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エルピス TV界の2大賞を受賞。これからの時代は「暴かれる時代です」。それを先駆けた作品。

【筆者のコメント】
昨年12月の放送時に、筆者が絶賛したドラマ。正当な評価されておめでとうございます。

今TVが衰退している大きな一つの原因は、ジャーナリズムなのに自身を断罪したり謝罪することが出来ない組織体質である。

戦後の日本の経済成長は、敗戦で何もなくなったからこそすべてを再構築できたから。
太古の昔から日本は自己改革より外圧により変化して来た国民。
戦後海外からの国のモデルから経済モデルからビジネスモデル迄輸入品であり、先達の成功例が無いと踏み出せない国民。そのくせ、バスに乗り遅れる事を嫌う国民。
それがたまたま戦後60年間にジャストフィットした。それ以降の20年間は、学ぶべきモデルがみあたらないので低迷していた。

TVというビジネスモデルも、自ら変える事出来ず、米国の3大ネットワークの復活のモデルは日本では使えない。

※米国の3大テレビネットワークは、ABC、NBC、CBSです。米国の4大ネットワークは、ABC、CBS、NBC、FOXです。

米国の3大テレビネットワークの復活の理由は、次のとおりです。
国内総生産(GDP)の上昇
・人口の増加
・大規模な投資

不法移民の増加による、貧困層向け生活必需品の需要が高まり、それを伝える手段としてのテレビCMの需要が高まった。
GDPの上昇は、移民だけでなく巨大なIT産業の勃興による世界各国への製品やサービスの進攻が寄与しているので、その一部もTV広告を利用した事は否めない。

又、コンテンツ自体へ投資も盛んに行われ、海外へも市場が広がり、投資回収されている事による再投資サイクルが出来上がった。
2003年から20シーズン400話放送されている、「CBSのNCIS 〜ネイビー犯罪捜査班」TVドラマがその筆頭である。



1.2023年民放連賞最優秀受賞のことば(テレビドラマ番組) 関西テレビ放送 エルピス-希望、あるいは災い-

佐野亜裕美 2023/10/19

佐野亜裕美

このたびは素晴らしい賞をいただきありがとうございます。

放送終了から半年以上がたちましたが、「エルピス」のことを思い出す時にいつも最初に頭に浮かぶ光景があります。
今から6年以上前、2017年の春。皆が帰った後の薄暗い小さな会議室で、当時は「平成パンドラ」という仮タイトルが付いていたこのドラマの第3話の初稿を読み、こっそりと泣いた日のことです。主人公たちが自らの考える「正しいこと」に向かって突き進み始める回の台本でした。「正しいことがしたいな」と主人公の一人がつぶやきます。そうだ、自分は「正しいこと」がしたかったんだ。閉塞感や鬱屈、怒りでいっぱいだった当時、自分の中に一筋の小さな、でも強い光が刺した瞬間でした。

そこから6年、台本の中で主人公である浅川恵那や岸本拓朗、そして彼らが追いかけた事件そのものがたどった道をまるでなぞるかのように、歓迎されぬ場所でひっそりと生まれたこの「エルピス」というドラマはさまざまな紆余曲折をたどりました。あまりにもいろいろなことがあったので、ドラマとして放送されたこと自体信じられないような気持ちがいまだに続いていますが、小さな会議室で一人きりだったあの日がまるで幻のように、長澤まさみさん、大根仁監督をはじめとする素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんが参加してくださり、コロナ禍が続く暑い夏をみんなで戦い、走り抜きました。本当にたくさんの方々のご尽力をいただき、一生かけても伝えられないほど感謝の気持ちで今もいっぱいです。

「正しいこと」などないかもしれない。それでも少しでも、私たちが生きる世界をより良くしたいという夢を見て、たくさんの仲間たちと一緒に奔走できた熱く幸福な夏でした。

「冤罪」は国家による犯罪です。
私たちが生きるこの社会に、こんなにも恐ろしい犯罪があること。いつでも自分がその被害者になり得ること、そしてその犯罪に加担し得ること。これをエンターテインメントの形で社会に少しでも伝えることができたなら、という気持ちでスタートしたドラマでしたが、主人公たちと一緒に悩みながらドラマを作っていくうちに、冤罪に限らず法曹界の抱える問題に触れることになったり、報道機関、政治の世界を描くことになったりしました。これは連続ドラマというものの醍醐味だと思いますし、作品世界を大きく広げてくれました。

一度は闇に葬られかけたこの企画を共に作り、支えてくれたたくさんの仲間たち、そして深く愛してくださり、このドラマをここまで連れてきてくださった視聴者の皆さんに、あらためて深く感謝申しあげます。本当にありがとうございました。いつかこのドラマで描かれたことが笑い話になる社会になることを願いながら、素晴らしい賞をいただいたことを励みに、これからも精進いたします。


関西テレビ放送 制作局東京制作部
佐野亜裕美(さの・あゆみ)

主な作品は『カルテット』(TBSテレビ)、『大豆田とわ子と三人の元夫』(関西テレビ)、『17才の帝国』(NHK)など。2018年にエランドール賞プロデューサー賞、22年に大山勝美賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。



2.長澤まさみ主演のカンテレドラマ「エルピス」、ギャラクシー賞で入賞作品に選出

Lmagajp 2023/4/28(金)




3.長澤まさみ、2022年はどっぷり撮影漬け 「エルピス」個人賞&テレビ大賞の栄冠に

映画ナタリー編集部 2023年5月31日

長澤まさみが、本日5月31日に第60回ギャラクシー賞の贈賞式に登壇。「エルピス―希望、あるいは災い―」の演技、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のナレーションが評価され、もっともテレビ界で輝いた人に贈られる個人賞を受賞した。

カンテレ・フジテレビ系で2022年10月から12月にかけて放送された「エルピス―希望、あるいは災い―」では冤罪事件に立ち向かう主人公を繊細に演じ、2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ではささやくようなナレーションが話題に。長澤は「昨年は毎日さまざまな撮影に行き、2週間に1回はナレーション録りに行くという、どっぷりと作品作りに浸った1年になりました。作品作りは大変なことがたくさんあります。でも1つひとつの仕事をやり遂げられたのはスタッフの皆さんのおかげだと再実感できました。ありがとうございます」と思いを口にする。

「エルピス」では内面に葛藤を抱えた難しい役どころに挑んだ。「浅川恵那という女性は主人公らしからぬというか。自分の気持ちに素直で、でも人からは『しっかりして』と思われるような不安定さがあったんですけど、私自身も共感できる部分があったりして。一緒に悩みながら演じたように思います」と振り返る。「鎌倉殿の13人」では脚本家・三谷幸喜のリクエストを完遂。「ささやき声を注文してきたのは三谷さんでした。作品全体を観ると意味が伝わる演出をしてくださったおかげで、私のナレーションが成り立ちました。私は言われるままやっただけ。すべて三谷さんのおかげだと思っています」とほほえんだ。

サプライズゲストとして「エルピス」の演出を担当した大根仁が駆け付け、花束を贈呈。大根は「振り返ると、僭越ながら昨年のテレビドラマ回を代表する2作品だったと思います。そこで重要なポジションを演じられた“まーちゃん”がこの賞を受賞するのは、ふさわしいし当然のこと。これからますます日本を代表する俳優になっていくと思います」と長澤への信頼をあらわにする。そして「(長澤が)20代の頃に『モテキ』という作品で一番かわいい長澤まさみを撮れたと自負しています。今回は30代の一番かっこいい長澤まさみを撮れました。次は40代の一番美しい華やかな長澤まさみを撮りたいと思うので、そのときはよろしくお願いします」と誓った。

なお「エルピス―希望、あるいは災い―」はテレビ部門の大賞も受賞し、プロデューサーの関西テレビ・佐野亜裕美が登壇。「タブーに切り込んだ意識のないまま放送してしまったら、『大丈夫だった!?』『リアルでびっくりした』など他社の方々から声を掛けていただきました」と放送当時を振り返り、続編の可能性について尋ねられると「たぶん1mmもない(笑)。志が通ずるものを作りたいと思いつつ、もうスタッフもキャストも次に進んでいるので、今日の喜びを忘れずまた新しいドラマを作っていきます」と力を込めた。

映画ナタリーでは、贈賞式の様子を引き続きレポートする。



【参考 筆者の記事】

放送時に現場製作陣の意気込みを感じて、3回も記事を上げた。
「よく作って放送した」と言う事と、役者陣も凄い力の入った演技を見せてくれた。
TV復活には、こういうのだよね。


♯1フジTVの秋ドラマは見ごたえがある 謎解きはどうあれ、永山瑛太の役者としての力量は、半端ない。

太陽光線  2022年12月8日 00:08


♯2フジTVの秋ドラマは見ごたえがある プロデューサーの佐野亜裕美が脚本家の渡辺あやとこの企画を6年前に発案したがこれまで実現しなかった。 

太陽光線  2022年12月9日


♯3フジTVの秋ドラマは見ごたえがある 『エルピス』のマスコミ批判を受け入れられない報道部が番組にクレーム入れた(笑)

太陽光線  2022年12月13日

終わり

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