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【夢喫茶*Dream Cafe*(2)】 繰り返しみる夢には意味がある? 〜夢が持つ役割とは〜

前回の記事では、夢を思い出しやすくなるためのヒント、夢日記をつけるにあたり知っておくと良いことなどについてお伝えしました。今回は、同じ夢を繰り返し見ることにはどのような意味があるのか、ということに絡めて、夢が持つ役割について少し書いてみたいと思います。
 

25年間繰り返しみた夢


私がロンドンで主催している、夜見る夢について語り合ったり取り組んだりする集い『Dream Cafe』に、あるときオフィスに勤務するAさんという女性がやってきました。「25年間、似たような夢を見続けていて戸惑っている。この夢の会のチラシを見て、この繰り返しみる夢について何かわかるかもしれないと思った」というのが参加動機ということでした。
 
その少し前に私はロンドン内で引っ越しをしたのですが、引っ越し先の北ロンドンで試しに開催してみたこの回は、事前申し込みをしていた残りの数名が現れず、なんと参加者はAさん一名。私が「今日、どうしましょう?」と聞くと、「せっかくだから夢に取り組みたい」と言ってくださり、Aさんと私は対面セッションのときと同じような感じで、彼女が繰り返し見ていた夢についてじっくりと探っていきました。
 
その夢の内容は、毎回細かい状況は違うけれども、ほぼ以下のようなものということでした;
 
「大きな怪物と一生懸命戦おうとしている。怪物のことは不思議と怖いとは思っていない。」
 

色々とやりとりしながら、この夢には以下のようなメッセージが込められているのではないか、ということになりました;
 
 ⭐️ Aさんは自分が思っている以上の力強さを内に秘めている
 ⭐️そのパワーで、果敢に何かに挑戦していくことが大切なのかもしれない
 
 
「実生活やお仕事で何かこのようなテーマにつながりそうな場面はありますか?」とお聞きすると、「仕事をする中で、色々なアイディアがあるけど、上司に言えていない」とのことでした。
 
その後、自分の中にある力を体感していただくような軽いエクササイズをしたり、お仕事に夢のメッセージを生かすことについて話し合ったり、実際に上司に伝える練習をするなどして、その日の会は終えました。
 
Aさんは「一対一のセッションをたっぷりしてもらえて、夢のメッセージも分かってよかった」と、とても喜んでいたのですが、その後ドリーム・カフェに参加申し込みをしてくることはありませんでした。

             ⭐️🌛

すると、しばらく経ったある日、Aさんからメールが届きました。それによると、「夢の会で取り組んだことをもとに上司と話し合うことができ、職場での状況がかなり改善した」、そしてなんと「25年間続いていた怪物の夢はその後パッタリと止まり、最近特に面白い夢を見ないのでドリーム・カフェに参加しなかった」とのことでした。 

同じ夢を繰り返しみるのはなぜか

 
それにしてもなぜ25年間も見続けていた夢を急に見なくなったのでしょうか。
 
夢の役割、という観点から見てみると、こんなふうに言えるのではないかと思います;
 
夢は「今ある自分の一歩先の姿」、「自分が気づいていない可能性」について、何度でも辛抱づよく伝えようとしてくれている
 
このとき、「メッセージを携えた配達人さんが、こちらがドアを開けるまで何度もノックしてくる」という図を想像してみるのもよいかもしれません。

そして、
 
私たちが何らかの方法で、かつて可能性だった自分の姿を現実で生き始めた時に、いったんその夢の役割は終わるので、同じ内容やメッセージの夢を見なくなる

配達人さんがお届け物を無事にお渡しできたのでホッとして帰っていく、みたいな感じですね。

それでも夢が繰り返される場合は

 
とはいえ、自分が抱えているテーマに一生懸命取り組んで、人生に対する態度や考え方などを変えていっても、相変わらず同じような夢を見る、ということもあり得ます。これは、夢のメッセージを受け止め損ねた、とか、自分のテーマにうまく取り組めていない、ということではありません。
 
後のブログでも詳しく書く予定ですが、「誰でも一生かけて取り組む人生のメインテーマというものがある」という考え方があります。それはある人にとってはAさんのように「もっとパワフルに生きる」ということかもしれないし、別の人にとっては「もっと感情を大事にする」ということかもしれません。他にも主要なテーマは色々とありますが、それらは各自が長い時間をかけてじっくりと少しずつ取り組んでいくようなものです。
 
そして、一生かけて取り組むようなテーマに関する夢は、バリエーションを少しずつ変えながらも、似たような内容で届けられることが多いのです。ただし注意してみてみると、成長するにつれて、同じテーマや内容でも少しずつストーリーが変わっていっている、ということもよくあります。
 
例えば、上記のAさんの場合、実際には子供のときの夢のことは聞いていませんが、もしかしたら

「怪物に出会ってとても怖かった」

という夢を見ていたかもしれません。そして子供の時よりも力強さという点では成長した今のAさんの夢は、同じ怪物でも、「怪物と戦っている」「不思議と怖くない」という内容になってきていた、ということは十分に考えられると思います。

そして、今は怪物というキャラクターが夢に出てこないので、「繰り返しみていた夢が止んだ」とご本人は捉えているのですが、実は「自分の中にある力強さ」が持つさらなる可能性について、別のキャラクターが登場する夢を見ているかもしれません。
 

夢の役割


夢見の役割や効用については、「心身の安定、健康につながる」「記憶や情報を整理することに役立つ」などがこれまでの研究でわかってきています。それに加えて、上記の例のように、夢は「起きている時の私たちが気づいていないことを教えてくれたり、自己成長をサポートしてくれる」、という大切な役割を持っています。
 
夢にはこの他にも色々な種類や役割がありますが、この『夢喫茶*Dream Cafe*シリーズ』では、特に人生をより豊かにしたり私たちの可能性を広げるのを助けてくれるものとしての夢に焦点を当てていきます。

次回からは上記でも少し触れた「夢のキャラクター」ということに絡めて、いよいよ夢のひもとき方の実際ついてお伝えする予定です。

            *   *   *

ここまでお読みくださりありがとうございました。


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