欲ばらないジャンル学習を

「作家の時間」実践2年目が終わろうとしています。次年度に向けて振り返り。

学習者が書きたい文章を書くことができる。それが「作家の時間」の魅力のはず。それを曲げてでも「ジャンル学習」をする。

するからには、そのジャンルで身に付けてほしい力がいくつも浮かんでくる。意見文を書くなら、主語と述語を対応させられるように。文の順番を整理して段落を作れるように。具体と抽象を適切に行き来できるように。意見を支える根拠を挙げられるように。…。結果、そのジャンルにかける時間が長くなってしまう。

そうすると、生徒が自分の好きなジャンルを期間がなくなってしまう。埋め合わせるように2年生になったら1年中ジャンルフリー。

でもこれはこれでフリーが長すぎる。だれる。

教師の「教えたい欲求」を抑えることができていたつもりだったが、それは1時間単位で抑えられていただけで、単元単位では抑えられていたいなかった。

ミニマムに、ミニマムに。

次年度はこうしよう。

1学期の初めは今年度と同じく詩からのスタート。
ここでは求めるのは、「どっちの言葉がいいかなー」と吟味すること、下書き→修正→校正のサイクルを回すこと。これに絞る。

1学期後半から小説を書き出す。今年度は小説を3学期にしていたので、これは大きな変更です。生徒の書きたい意欲が高い小説を1学期に持ってくることで、早いタイミングで「書きたい」「楽しい」を味わえる。やりたいことはさっさとやらせてあげよう。

夏休みの間も書くことを止めないように。小説の下書きを書き上げる、2つめの小説を書く、夏をテーマに詩を詠む。

2学期に入って、小説の編集会議、修正→校正→読書会。その後は説明文・意見文のトレーニング。

2学期後半はそれぞれのテーマを見つけて弁論大会の原稿執筆へ。

ここまでで一通りのジャンル学習を終え、3学期は生徒が書きたいジャンル、書きたいテーマの文章を書く。このサイクルを2年生でも再び回す。

この変更のメリット
・多くの生徒が書きたがる小説に早くにとりかかれる。
・1年も2年も同じ流れなので、教員の配置がしやすい
・サイクルが早まるので、生徒を執筆に追いやる圧が強まる(たぶん)
・2年生もジャンル学習なので、ミニレッスンがしやすい

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