見出し画像

「発表」と「創作」の場を分ける利点

最近、創作活動に集中できていますか?

このSNS時代「創作に集中する場所」というものが、そもそもなくなっていると感じています。どこに行ってもいつも誰かの目がある。WiFiを切ってしまえばいいのかもしれないですが、そうすると今度は発表の機会も奪われてしまうんですよね。

これまで創作は1人で育てるものだった

これまで創作をどこでしてきたのか。

落書きから始まって、漫画を書き始めて。最初は自分だけの場所で完結していたと思います。場所は自分の部屋と、ノートでしょうか。

いいぞいいぞ、うまく描けたぞ!って嬉しくなって、また次の絵に取り掛かって。そこに人の目が介在することがない。この「いいぞいいぞ!」という感覚が、創作には何より大事、という話は前回の記事でもお話ししました。

しかし現代はSNSにおいて、それまで密室だった自分の場所が半分開かれてしまいました。自分の部屋でのつぶやきに、誰かが文句を言ってくる時代です。

また難しいのが、文句だけでもないんですよね。部屋を開けていれば賞賛もやってくる。しかも開ければ開けるほど。

Twitterに投稿する絵などは完成度の高いものよりも、メイキング途中や落書きなど、「創作活動そのものや個人趣向が強いもの」ほどウケやすく「RT」や「いいね!」を稼げるという事実があります。

こうなってくるとますます自分の場所をオープンにしていかなくてはならなくなる。

いま、心を落ち着ける、自分だけの創作工房をみなさん持てているでしょうか。いつのまにかそこは見世物小屋になっていないでしょうか。

「発表」の場所と「創作」の場所に境がない

そういう理由で、現代は「発表」の場所と「創作」の場所の境がとてもあいまいです。すでにプロとしてタフな心を持ち、工房をオープンにできる人はそれでもいいかもしれません。

しかしまだまだこれから創作者を目指していこうという人が、いきなり創作過程まで見世物にしながら自分を育てていく。これはなかなかハードルが高いのではないでしょうか。

僕の感覚では、いまTwitterなどで活躍している漫画家やイラストレーターは、ブログや個人HPなど自分の場所で昔から更新していたり、商業作家として編集者だけに見せてたり、コミティアで濃いファンを持っていたり、自分の場所で育った人たちに感じます。

実は成功している人は、上手に「創作」の場所と「発表」の場所、両方確保できていたのではないでしょうか。

最初からSNSで、下手な絵を公開しながらどんどん上手くなって成功した、というパターンの人は、思いのほか少ないんじゃないかという予想です。

「発表」「創作」二つの場所を持つのはどうか。

「発表」と「創作」、二つの役割を持つ場所を一つにしてしまうから、運用が難しいのではないかと感じてます。だったらそれは二つに分けて「創作専用」の場所を作るのはどうでしょうか。

また僕はこの時代に、もう一度自分だけの密室を作るべきとも思いません。

それはそれでモチベの維持が難しかったり、作品に対してのフィードバックが得られなすぎたり、作品を上げて「いいね!」がつくって、モチベと客観的評価のために大事と思うんです。

創作場所を作る場所はそれぞれどこでもいいのだと思います。Twitter、インスタグラム、FANBOX、安心して心を許せるメンバーに限定しておくのがポイントです。少しでも気を使ってしまうと意味がないので。

「やさしさ創作村」もその一つの選択肢になってくれたら嬉しいです。創作村の場所はクローズドなTwitterです。自分だけの場所でありながら、かつ自分のタイミングで人とのコミュニケーションもとれる。

場所はどこにしても、大事なことは、自分の創作したものが批判や過度な期待や好奇心にさらされることなく、温かく迎えられることです。

すでに連載をしている作家さんも、今から創作の場所を独立させる手もあると思います。作品作りを通して交流したいのは「喜んでくれるファン」と「相談できる創作者」ではないでしょうか。

その二つの相手を一つの部屋で行うことに無理を感じてきている人も多いと思います。実際に創作村にもプロの作家さんは多いです。

集中して創作しつつ、一緒に頑張っている姿を見てやる気をもらい、ときには相談もできる。「創作の場所」をしっかり確保するのが現代のクリエイターにとって重要だと思います。

▼やさしさ創作村
「創作の芽をみんなで育てる」クリエイター限定noteサークルです。
https://note.com/sousakumura/circle

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?