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あんたはこんなもんちゃうねんで

ある夏の日。
日本に帰国している時に、ピラティスのインストラクターが集まって
私のワークショップを受けてくれていた。

ロールアップというエクササイズをしているときに
1人のインストラクターが隣りでボロボロ涙を流していた。

「どうしたの?」と聞くと

「今まで学んできたことってどこかに矛盾があったんだけど、ここに答えを見つけた気がします」

と言っていた。
しっかり本物を伝えたくて学んでいる人はそう感じるのだろう。
彼女の中に、過去の私を見た気がした。

どこの流派に行っても何かが違う気がする。その違和感と同時に、私はまだ何も知らないからという言葉で自分を納めていたあの頃の私に。

10年経って、この教え方をして見えてくることは山ほどある。
まだまだ私は知らないと思うことがいっぱいだ。

でも、一つだけ教えていて確実に変化をしたことがある。

それは「あなたの才能はそんなもんじゃない。」とクライアントさんを見るたびに思ったこと。

ビバリーヒルズで働いていた時のクライアントさんは
『ハードであればあるほど効果がある』という感じだった気がする。
少なくとも私はそういう気持ちで教えていて
その気持ちに応えるが如く、キャンセル待ちの満員御礼のクラスのインストラクターだった。

でも、あの頃の私とは違う。
頑張って何かを成し遂げることはない。

生徒さんの体を見て、どこにその人の才能が燻って眠っているかがわかる。
それは、動いてる時でも待っている時でも。

ほとんどの人が、自分の才能を知らずに
諦めるか
怒るか
努力でなんとかしようとするか
一生懸命であり続けるか
嫉妬するか

という状態です。

その誰も
楽しくて
楽で
面白くて
興味深くて
グラウンディングをしてて
という場所にはいない。

いつも、何かが足りなくてそれを補おうと必死でいる。

それは、私も含めて。

でも、そのメンタルでいると、何をしてても満足しない。
達成しても次の不足点が出てくるからだ。

そんな時、私は、雑誌アエラの取材を受けた。

ライターさんが「何のためにピラティスを教えているんですか?」と質問した。

その時の私はこう答えた。
「動くことは楽しい、面白いと感じてほしい」と。

12年経った今も私は、
動くことは楽しいと感じてほしいと思っている

そして、楽しいと感じた時
あなたの才能は開花する。

だから、心の中でクライアントさんにしてもピラティスのインストラクターにしても、彼らを見るときにいつも心の中で呟いてる。

「あなたの才能はこんなもんじゃない。」
と。

それは不足なのではなく、
もう本人が持っているところにアクセスをする
という気持ちでいるのだ。

本人が感動した時、楽しいと思った時
それは花を開かせる。

そして泣けてくる。

そして、自分を愛し始める。

そんなジャーニーが、私の提供しているピラティスです。


自分に感動するSoul Of Pilates


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