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Souliveのニール・エヴァンスがyoutubeチャンネルを開始

ニール・エヴァンス(Neal Evans)は、ハモンドB3オルガンとホーナーD6クラヴィネット、そしてベースアンプに接続したキーボードでベースも同時に操る、Souliveのトリオ・サウンドの中核となるミュージシャンです。Souliveは、3人のメンバー全員が恐ろしく耳が良いため、まるで何度もリハーサルを重ねたかのような演奏をします。しかし実際には彼らのライブ演奏の多くの部分を即興が占めています。その即興演奏において、和声的にもリズム的側面においても、事実上バンドを牽引しているのがニールなのです。

近年ではジャック・ホワイトのバンドに抜擢されて、Souliveそっちのけでツアーをしていたのが記憶に新しいところです。

インタビュー記事も映像も非常に少ない、あのメディア嫌い?のニールが自らyoutubeチャンネルを始めるなんて本当に驚きですが、しかしそれもCOVID-19の影響でミュージシャンの生活が激変したことを考えれば頷けます。この"Reed Books World"と名付けられたyoubuteチャンネルは、どうやら彼が始める(始めた?)オンラインコースの宣伝チャンネルという位置づけのようです。ぜひ成功させてほしいですね。

内容は「テーマソングの作り方」

エピソード1となる最初の動画は、"How to create a theme song" と第された16分間のプレゼンテーションです。ニールは以前から映画やTV番組への音楽の提供をしていたので、そのノウハウの蓄積があるのでしょう。Souliveファンからすると、オルガンやベースキーの技術を解説して欲しいところですが、彼のアーティストとしての別の側面をじっくり見られるのもまた嬉しいものです。

"Sci-Fi Trap" beat

ニールの頭の中にひらめいた音像(彼はよく "sonic texture" という言葉を使っています)を、どのような音色を使って組み立てていくか、その過程をコメントしながら見せてくれています。今回は80sのブレードランナーのような「サイファイ・トラップ」的な音楽を作りたくなったようです。

「ミキシングと作曲は同じくらい」クリエイティブな作業

大変興味深かったのは、ニールにとっては作曲することと同じくらいに、ミキシングの過程が重要だということでした。ミックス中にもアイデアがたくさん出てくるので、始めの頃とは違う方向に曲ができていく、だからこの "Sci-Fi Trap beat" がこれからどのように変化していくか、その過程もシリーズの中で見せていきたい、ということでした。とても楽しみですね!

貴重な天才の創作現場

ひと通り見てすぐに分かるのは、大まかな内容だけ念頭にあって、おそらく原稿を書かずに話しているということです。話しながら音色を試していたらインスピレーションが湧いてしまって、しゃべれなくなって演奏を始めています。笑 ニールは天才なのでしょうがないですね。目の前で創作の過程を見せてもらう側としては、もう先生、お好きなようにお願いします!という感じです。(明確な言語化も、演奏もyoutube上の演出もすべて完璧にできてしまうのは、この地球上ではJacob Collierぐらいでしょう)

とくにミュージシャンの皆さんにはとても参考になる話が多いと思います。実に今後が楽しみなyoutubeチャンネルが誕生しました。筆者はさっそくチャンネル登録とlikeをしました!よろしければあなたもぜひ。


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