プロの演劇人の方は読まないで下さいね。
ショックな話を聞きました。
とある機会があって、プロの「舞台人」の方々とお話をしたのですが、当然、舞台の人は食えないのでバイトしますよね。
で、どんなバイトかと思ってて、何となく居酒屋とか道路工事かなあとか思ってたわけです。女の人は水商売?
そしたら、メインはゴミ収集なんですって。
いや、職業差別して‥‥るわけですが、結構この地方のこの業界では名の知れた方々もその現場で顔なじみだそうで、「あそこ(ゴミ収集の会社)、最近はどうなってるの?」みたいなノリでしゃべってはって。ちょっとかなりびっくりしました。
それで思ったんですよ。私、長年、二足のわらじで芝居やってて(学校教師と演劇。もちろんアマチュアなんですけどね。)、これって案外正解なのかなあって。
少なくとも、観客動員のための芝居作りはしなくていいですからね。
芝居ってね、職業としては、世界的に成立してないみたいです。
コロナの助成金でえらく儲かったって話も聞きました。 元々がひどい労働条件ですからねぇ。役所は、最低賃金ぐらいはまともに払ってくれたんでしょうねぇ。
そう言えば、全国的にかなり高名な役者さんでも、野田マップのパンフとか見ると「稽古にギャラが出る!」って感激の言葉が書いてありますもんね。 職業としてまともじゃないですね。
だからなんでしょうね。昔から、テレビや映画に出ると「裏切り者」扱いです。
実際は、相当に売れてる人(有名芸能人)でも、金にならない舞台を年に1、2回やってる人は多いですよ。
ほんとは舞台1本でやりたいんでしょうねぇ。
まあ、昔は純文学も同じ傾向がありまして、村上龍とかが出てきた時、外車を買ったらボロクソ言われてました。「芸術家たる者、清貧たるべし」ってことで。
まあ、かなり昔に聞いたんですけど、純文学雑誌の原稿料は1枚2000円で、新聞小説は1枚20000円でした。
そのせいかと思いますが、演劇人とか純文学の人は、やたらと「芸術」という言葉を使いますよね。芝居のチラシなんか見ると、舞台芸術がなんちゃら、とか、劇空間がなんちゃら、とか、ドラマツルギーがなんちゃら、とか恐ろしく大仰な文句が並んでて、正直、「恥ずかしくないのかなあ」なんて、失礼な感想を抱いたことも少なからずあります。
それで、ある時、新聞で、歌舞伎の人が「私ら高尚な芸術なんかじゃなくて、たかが芸能ですから」と言ってるのを読んで、これは勝てないと思いました。うーん、金輪際勝てません。
これを言っちゃったらおしまいなのですが、芸術なんか食べられませんからね。さすがに歌舞伎をくさす人はいませんが、漫才とかお笑いとかエンタメとかを蔑視してる舞台の人はかなりいますよね。(言わなくても思ってる人は多いと思います)
お笑いやエンタメは、もちろん全員じゃないけど、すごく食べられる人もたまにいたりする。これが悔しいんでしょうねぇ。
だから、「大衆に理解されがたいのが芸術」→「売れないものこそが尊い」という倒錯がしばしば見られます。
ここのところはかなり微妙で「売れるのが素晴らしい」「売れないのはゴミ」とは全く思いませんがね。
ただ、マスターベーションって言葉、ご存知ですか?
あら、ケンカ売ってますね。私としたことが。はしたない。オホホホ。
そういう諸事情を考えたら、確かに、私のような正業のある人間なんかと一緒にされたくないですよね。「お前らみたいな安定した生活の恵まれた人間の余技と一緒にするな!」って思わないとやってられませんわね。
だから、「たかがアマチュアが‥‥」と見下されても我慢しようと思いました。