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まだしばらく、人ができる事。

デザイン思考という思考法があります。
デザイン思考は、問題解決に対するアプローチをデザインの考え方に基づいて行う方法。デザイン思考を用いることで、従来の問題解決手法にはない創造的なアイデアを生み出し、革新的な解決策を見つけることも可能です。

もうひとつ、未来洞察という戦略的プロセスであり活動があります。
未来洞察は、未来の変化やトレンド、技術、社会的変化、政治的動向、経済的発展などを探求し、それらを分析して、将来のシナリオを作成することにより、将来に向けた方向性を示すことを目的としています。

未来洞察は過程であり、デザイン思考は手段なので重要な関係性の匂いがぷんぷんします。

■デザイン思考と未来洞察の関係性

現代社会は、急速な変化と不確実性に満ちています。
技術の進歩や社会の変化により、私たちが直面する問題はどんどん複雑化していますし、より多様な解決策が求められるようになっています。こうした状況下では、従来の問題解決手法では限界があります。
そこで、デザイン思考を用いることで、創造的なアイデアを生み出し、未来に向けた新たな解決策を見つけることができます。

さらに、デザイン思考は、未来洞察に重要な"視点"を提供してくれます。
デザイン思考は、人間中心主義の視点を持って問題解決を行うため、「人々のニーズや価値観を理解する」という副産物も生み出します。この視点を持つことで、将来の社会変化や人々の潜在的ニーズを予測することができ、より長期的視野での問題解決を行うことができます。
また、デザイン思考は、未来洞察にとって重要なコンセプトである"共創"も促進します。デザイン思考はプロセスの中で、複数の分野や専門分野から人々が集まり、アイデアを出し合い、共同で問題解決を行います。このようなアプローチにより、異なる視点や専門性を持つ人々が協力し、より優れた解決策を見つけることができます。

このように、デザイン思考は未来洞察にとって重要な手段であり、創造的な解決策を見つけ、人々のニーズや価値観を理解し、共創を促進することができます。「未来に向けた問題解決」というお題目に対しても、デザイン思考は有用だと思います。

■デザイン思考と未来洞察における課題

ただ、デザイン思考を未来洞察に適用させるには、多くの課題があります。
まず、デザイン思考において、人間中心主義の視点を持つことが重要ですが、人々のニーズや価値観は多様で、その変化が速いため、適切な情報収集が必要です。また、未来洞察においては、予測が困難であるため、将来の社会や技術の変化を想定することが難しいという課題があります。

さらに、デザイン思考と未来洞察を組み合わせることで、創造的な解決策を生み出すことができますが、その過程の意見の調整や意思決定のプロセスにおいて、意見対立やコミュニケーションの課題が発生することがあります。

また、デザイン思考と未来洞察は、社会的な課題を解決するための手法であるため、それ自体が社会に対する課題や責任を意味します。例えば、技術の進歩によって引き起こされる社会的課題や、持続可能性に配慮しなければならない側面も持ち合わせます。

■デザイン思考と未来洞察を組み合わせる上で重要な事

デザイン思考と未来洞察の組み合わせで、将来の社会やビジネスに対する新しい視点を得ることができます。デザイン思考によって、ユーザーのニーズや欲求に合わせた新しい製品やサービスを生み出し、未来洞察によって、将来的に需要があるかどうかを予測することができるでしょう。
未来洞察とデザイン思考は、単独で使われることもありますが、組み合わせることで、より有効活用されるイメージもつきます。
ただ、あくまでもプロセスとアプローチであり、重要になるのは「問いの設定」と「コミュニケーション構築」による「場づくり」であると感じます。

AIの技術発展や浸透促進により、情報収集や整理・精査された視覚化、アウトプットは効率化されていくでしょう。ただし効率的であるが故、普遍的で汎用性が高いものにもなり得ます。アウトプットされた情報やモノはあくまでも素材として、それをどうコーディネートするか。もっと前段で言えば、情報収集しアウトプットする拠り所になるコンセプトをどうセットするか。これこそは、まだもう少し人間に残された役割であり差別化のポイントになるんだと思います。



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