【経営事典①】パーパス経営とは(前編)
0.はじめに
なぜ今更、パーパス経営なのか
こんばんは、独立診断士を目指す30代、
そうきちです。
経営に関して気になったテーマを
取り上げてみる【経営事典】。
第1回のテーマは「パーパス経営」です。
「Purpose」、日本語で言えば「目的」です。
近所のスーパーに買い物に行く目的は
「晩ご飯のおかずを買うため」
このブログを書く目的は
「経営に関する知識を定着化するため」
何をするにも第一に目的があります。
もちろん、企業経営においても目的が存在し、
営業、購買、生産、販売…etc
すべての企業活動は目的を達成するための
手段であると言えるでしょう。
そんな当たり前のことが、なぜ今更
「パーパス経営」といった新しい言葉で定義され、多くの大企業がこぞって経営に取り入れている
のでしょうか。
1.パーパス経営とは
パーパス経営の提唱者
パーパス経営という概念はアメリカの
投資会社が発祥です。
昨今のSDGsやサステナビリティ経営の注目に
伴い、企業の社会に対する関わり方を示すもの
としてパーパス経営が広がったようです。
名和高司氏によるパーパス経営論
一橋ビジネススクール 客員教授である名和高司士
によるパーパス経営の定義について紹介します。
従来から存在する概念である、「Mission、Vision、Value」が外部から与えられたものである一方、
自分の内から湧き出てくるものが「Purpose、
Dream、Belief」であり、これらを定めることで
様々なバックグラウンドを持つ人財をまとめることがパーパス経営だと定義しています。
また、パーパスを設定する上で重要な3つの要件を
挙げています。
①「ワクワク」
・・・社員や顧客が「ワクワク」し、
②「ならでは」
・・・自社「ならでは」のものであり、
③「できる!」
・・・絵に描いた餅に終わるのではなく
実践「できる!」
大企業におけるパーパス経営の事例では、
食品メーカーのネスレに代表される海外企業では、「よい食事、よい生活」というように
客観的に正しいことを定めているものが多い一方、
日本企業ではユニクロの「LifeWear」など、
各企業「ならでは」の言葉でパーパスを設定
している場合が多いことが特徴です。
その企業「ならでは」の言葉について、
クリエイティブディレクター
原野守弘さんの著書
『ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門』
の中にこんな記載がありました。
本書の中で原野さんは、日産自動車の
『やっちゃえ。NISSAN』というキャンペーン
について、
「矢沢永吉さんのブランドボイスとしては
ピッタリだが、日産自動車のブランドボイス
としてマッチしているかは疑問が残る」
と言っています。
その企業の沿革、風土等、「ならでは」の
要素を一言で表したものがブランドボイスであり、パーパスでなければならないということ
だと思います。
中小機構における定義
中小機構の運営するビジネス支援サイト
「J-Net21」における、パーパス経営の定義についても紹介しておきます。
名和氏の定義とは異なり、
「ビジョン、ミッション、バリュー」
の上位概念として「パーパス」を定義しています。
自分なりの解釈
ここまで、パーパス経営についていくつかの
定義を紹介してきましたが、
正直、あえて「パーパス経営」という流行り
言葉を持ち出す必要はないと感じています。
名和氏の定義、中小機構の定義のいずれも
間違いでは無いですが、その定義が浸透し、
今後も残り続けるかと言われれば疑問です。
冒頭で述べた通り、「目的」があって「手段」
があるという関係性は企業経営に限らず
重要なことです。
利益追求のみに走り、本来の存在意義や
目的を見失ってしまった企業が当初の志に
立ち返るために、その企業「ならでは」の
パーパスを設定するといった場面で活用
できるのではないかと思います。
2.おわりに
本当は、パーパス経営について紹介した後、
独立診断士となるための自分のパーパス、及び
中小企業におけるパーパス経営の事例紹介を
するつもりでしたが、
ボリュームが多くなってしまったため
次回「パーパス経営とは(後編)」として記載
したいと思います。
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