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寛容だった私と寛容じゃなくなった私、も私。

昨日、久しぶりに前の職場で知り合った同い年の友人から連絡が来た。

彼女が入社して3ヶ月後、私は退職した。

入社したばかりの彼女は、人見知りで話しかけないでオーラ全開だった。

後で聞くと、当初の彼女は群れを嫌い、めんどくさい人間関係を嫌うがゆえの警戒心を示していたらしい。

すでに古株として在籍していた私は、会社に慣れてもらうため、彼女の作った境界線を見て見ぬふりして近づいた。

部署は違ったけど、毎日どうでもいいことを話しかけているうちに、同い年の子供がいることや、ロックバンド好きで意気投合し、急激に彼女との距離が縮まった。

彼女はたちまち明るくておしゃべり好きな本性を現し、毎日の彼女との会話が楽しみで、すでに退職を決心していた心が揺らぐほど楽しい日々だった。

おすすめのCDを持ってきてくれたり、ためになる料理本をシェアしてくれたり、私から近づいたのに、私が与えてもらうことの方が多かった。

たった3ヶ月だったけど、彼女との時間はとても濃かった。

組織から出てしまうと全然マメではない基本受け身人間の私。

ちょくちょく連絡をくれていた彼女もまもなく退職し、新しい仕事についたぐらいから連絡が途絶えていた。


そこから3年。

「元気ーーー??」と彼女からLINEがきた。

嬉しくて嬉しくてすぐに返信した。

何回かのやりとりの後、ぴぃが不登校になったことを初めて伝えた。

彼女はすぐに電話をしてきてくれた。

午前中だったから、ぴぃが起きてきたら、すぐに切ってくれていいからと。

簡潔に事情を伝え、「大変だったけど、今は元気だよ。」と伝えると、久しぶりの彼女の声にホッとしたのか泣いてしまった私。

もう嬉しいのとで感情ぐちゃぐちゃになったまま、笑泣きでしゃべり続けた。

久しぶりに、明るくて、元気で、サバサバとした彼女とのおしゃべりは痛快で心地よかった。

私のぴぃとの現状も、偏見や理解の無さを感じなかった。

「だぁーいじょーぶよぉ、今の子は未来に可能性しかないんだから。」

と言ってくれた彼女。

心強くて、「元気なんだけどね」と言いながらまた泣いた。

ぴぃが途中で起きてくると、アニメ好きで漫画家志望だった彼女は、すぐにぴぃが興味のありそうな話題で、ぴぃの話し相手にもなってくれた。


三、四時間ぐらい話していただろうか。

最後の話題は、最近彼女の身に起こった人間関係について。

共通の趣味で仲良くなったグループで、いろんな話がこじれて、自分が悪者になってしまい、めんどうになったから関係を切ったという。

彼女らしい、色んな人に気を使いすぎあまりの流れ。

だから、群れるのを嫌い、めんどくさい人間関係を嫌ってきたのに。

それでも彼女は人が好きなんだよな。

私「あなたらしいね。私のことは切らないでよ。」

彼女「あなたのことはずっと好きよ。だって聞き上手だし、誰に対しても寛容だもの。」

そっか、私は彼女に寛容な人間だと思われていたんだな。

私「でもね、ぴぃのことがあって、自分を理解してくれない人が許せなかったし、全員は受け入れられなくなった時期があったんだよ。」

彼女「それはしょうがないんじゃない?誰でもそうよ。でもそんな中でも、あんなにアニメ好きじゃなかったあなたが、ぴぃちゃんのためにアニメイトに行ってるんだもの。あなたは寛容な人なのよ。」

そうそう、アニメの話だけは彼女と共感共有できなかったっけ。

でも彼女の話はいつもおもしろくて、ずっと笑いながら聞いてた。

ただただ嬉しかった。

やり直したかった頃の自分を認めてくれて、見失っていた自分を呼び戻してくれた言葉。

話せてよかったな。感謝。

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