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大好きな人を悪者にしたくないからと自分を責め、強迫と戦う娘。

日曜に、お風呂からなかなか出れなくなってしまったぴぃ。

お風呂でおいおいなく声が止まらないので、話を聞きに行く。

理由はわかっている。

大好きなお姉ちゃんが遊びにきてくれて、一緒にご飯を食べた後、手を洗わずにコントロールを握っていたことと、ぴぃの部屋にある大好きなアニメグッズに触れていたこと。

前回も同じようなことがあったから、私も注意していたのだけど、手を洗ってもらうタイミングを逃してしまった。

ぴぃは自分さえ耐えればいいと、その場はなんとか踏ん張って楽しんだ。

お姉ちゃんが帰った後も、やっぱり気になってしょうがない。

本当は早く除菌シートや安心おしぼりで拭きたい。

でも、すぐにはそれをせず、iPadのゲームで不安を誤魔化していたのだけど、パパに早く入れと迫られ泣きながらお風呂へ。

心乱れたままだと、どんなに洗っても綺麗になったと思えず、なかなか出てこれなくなった模様。

風呂場のぴぃのもとへ、

私「大丈夫?ミッケでしょ?」

ぴぃ「ミッケなの。誰も悪くないのに、誰かのせいにしないと話せない。」

私「わかってるよ、誰も悪くないよね。」

ぴぃ「たくさん拭きたい場所がある。でもどこを拭きたいかは言えない。だって悪いことされたわけじゃないから。言ってしまうとその人を悪者にしてしまう。それが辛い。」

私「無理に言わなくてもいいよ。」

ぴぃ「絶対に言えない、だってぴぃのせいなんだもん。」

私「言いたくないよね、苦しいね。とりあえず風邪ひいちゃいそうだから、お風呂でよう。でて話そう。」

泣きながら出てきて、体を拭き、着替えてから落ち着くまで話を聞く。

大好きなお姉ちゃんのことでしょ?と促すと、

ぴぃ「たくさん会いたいし、たくさん遊びたいけど、ミッケのせいで気になってしまうことがたくさんある。
でも嫌われるのが怖くて、来てくれるたびに、いちいち手を洗ってとか言えない。
ぴぃが我慢すればいいだけなんだけど、後からいちいち拭いたりするの、もうめんどくさいよ。」

私「めんどくさいよねぇ。
そういえば、ぴぃと同じ強迫症を乗り越えたカウンセラーさんがこんなこと言ってたよ。『あんなに不安に感じて怖かったことは、結局何も起こってない』それをちゃんと噛み締めて、安心に変えようって。ぴぃもこれまでそうじゃなかった?」

ぴぃ「そうなんだけど、そうなんだけど・・・でも、怖い時は怖いから。」

私「今日あったミッケ、明日まで耐えられる?」

ぴぃ「それは無理、めんどくさいけど拭きたい。」

私「拭かなきゃいけないんじゃなくて拭きたいんだよね?」

ぴぃ「拭きたい。」

私「安心するためだもんね。ぴぃは自分の安心のために拭くんだよ。」

やらされてるんじゃない、やってるんだという主体性をもつ。

正直、私は専門家じゃないから、このやりとりが正しいのか間違ってるかなんてわからない。

でも、大事なのは拭く拭かないじゃなくて、ぴぃが安心する方法を自分で選択すればいいと思っている。

調子がいい時は、拭かなくても大丈夫なこともある。

めんどくさいという気持ちが勝つときは強迫行為に囚われることもない。

でも、疲れてる時や心が穏やかじゃない時は不安が勝つ。

そんな時は必ず伝えることがある。

「そんな時もあるってだけのこと。」

調子がいい時、悪い時は強迫を持ってない人でも必ずある。誰にでもある。

前は大丈夫だったけど、今日はだめ。それでいいんだよと。

だから、なるべく疲れてる時はちゃんと休もう。

楽しいことだけでも体は疲れる。

ぴぃのミッケはぴぃが疲れてる時に喜んで出てくるから、なるべく早く寝よう。

と促すと、「もうちょっとだけゲームをやらせて。その前にちゃっちゃと拭いてくる!」とニヤッと笑ったぴぃ。

もう、勝手にしてくれw

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