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どこ出身?「拠点」への憧れ

職人という働き方に関心を持ちながら、社会人生活をスタートして、
作ることへの興味を持ったこと、体を壊したこと、先輩の刺さる一言で、自分がサラリーマンを辞めてでも、職人になって仕事したいという気持ちが高まったことを以前の記事で書きました。

なぜ、オーストラリアへ向かったのか、そしてなぜパン職人に決めたのかを書く前に、

もう1つ、僕にとって職人にという仕事へ憧れがあった理由があります。

それは、

拠点を構えて、商いができる。

ということです。

活動の足場となる重要な地点を自分の人生に作りたかったんです。

なぜかというと、
自分の父は転勤族で、単身赴任だったことがあります。
自分は中学校まで頻繁に引っ越しばかりで、地元がどこなのか、今でもはっきりしないのです。
自己紹介の記事でも書きましたが、出身は「神奈川県」にしています。
親に聞いても、「どこか決めて良いよ。」って言われて、どこにしよっかなって無駄に悩んだ時期ありました。

そして、

「どこ出身なの?」「ご実家どこ?」

この質問、初対面の方とのアイスブレイクトークや話すネタが途切れたり、脈のない方との会話には必ず出てくる質問ですよね。

この質問がほんと嫌だったです。

「ふーん」で終わるか、ちょっと訪れたことがある街であれば、少し広げた会話を軽くして終わるような質問。

自分も人へこの質問をしてしまった際、
「あ、その街にセブンイレブンありますよね。」とか、頭をほぼ回転させずにどうでも良いというか、なんて返しても問題ない反応をしていました。

けど、自分がされるとなるといつも困ってました。
トントンと会話を進めたいのに、必ず止めてしまうし、それ以上の答えを自分も持ってない。だって知らないんだもん。

「父の生まれは島根県です。訪れたことないですけど。」
「きっと神奈川県です。」
「父はどっかで働いています。家は東京です。」

なんて、年齢を重ねるごとに自虐トークというか、面白い言い回しをしてみたりと、活用していたし、営業マンとしては助かっていた記憶もあります。

小さい時は地元を知らないことを心配されてか、サッカーのコーチが父親代わりのように送り迎えしてくれたり、家族でもないのに帰省するときに田舎へ一緒に連れてってくれるご近所さんもいたり、学生時代になっても社会人の方が集まる時に誘ってくれたりと、地元ないことや父が家にいないことで逆に人間力と馴染む力を養えたと自負してますw

いずれにしても、地元とか実家という言葉にコンプレックスがあったので、

自分が将来仕事をすることになれば、絶対転勤のない仕事!と決めていました。

と、言いつつ、大学では普通に就活して、就職しています。
「一回くらい、親と同じような境遇になってみて、どっちが良いか判断しないと意見に偏りが生まれるな。」「会社都合で住まいを変えれるなんて、新しい日本の街も知れて良いじゃんね。」
と、その時々の出来事を自分の心を誤魔化しながら上手いように整理して、ほんと意志を通す力がブレブレで。。。

やっと整ってきたのが30半ば。ちゃんと幅広く気になることは経験してたどり着いてきている。と今もまた、上手いように整理しているのも事実です。。。

話が少し逸れてしまいましたが、
父も自分の子供と過ごす時間がなかったことを少しは悲しく思っていただろうと信じたいwし、同じような家族関係は望んでいないだろうなと勝手に思い込んでいます。

もし、自分に子供ができた時、父親の仕事や居場所、自分の実家くらいは、はっきり言えるようにしてあげたいなという気持ちがあります。

「横浜が地元なんで横浜ベイスターズを応援することが趣味です!」とか、「阪神タイガースの試合結果が気になりすぎて仕事が手につかん!」とか、地元がない身としては憧れと羨ましさを感じていましたし、地元を愛して、地元に根ざした仕事をして生活をしてみたい。

そんな経緯と憧れもあって、
自分の人生の拠点くらい自分で決めれる仕事をしたい。
働く場所の周りで生活する人達と時間を共有して街を盛り上げたい。

つまり、自分が地元と呼べる街を見つけて、根付いた商売をすれば実現できることだという見解にたどり着いて、職人を目指したというのも理由でした。

きっと、同世代や、今でも転勤が当たり前の会社なんていくらでもあるし、同じような気持ちを抱いている方もいるだろうなとは思っています。

地元ない人間は自分以外にもいるのかな、気持ちに共感してくれる人はいるかなと思って書きたくなった記事でした。

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