コロナ不況で拍車がかかる売り急ぐ家

思い出の詰まった家に付加価値がつかない現実。
全くの他人に損得勘定で検討される大事な家。
「マイホームは夢を与えてくれるのと同時に金銭感覚を麻痺
させる」。売り急ぐ家と出会って感じたことです。

資産価値0円の建物が新築同様の値付け

築23年の中古住宅と出会った時のお話です。
法定耐用年数22年(木造)を超えていたので、査定額はほぼ建物価値が
0円だったはず。ですが建物代として新築戸建てと同じ金額がのっかって
いました。ただ、土地が広く、日常生活に不便しない立地の良さが気に入り見学に。
現地へ足を運んでみると、割高感は否めませんでした。
旗竿地/隣地に越境している木/手入れがされていない庭/梁が飛び出した部屋/割れた電気照明…悪いところばかり目についてしまった。
居住中物件を見学する時の、あの何とも言えないプレッシャー。
後ろにぴたっと張り付かれながらの見学。
売主の方は焦っている。売り急いでいる。素人の私でも分かりました。

値下げ不可・瑕疵担保責任免責からみえる売主の願い

何らかの理由でまとまった金額が必要で値付けをしているのと同時に、「家に対する強い思い」も強く感じられました。
★こだわりの注文住宅
開放感があるように天井高を高く。キッチンの高さもオーダーメイド。部屋の仕切りはあえて外し、家族団欒のスペースを設ける。

23年間のいろんな思い出が詰まっている。家族以外には分からない大切な大事な想い。
「マイホームには夢をもたらしてくれる」このことを強く感じた家でした。

マイホーム購入時だけはオープンに話しやすい借金の話

マイホーム探しをしていた時、気づいたら金銭感覚が麻痺。「本日の契約で100万円値下げます!」。何だか凄くお得に感じる。購入時の住宅ローンは「ポジティブな良い借金」であったはすが、ゴールが見えない売却時には「人には話せないネガティブな借金」になることへの怖さを感じました。

少しでも高く売りたい、安く買いたい。2つの思いが1つの空間に現れる。マイホームは計り知れない夢を与えてくれるものだけれども、このことは他人には分からない。傷んだ家を見て、なんともいえない気持ちになりました。

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