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防音相談の基本と分析資料

今までの投稿記事の中においても専門的な資料の重要性について触れてきました。私の本業の木造住宅・音楽室に絞っても、防音設計・施工に関する資料は膨大なものが眠っています。
それは、防音工事や改修工事(リフォームを含む)の事例を整理したものが殆どないため、量としてはかなり存在しているのですが、分析がされていません。
特に専門業者は、契約が完了して報酬を受けとると追跡調査や分析をすることなく、次の現場・案件に着手するという繰り返しだからです。

私の防音職人チーム(提携先を含む)においては、経験値のストックや分析内容を少しでも、他のユーザー・施主に役立つ情報としてウェブサイト上で報告することを重要視しています。
*特にリスクに関する事項は、一生の買い物には特に大事です。
ですが、なかなか日々の業務に追われて、整理するところまで追いつかず、防音相談に来られる依頼者にも十分には伝えることが出来ていないのが実情です。

このため、防音相談の当日には、できる限り依頼者のご質問にお答えするように努力しています。

経験値と分析力

専門的な分析力は、担当した現場を中心とした自分の経験値に大きく左右されます。専門家・業者であっても、実績のない事例や設計内容については分析することは限界があります。それは机上の理論と現場の防音効果は乖離するからです。
この乖離を埋めるためにも、現場事例を担当した案件だけではなく、提携先や取引先からできる限り、関連情報を入手して分析する必要があります。

そして、専門分野の研究者の報告書や製品データをネットで探して必要なものを抽出して補完します。※最近は、分野別の学会及びメーカー各社が詳しいデータを公開しているコンテンツは少なく、見つけた場合は極めて貴重な資料になるので、すぐにダウンロードして確保します。
私はこの作業を約20年以上、地道に継続しました。

防音相談には詳しく確実な情報が不可欠

依頼者が提供する図面や現場の特徴など状況証拠となる手がかりは、非常に重要です。
先日、ある木造ピアノ室のリフォームの検討依頼をされていた相談者の説明が二転三転したうえ、いただいた図面と状況説明が異なるため、再三ご説明を求めたのですが、なぜか気を悪くされて、見送ることになりました。
*私も契約案件の急ぎの作業があったため、言葉足らずの面は反省点として残りました。

このように、不確かな情報は混乱や検討作業の失敗につながるので、見切り発車で作業を始めることは、今後もしません。施主にとっても最終的には不利益になるので、無理して契約をお受けすることは避けたいと思います。
*間違った分析をすると防音設計もダメになります。

相談される方は、冷静にじっくりと情報集めをしてから、検討業務を依頼されることをお勧めします。

相談メールについて

私は会社勤め時代に、ある有能な職場の先輩から、メールや報告書の書き方を見様見真似で学びました。
①メールの相手の氏名又は名字を省略しない。
②メールの返信の主文・結論を先に明記して、補足は後ろに付ける。
*報告書の概要も同様に結論を先に記述する。
③メールの件名は重複しないように分かりやすいタイトルにする。
*保存ファイルをすぐに探せるようにする、又は誤認して削除することを避けるため。日付を明記することも有効。例えば「ご依頼の件20231015」という表記を付ける。

私は、以上の基本が出来ていない社会人は、仕事が余りできない人の典型だと思っています・笑。この記事を見て気を悪くされたら、すみません。
*私の約40年間の経験ですから、試してみてください。

相談メールを送信されるかたは、上記の諸点を出来るだけ配慮すると、スームズに相談依頼が進むと思います。
そして、できる限り正確な情報を添付することが、正しい分析につながると考えていますので、防音職人への相談メールには、具体的な資料を付けてください。または、仕事場にお出でになる場合は、コピーをご持参ください。

今回の記事は、あまり専門的なエピソードをご紹介出来ませんでしたが、私としては重要な事項だと思っています。希望される専門家探しの一助になれば幸いです。

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