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コロナ対策会見を比較してわかったこと2 発音よりも流暢さ

会見中の英語の話し方で気になったことがあったので記事にします。

1.WHO会見:有名人による注意喚起動画
2.英語の発音:WHOテドロス事務局長、日本人記者質問と返答
3.話し方による説得力:会見の比較

今回は2つ目です。
前の記事はこちら

英語の発音はやっぱり気にするな

上の記事でも、「世界には英語ノンネイティブが多いのだからネイティブ発音じゃなくてもいい」と書きましたが、このWHO会見を見てあらためて思わされました。

まずはこの動画の冒頭テドロス事務局長の英語(19:40〜)をご覧ください。

テドロス事務局長の英語は発音に特徴があり、たまに何と言ったのか一瞬わからない時もあります。しかし、ゆっくりと一語一語を言っているので、わからなかった単語も「あぁ、あの単語を言ったんだろうな」と推測ができます。丁寧に話す彼の英語はノンネイティブの私にも比較的聞き取りやすく感じられました。

発音はネイティブとは異なりますが、ゆっくりとしかし止まることなく、分かりやすく話しています。WHOの代表ということで世界中に情報を発信する立場ですから、英語ノンネイティブの人にもしっかり伝えるためにもあのように話すということを意識しているのだろうと思います。

記者質問の英語

続いて、会見後半に設けられた記者質問の時間です。終盤の日本人記者ノブさんの質問とWHO感染症疫学者マリアさんの応答(57:45〜)をご覧ください。日本人記者とマリアさんの発音は明らかに違いますが、十分コミュニケーションが取れています。

この他にも、多くの国の記者たちがそれぞれの英語で質問しています。聞き慣れない、聞き取りにくい英語もありますが、それでもコミュニケーションを取れています。「下手な発音は日常会話ならまだ通じるかもしれないけれども、ビジネスの場面じゃ通用しないよ」という意見もあるかもしれませんが、世界が注目するような会見でもノンネイティブたちがそれぞれの発音の英語を使っていることを見ると、ネイティブとノンネイティブの上下を気にしない方がいいのではと思います。


正確さよりも流暢さ


発音を全く気にしなくていいわけではありません。しかし、学校で英語を教えるときは生徒の正確さを伸ばすよりも流暢さを伸ばしてあげた方が英語力向上に効果的だと思います。

日本語で考えてみると

「え〜…。私……私は……広島に………えっと、行ったことが…………あります。」

文法的には正しいですが、会話中にこれでは話し相手も辛いですよね。

一方で

「私は広島を行った」

文法的には間違っていますが、伝えたいことは概ね伝えられますよね。相手も聞いていて辛いとはあまり思わないのではないでしょうか。

日本で長く生活している芸人のパックンさんだって、日本語はペラペラで完璧にコミュニケーションを取れますが、発音はやはりどこか違和感がありますよね。でもそれでパックンさんの印象が悪くなったり、話し辛いななんて思ったりしないはずです。仮に、パックンさんがおどおどと、文法や発音を気にして途切れ途切れで話していたら、印象は全く違うはずです。

これまでの経験上、多くの生徒は「英語を話せるようになりたい」「英語を話せたらかっこいい」と思っています。逆に言えば、「英語を話せるようになりたくない」という生徒は見たことありません。

なので、生徒の英語を話す流暢さを伸ばしてあげることによって生徒は

英語が話せる→英語得意かも!→英語好きだ!→もっとやろう!となります。

じゃあ流暢さはどうやって伸ばすか。おすすめの指導方法がありますが、これはまた別の記事で紹介します。

とにかく、英語の発音がきれいじゃないからとかいう理由で批判したり自分を卑下するのはやめましょう。さらに、英語の授業で綺麗な発音をしている生徒を冷やかす生徒がいたらやめさせましょう。そのために、英語を話すときは発音や文法をたくさん間違えろ!と指導して心理的なハードルを下げてあげましょう!

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