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2020/5/13「怖いのよ笑顔が」

・ツイッターでトレンドになっていた「連ちゃんパパ」を読んでみた。

失踪した妻がパチンコで借金を作っていることが判明し、借金取りに迫られながら失踪した妻を探す夫という話なのだけど、奥さんを探している内になんやかんやで主人公もパチンコにハマってしまう。そこから坂道を転がるように堕落していくだけども、堕落していく過程に何の葛藤もないのがこの漫画の恐ろしい所。

基本的に登場人物は禁断の果実を食べず、罪という概念を胎内に置いてしまったようなナチュラルボーンクズしかいない。彼ら彼女らは基本的に自らの行動に対して善悪の区別が無く、己の欲を満たすことを最優先に行動しているので、その行動によって他者がどう感じるのかという共感性が一切無い。
もうね、そんな人の皮を被った何かしかいないのよこの漫画。

一般的には「悪」とされるような行動を取る場合は、多少なりともそれが「悪」だと認識した上で行動するものだと思っているけど、この漫画じゃ登場人物には「善悪」が一切存在しないので「悪」とされる行為を当たり前のように行うクズしかいない。まるでクズがクズを引き寄せてクズの王国を作り上げているよう。

この漫画の内容からウシジマ君と比較されているけど、ウシジマ君の登場人物は背景の説明があるのでまだ行動に理解できる部分がある。「自分の中の黒く淀んだ部分がこじれてしまっていたら、もしかして同じようになっていたかもしれない。」なんて、読むと思えてくる場面もあるのでたまに読んでしまうと滅茶苦茶に気分が悪くなるが、それでも時折読みたくなるのは自分の中の黒い部分が突かれる感覚が普段隠している部分を露わにする解放感に似ているからなのかもしれない。

一方、連ちゃんパパではこちらが一切理解できない思考を持つ存在達が己の欲望のまま行動するのを釣りバカ日誌みたいなやさしい絵柄で繰り広げてくるのだから怖すぎて背筋に寒気を感じてしまう。パチンコ依存症へ警鐘を鳴らすための漫画であれば大成功の傑作になるよ。

後、この漫画で印象的なのは「笑顔」なんだよね「悪」の後にはみんな決まって笑うんだよ。それも屈託のない100%の笑顔で。怖いのよ笑顔が。

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・後味の悪さは後味の良さで上書けばいいじゃない。

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ということで生姜焼きです。おいしーい。

タレを作る時にニンニクをすり下ろしたらそこら中にニンニク臭が広がってすごかった。チューブのニンニクばかり使っているとニンニクの臭いを甘く見がちだけど、すり下ろすことで臭いの元になる成分が発生するのですりたては香りが爆発して何もかもが終わって全てがニンニクになります。上書けましたね。良かったです。

お金を捨てるためのドブです。 ドブに捨てるよりも時間はかかりませんので是非。