく力」にはなり得ないと考えています。

この自分自身のマネジメント方針や重要視している部分を実行していくに
あたり弊害になってくるのが「バイアス」です。
バイアスというワードは、プレッシャーなど高圧的なトップダウン方式に
感じますが、それだけではないと私は感じています。

例えば、ある企画をメンバーが担当していく場合。
私がメンバーから相談してもらった時「自分の回答」は、まず話さない。
選択肢を広げたり狭めたりは会話していきます。想定されるリスクや重要なポイントについても伝えます。その上で、答えを出す(判断する)のは、
あなたであることを明確に伝えます。
答えを伝えてしまった場合、ほとんどはその通り動いていきます。
もし答えが正解だった場合、そのメンバーは自分で答えを考えることをやめて、私に答えを聞きに来るようになります。
答えが不正解だった場合、メンバーは私の責任にできます。責任転嫁という逃げ道を覚えて、やはり私に回答を聞きに来るようになります。
どちらになっても、メンバーは自分で考えることをしなくなるのです。
だからこそ、答えをだすのはメンバー自身でなければ真の成長につながらないと私は考えます。
ですので、マネージャーや先輩社員が「回答を出す」行為も、
「バイアス=意思決定における外圧」なのです。

さて、現在チーム内に、この手のバイアスが散見されます。
数名の先輩社員が後輩たちに回答を伝えまくるのです。
このままではメンバーの個性が抹殺されてしまう。と恐怖すら覚えます。
厄介なのは、先輩社員に「悪気はない」のです。寧ろ感謝してほしいと
思っているぐらいではないかと感じます。
となると、先輩社員たちに対して「回答を出すのをやめてくれ」と言うのは
彼ら彼女らの個性を潰してしまうことになる。
では、どうするのか。
時間をかけてでも、後輩メンバーの防御力を高めるしかない。
この状況をなくすためのスキーム作りも私の介入も本質的な解決には
ならないでしょう。バイアスは「する側」だけの責任ではないのです。
「される側」に責任とは言いませんが、跳ね返す・受け流す力をつける
必要性はあるのです。

では、防御力を如何にして高めていくのか。
「防御力=自分軸を持つこと」だと考えます。
自分軸を作れば判断軸ができます。判断軸ができれば外圧に対して
吸収する物と跳ね返す物、受け流す物の区別ができるようになる。
結果として、バイアス=アドバイスというカタチに変化します。

自分軸を作る。これはひとつの手法ですが、
私の目標とする「ひとりの人間として現実社会で生きていく力を付ける。」
を達成する効果的な手法のひとつであるはずです。



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