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木造DIY防音室の設計・コンサルティング

この画像は、完成後に依頼者が撮影したものです。木造住宅の内部に依頼者の趣味の音楽防音室を依頼者自身が施工して作ったもので、防音構造の設計と専門的な防音材納品は、私が担当しました。用途は電子ドラムとオーディオ・キーボード(PC)及びヴォーカル練習です。

依頼者は日曜大工に慣れており、休日に少しずつ作業する計画で進めましたが、出来る限りシンプルな仕様で防音設計と音響を考えました。

内装は、軸組やボードに吸音材と遮音材を張り付けたあとで、依頼者が好みのインテリアで仕上げました。

床は自宅の家族の部屋に振動が伝わらないように、遮音・防振・吸音の複層構造で対処しました。

オリジナルの給排気システムの提案

画像の左側にオーディオ・PC機器のモニター、右側に鏡、そして中央の出っ張りが「給排気ダクト」です。

この給排気ダクトの内部構造の提案は私の担当でした。

多少、給気量が少なくなりましたが、長時間演奏したり、ヴォーカルの練習をしないという条件で取り付けています。

内部には吸音材を入れてありますが、健康面に配慮した素材を使用しています。完成後の吸音(防音効果)は、予想以上に良好で、給排気ダクトが防音室の弱点になることはなく、むしろ、防音ドアからの音漏れよりも小さいようです。

遠方の現場のため全てテレワークで防音対策のコンサルティングを実施

防音施工の説明図、契約書・見積書など全てPDF納品で、契約書のみ2通作成して郵送しました。電話とメール、製品のウェブサイトによって説明してサポートしました。

この木造DIY防音室の特長は、既製品のボックス型防音室よりも、薄い構造でD-50以上の遮音性能を確保していることです。ただし、ドアだけはD-35からD-40程度です。トータルの金額は、大手メーカーのボックス型防音室の約半分でした。

完成後の防音室の遮音レベルは、依頼者の予想以上の効果であり、十分に満足されていました。

説明図と防音材さえあれば、遠方の地方の現場でも問題なく対応できます。

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