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あの時、「怖かったね」と言ってあげたかった。

今日ぴぃは、カウンセリングを受けた。

カウンセラーさんは、実際に強迫性障害を長年経験された方だった。

私はそのカウンセラーさんの存在を知っていたけど、

ぴぃが自分から必要と感じた時の選択肢として持っていた。

以前も、子供の強迫性障害専門の心理士さんにzoomでお話を聞いてもらったことはあった。

同い年のお子さんをお持ちの方で、ゲームの話題で会話をしてくれるのがうまかった。

でも、ぴぃは顔を出さず、胸の内を話すこともなかった。

ちょっと前の夜、ミッケに怯え、不安で眠れなくなった時に、

ぴぃの胸の内、ミッケの怖さ、誰かに聞いてもらって心を楽にしようと話していると、実際に強迫性障害になった人に話を聞いてもらいたいとぴぃは言った。

だったらと言うことで、すぐに調べてあったカウンセラーさんにコンタクトをとり、カウンセリングの日程を調整した。

寸前まで顔出しを嫌がっていたぴぃは、zoom機能にあるマスクのフィルタをつけて、カウンセリングに挑んだ。


食べ物が怖いというぴぃに対して、それはなぜと聞かれ、

「3年生の時の担任の先生が、賞味期限の切れた食べ物を食べると死んでしまう人もいると言っていたのを聞いてから、食べ物が怖くなった。」

とぴぃは話した。

私も当時、ぴぃのその訴えを聞いていたが、強迫性障害というものを知らない私は、その話に対する誤解を解いて、ちゃんとした知識を身につければクリアできる問題と思っていた。

賞味期限とはそう言うもんじゃないと私がどれだけ話しても、先生はそんなことを言ってなかったの一点張りで怖がるぴぃ。

後日その話を受けて先生が説明をし直してくれたのだが、もうミッケの存在が大きくなっていたぴぃに理屈は通用しなかった。

その話を聞いたカウンセラーさんは、

「それは怖かったね、怖い思いをしたんだね。」

と言った。

そう言ってもらった時のぴぃの表情はなんとも言えないけど、たぶん一生忘れない。

私はあの時、「怖かったね」とは言ってあげられなかった。

それだけでよかったのか、それだけでも言えてたら、ぴぃは安心できたんだ。


正直、まだそのカウンセラーさんとの相性まではわからない。

言葉や言い回しの難しさに、ぴぃ自身がうまく答えられない時もあったし、

途中、怖いと思う部分に対して、どんなふうに感じているのかを執拗に掘り下げられることに、ぴぃは静かに泣きながら抵抗することもあった。

弱ったぴぃの声は聞き取れないぐらい小さくて、私が代わりに伝えることもあった。

カウンセリング件数は多いけど、子供慣れしていない感触もあった。

でも、ぴぃの気持ちを理解すると言う部分では、やっぱり経験者なんだなって思うこともあったし、新しい視点も一つ増えた。


ぐいぐい聞かれたことに対する嫌悪感を抱いてるぴぃだけど、次回の予約を承諾した。

とりあえずまた次回、ぴぃの心が少しでも溶けますように。



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