【観る将】 「貴族」と呼ばれている男
普段、富山・石川を知っていただく記事を書いていますが、たまには全然関係ない記事も書いてみたいと思います。
天才・藤井聡太八冠の出現で盛り上がる将棋界。藤井八冠を筆頭とした現役プロ棋士約180人が、日々しのぎを削っています。
▼ 「貴族」と呼ばれる棋士
佐藤天彦九段は、将棋界最高位の一つである「名人」を三期獲得した超一流棋士ですが、一方で、その個性的な嗜好でも知られています。
クラシック音楽や絵画への深い造詣、シャンデリアやバロック調の家具に囲まれた自宅、ファッションブランド「アン・ドゥムルメステール」への尋常ならざる愛。
そんな佐藤九段に棋士仲間がつけたあだ名は「貴族」。言い得て妙です。
▼ 対局の終わり「投了」
将棋は、敗勢側の自己申告によって勝敗が決します。負けたことを相手に表明(投了)し、頭を下げるのです。
どの棋士も、それこそ絞り出すような声で「負けました」と告げた後は、しばし無言。勝負の世界は厳しいです。
そんな中、佐藤九段の投了は異彩を放っています。
まるで発声練習でもするように、一音一音はっきりした口調で「負けました」と伝えるのです。
結果に結び付かなかったものの、最期まで死力を尽くした対局へのけじめ、悔しい敗戦を次の勝利につなげるという決意、自分を打ち負かした対戦者への敬意。
誇り高く、前向きで、清々しい方だなと、いつも感心します(ご本人にそんなつもりはないかもしれませんが)。
「貴族」もさることながら、「美学」という言葉がしっくりくる佐藤九段。
これからも応援してます!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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