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施主は直接専門家(防音設計)と契約すべき

最近、新築設計を担当する建築士が施主の意向を適正に反映させることなく、防音設計の計画書を受取りながらも、施主に説明する前に勝手に確認申請作業や見積を作ろうとした事例がありました。

私は計画書(提案書)について、詳しい質問を聞かれたので不審に思い、施主と相談して了解を取るように返事しました。その後、何も連絡がなく、施主の返事も確認できていません。

今回のような事例は、実は過去に何回も有り、繰り返し、建築士に施主と直接話しをさせてくれと要望して、初めて施主が事情を聞いていなかったことが判明したことがありました。
そして、施主から謝罪があり、直接ご契約を交わしていただいて、防音設計の検討作業が無事に進めることが出来た現場が複数あります。

間に入った建築士が自分や自社に不都合な設計仕様を出さないようにしていたことが主な理由でした。
今回の上記の件は、茨城県水戸市の建築会社からの相談(新築木造住宅のピアノ防音室)ですが、未だに施主と話が出来ません。たぶん、このまま消えていくでしょう。もしかしたら、建築士が都合の悪いことを伏せているのかもしれません。

施主は直接専門家に依頼して提案書を検討すべきである

施主が依頼した専門家の計画書(提案書)に問題が有れば、直接施主が判断して可否を伝えれば良いのです。遠慮する必要はありません。もちろん、技術的な話を新築担当の建築士と相談しながら判断すべきです。

今まで成功した木造ピアノ防音室の施主は皆さん、自分で最終的な判断をされており、特に音楽室(防音室)を使用する家族御本人の意見を最大限尊重すべきだと私は考えています。
過去の契約現場で、施主と建築士が決めた内容を、ピアノ演奏をされるご本人が修正を要望されたことが有りました。修正内容は床のフローリング製品と壁の仕上材でしたが、音響にかなり影響のある要望でした。
この要望に難色を示していたのが建築士でしたが、理由は見積金額を超過するということでした。

最終的に、ご家族が資金を別途追加で捻出されて、私の計画書は要望内容を加えて修正しました。ご本人は私のブログを詳しく読み込んで決めたと仰っていました。特に私の契約者であるプロピアニストや音楽教室の先生の体験談を含むブログの記事に注目されたようです。

中には、建築会社と私が契約するのではなく、ご家族がご自分で費用を捻出されて、直接私と契約することを希望された現場が多かったです。
要するに、建築会社の建築士では話が通じないと判断されたようです。

建築士は木造音楽室の専門家ではない

一般の建築士は木造音楽室の音響防音設計を自力では出来ません。これは、他の記事でも説明しましたが、大手建築会社のベテラン建築士が「建築設計自体も専門分野が有り、すべて自分だけで設計できるわけではない。餅は餅屋に任すべきである。」と言います。そして、私の方へ建築士から紹介された案件が複数ありました。
*私は適正な判断ができる、その建築士が信頼できると考え、業務提携を結びました。それが現在の私の数少ない提携先です。長崎県島原市、兵庫県神戸市、そして埼玉県内と東京都内に複数あります。

提携先建築士との契約で作業を行う場合は、音響・防音設計について、私と個別契約を交わします。必要に応じて、専門的な防音材を現場に納品しています。
受注生産の防音材メーカーは、相手がゼネコンでも建築設計事務所でも取引実績のない業者であれば、基本的に注文に応じません。
昨年も、多量に防音材を建築現場に納品することを直接打診したのですが、メーカー担当者から「お得意様として登録された業者」以外からの直接注文を受けられないという内規があると言われました。

施主に事情を説明したら、代金を分割払いでも対応してくれるなら、私と一括して契約を結びたいと言われ、契約内容を修正した現場があります。

昨年から今年にかけて約2年間かけて設計と工事を進めている地方の現場は、契約内容を年度ごとに分けて、複数契約しました。その現場が今年の夏中に完成する予定です。

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