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打合せ用の防音対策と仕事部屋

最近、相談が増えているのが、比較的小さな打合せスペース及び自宅の仕事部屋の防音対策です。

画像は、取引先のベテラン建築士が開発した防音(吸音)ブースです。これは、主に事業所向けの製品ですが、重量的には木造建物にも設置可能です。

問題は、木造住宅など自宅の比較的狭い室内にはデッドスペースが出るので使いにくいということと、値段的な問題です。同程度の防音対策を行う場合は、リフォームにおいて防音材を使用して施工したほうが費用対効果やスペース的な利点があると言えます。

最近の相談では、自分の部屋に間仕切り壁と防音ドアを施工して、夜9時以降も声を出しながら仕事ができる空間を造りたいというご要望が増えています。主に家族と近隣の直近の家に対する配慮です。

テレワークに対応した防音目的

在宅でテレビ会議やPC端末などのマイクを通じての打合せを夜も行いたいというご要望が多くなっています。私へのリクエストの多くは木造住宅です。

遮音性能は、防音ドアの性能と同等レベルということになります。この程度なら、専門業者の工事は不要です。

必要なのは、施工説明図と施工要領および防音材です。私へのリクエストの大半は木造ですので、木造と相性の良い製品を選定します。

説明図は担当する大工職人、施主に対して分かりやすい表現で作ることが大事です。建築士がキャドで作るような設計図は、拡大しても納まりが分かりにくいので、詳細が理解できるようにします。

市販の防音材施工要領と職人

大工職人は、具体的な説明図がないと、自分の経験だけで思い込みで施工する場合があるので、防音施工という特殊性のある内容には、説明図が必要になります。

一番多いミスは、防音材だけ注文して、メーカーのカタログやネットの情報だけで、やれると思い込むことです。

他の記事でも触れましたが、市販メーカーの施工要領には間違っている箇所があり、某大手建材メーカーの防音材を施工要領に従って施工したのに、防音効果が殆どないというご相談がありました。

また、別のメーカーでは、壁と床の絶縁指示がないため、床の振動を直接、階下や壁に伝えてしまうという問題があります。メーカーの説明図が間違っているのです。これは防音材メーカーが「防音設計」そのものを知らないという事実を示しています。

いくら腕の良い大工職人でも、ちゃんとした施工説明図がないと無理です。

自宅の仕事部屋は、大半の施主が出来る限り安く施工したいと考えますので、防音材さえ確保すれば大丈夫と思い込んで失敗するケースが多いのです。

必要経費を削って防音施工できるのは、施主自身が専門知識と経験を持っている場合のみです。

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