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【SPYD】 最高値44.29ドル! 〜ハイテク株と利上げの関係って??〜 投資家のFIREへの旅路 第287回

SPYDがまだまだ好調です。
ベンチマークとなるS&P500をアウトパフォームして、最高値をつけています。
これってどういうことなのか??


【SPYD】

SPYDチャート

SPYDの全期間のチャートです。
一目瞭然!最高値ですね。SPYDの2022年1月の構成銘柄については、こちらの記事でも詳しく書いています!


〈 構成銘柄 〉

SPYDの構成銘柄は、金融・不動産・エネルギー・ヘルスケアなどに分散されています。
ほぼ同比率で分散されているのが特徴です。

では、なぜベンチマークとなるS&P500との差が出るのか?
これはS&P500の構成銘柄を見ればわかります。

〈 S&P500との比較 〉

S&P500とSPYD

S&P500の構成銘柄は、GAFAM、テスラ、エヌビディア(半導体)などの企業が入っています。
これからの主要銘柄の低迷がS&P500の下落の要因です。

つまり、
S&P500の主要銘柄であるハイテク株が落ちる要因が、米国にあるということです。

それがこちら!


【FRB】 

FRBは、インフレへの対応について、
3月にテーパリング終了、利上げを開始する態勢にあることを発表しています。

FRBは当初、このように言っていました。
「2022年にゆっくりと、テーパリングをやるよ!そして、利上げはそれが終わってからだから、投資家の皆さんご安心ください!」

それがこう変わったわけです。
「2022年の3月にはテーパリングを終わるよ!言っていた通り、テーパリングが終わったら、利上げするよ!」

これに市場が反応した結果、
ハイテク株が下落したということです。

【利上げと株価】

利上げは、つまり、金利を上げるということです。
これが、セクターによって受ける影響が変わるわけです。


〈 グロース株 〉

これは名前の通り、成長株です。
S&P500を構成するハイテク株は、グロース株に当たります。

グロース株は、金利上昇に対して悪い影響を受けやすい性質があります。

そもそも、グロース株とは、将来の"成長"が折り込まれた株価になっていますから、PERが高く、益利回りが低い。益利回りの低さは金利上昇時には、投資妙味が低下します。

はい。意味がわかりません!!
書きながら何を書いてるのかわかりません。じっくりと読み解いていきましょう。


〈 PER 株価収益率 〉

まずは、このPERとは何ですのん?

PERとは、「株価収益率」のことです。
株価を1株当たり利益で割った数字になります。
単位は"倍"です。

つまり、
株価1000円 ÷ 利益100円 = 10倍
となりますから、

PERとは「株価が“1株当たりの純利益”の何倍なのか」を示したものなります。

この数値が高いほど、その株価は割高と判断します。

グロース株は、このPERが高い=割高な株式ということになります。

ポイント
・グロース株はPERが高い
・PERが高い=割高


〈 益利回り 〉

続いての謎ワード「益利回り」

益利回りとは、
1株当たり純利益を株価で割った数字(PERの逆の計算式)
単位は"%"です

つまり、
利益100円 ÷ 株価1000円 =  0.1 (10%)
となります。

PERの逆なので、
このパーセンテージが高いほど、株価が割安と判断できます。

これはもっと簡単に求める数式があります。

益利回り(%)= ( 1 ÷ PER ) × 100

PERが30倍なら、1÷30=0.03 で、益利回りは3%となります。
PERが50倍なら、1÷50=0.05 で、益利回りは5%となります。

この2つの銘柄を比較する際には、
益利回りの低い前者が割高となります。

益利回りは数字が大きい方が、「割安」ということになります。

グロース株は、この益利回りが低い=割高ということになります。


あれ?
PERが高い=益利回りが低い=株価が割高なのだから、
この二つの数値を出す意味ってなに???


【PERと益利回りの違い】

さて、株式の割安、割高を判断する数字である。
この2つの数字、なぜ別で求めるのか??


〈 益利回りの目的 〉

益利回りは、金利水準との比較を目的としています。

ここでようやく金利というワードが出てきました。
利上げを関係がありそうです。

益利回りの数値を用いて導き出す数値がこちら!!


〈 イールドスプレッド 〉

イールドスプレッド(%) = 長期金利 –  益利回り

長期金利から益利回りを差し引いたもので、
小さくなるほど、株価の割安感が強い。
株式相場の水準が割安なのか割高なのかを債券と比較して判断する指標


〈 イールドレシオ 〉

イールドレシオ(%) = 長期金利 ÷ 益利回り

長期金利を益利回りで割ったもの
小さくなるほど、株価の割安感が強く
長期的な視点で見る場合には、イールドレシオを用いる。
株式相場の水準が割安なのか割高なのかを債券と比較して判断する指標


〈 利上げとの関係 〉

少しづつ見えてきましたね。

イールドスプレッドを計算してみます。

例:
PERが50倍
益利回り5%

イールドスプレッド(%) = 長期金利 –  益利回り

これに当てはめると、

イールドスプレッド(%) = 長期金利 - 5%


・長期金利が10%の場合
イールドスプレッド(%) = 10% - 5% = 5%

・長期金利が20%の場合
イールドスプレッド(%) = 20% - 5% = 15%

このような計算になるので、長期金利が、10%から20%に上がった場合は、
つまり、利上げになると、
イールドスプレッドの率が上がりました!!

イールドスプレッドの数値が高いほど、株式相場は割高となります!



【グロース株と利上げの関係】

さて、やっと見えてきました!!

イールドスプレッドの数値をみると、
グロース株は、利上げになると、割高になるということがわかりました!!

こういったことから、
利上げが3月に実行される公算が高くなったことで、
S&P500を構成する主な銘柄であるハイテク株=グロース株が、
今後、割高になるという可能性が上がりました。

そうなると、グロース株の割高感が際立ち、投資家の株式購入の意欲が遠のくというわけですね。

株式市場の数字は、未来の数字ですから、
利上げを前提とした、数字になります。

つまり、グロース株の魅力の落ちた数字です。

そういったことから、S&P500のハイテク株は、株価を下げているということです!!


【金融株と利上げの関係】

さて、SPYDを構成する銘柄は、グロース株が少なく、金融株が多くあります。
この金融株は、利上げが始まると、お金を貸す際の利子が高くなりますから、同じ金額を貸し付けても、利幅が大きくなります。

このようなことから、金融セクターにおいて、
利上げはプラスに働くため、
SPYDは、最高値更新という結果になっていると考えられます。



【まとめ】

SPYDがS&P500をアウトパフォームした要因について紐解きました!!

S&P500は主要銘柄のハイテク株=グロース株が利上げによる割高感から、株価を下げていること。

SPYDは、主要銘柄に、グロース株が少なく、金融など、利上げがプラスに働く銘柄が多いため、株価を上げているということでした!


株価の動きも深堀すると、なかなかおもしろいです。
専門用語も順番に見ていくと、意味がわかってきておもしろいですね!




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